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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
第四異世界
164/411

誘いに惑う

 朝の光が窓から家内に差し込み少しずつ気温が上がっていく。

 そんな中準備体操を済ませたアンナは、建物の影で剣を振るっていた。

 常に自身を磨くために日課として行っている素振りだが、中々集中することが出来なかった。

 ーーー視界の端にチラつくのだ。


「ふふふん♪ ふふふん♪ ふふっふふふふふ〜ん♪」


 そう、楽しそうに洗濯物を取り入れているオルレアの姿が。

 いつの間に昨日の分を取り入れたのか、今干されているのはシーツである。 ピンと張られた純白の布地のお陰かオルレアの、笑顔の輝きはとても眩しかった。


「っ、いかん。 雑念を払い、一心に剣を振るんだ…!」


 心を無にして振り下ろすと、太刀筋が曲がった。

 剣の道は心の道、剣の乱れは心の乱れーーー彼女の心は乱れているのだ。

 しかし、やたらと視界に入ってしまうのだから当然とも言えるであろう。

 さらに、家の窓から甘い香りが漂ってくるので、ある種嫌がらせの領域になっているのだ。


「先輩!」


 元気な声で彼女を呼んだオルレアは、食事の用意が出来たことを伝えると、窓からコップを出してきた。


「カッコ良かったっす!! ボク惚れちゃいそうっす!!」


 そして食事後。

 洗い物をしながら背中越しに話すオルレアの呼吸は興奮のためか荒い。

 口を開けば褒めてくれる彼女に、アンナは何とも言えない表情を浮かべている。

 理由は簡単だ。 食べ過ぎてしまって眠いのである。

 ここに滞在している時は城内の設備を利用しているので、食事も食堂で済ませているのだが、オルレアが作った料理はそれとは比較にならない程に美味しくて、気が付いたら綺麗に平らげていた。

 すると、眠気だ。

 決して睡眠薬の類が入っている訳ではないのだが、あまりの満腹感に意識が持っていかれそうになってしまったのだ。

 自然と瞼が落ちそうになり、景色が揺らぐ。 なんとか気力で奮い立たせようとするも、またすぐに船を漕ぎかける。 それの繰り返しだ。

 まるで子どもみたいな自分を見られまいと奮闘していると、「眠たいっすか?」といつの間にか眼の前の椅子に座っていたオルレアに、見つかってしまった。


「いや…」


 適当にはぐらかしを試みたが、あまり嘘を吐くことが得意でない彼女は言ってすぐ、見破られ易い返答をしたことに後悔した。


「眠たいなら眠たいと言ってくれればすぐに用意するっすよ。 丁度シーツのお洗濯も終わってるっす」


「…っ、誰が寝るか! 誰がっ!! どうしてこの私が朝っぱらから惰眠を貪らねばならんのだ!!」


「眠気を感じるということは、疲れている証拠っす。 無理しなくて良いっす。 寝るっす」


「寝ないと言っているだろう!! 無理もしていない!! …オルレア、お前こそ休憩したらどうなんだ。 動きっ放しで疲れているだろう」


 疲れている訳ではない。 ただ満腹過ぎて眠たいだけなのだが、そんなことを知られようがものなら赤っ恥ものなのだ。

 それに動きを見る限りでは、疲れている可能性が高いのは間違い無くオルレアの方なのである。 朝早くに起床して、洗濯物を取り込んで新しいものを干してから家中を掃除して、そして朝食作りだ。

 家事というものがあまり得意でないアンナにとっては、正しく神の所業であり、どれ一つ取っても信じられない行為なのであり、これが俗にいる専業主婦なのかと内心舌を巻いていた。

 だが悔しさがあった。

 女性に変装しているとはいえ、『オルレア・ダルク』の正体は『橘 弓弦』なのだからーーー負けているような気がした。

 しかし不思議と嫌悪感は覚えない。 いやそもそも、彼女が普段弓弦に対して苛ついていたのが、嫌悪感に依るものなのかどうかは彼女自身、理解出来ていないが、オルレアという存在を受け入れているのは確実的である。


「これぐらいどうってことないっすよ。 ささ、早く先輩は寝るっす」


「だから寝ないと何度言ったら分かるんだ。 人を子ども扱いするな」


「あ、何なら一緒に寝るのもボクは構わないっすよ?」


 冗談めかした発言に、アンナは体温が少し上がったような感覚を覚えた。


「ば…っ、馬鹿者! 誰が一緒に寝るか!! 眠たいのなら一人で寝てこい! 私は知らんっ!」


「え〜寂しいっすよ〜」


「えぇい引っ付くな!」


 縋るように身体を預けようとするオルレアを少しだけ力を込めて離させると、


「…そうですよね。 どうせボクなんか先輩にとってどうでも良い人間っすよね…」


「は?」


 呆れたような表情を見せるアンナに畳み掛けるように、眼の前でよよよと崩れ落ちて両手で顔を覆った。


「…先輩の…先輩のために尽くしているボクの行動は全て、その細部に至るまでに無駄だったということっすね…っ! 良いっす…かくなる上は…!!」


 剣を鞘から抜き放ちキュッと瞳を閉じたオルレアは、あろうことかそれを自分の首筋に当てた。


「自刃するっす…」


「な、何を言ってるんだ!! おい、おいっ! 何を思っての行動かは知らんが止めろ!!」


「先輩…短い間だったけど…お世話になったっす…さようなら…「ッ!!」うわっ」


 そこからアンナの行動は速いものだった。 素早くオルレアの手首に手刀を当てて剣を取り落とさせ足で壁際まで弾き飛ばしてから、彼女の身体を倒すと同時に彼女の両手を自らの両手で押さえ込む。

 そして足の間に自らの足を入れ込んで上半身、下半身共に動きを封じた。 その時間、僅か五秒足らずであり、あまりの早業にオルレアは眼を白黒させていた。


「ぁ…っ」


 だがその次の瞬間には、恥じらいの表情を見せて顔を横に背けた。

 その行動を不思議に思っていたアンナだが、自分の今の態勢について思考している内に、自分がマウントポジションを取っていることに気付き急いで身体を退かした。

 普段はあまり気にしていないのだがあまりに恥じらう姿を見せられると困るものを感じる。

 それどころか今の行動が演技かどうかさえ怪しくなってくるのだ。 演技とはいえ、男がここまで乙女を演じ切ることが出来るのかどうかーーー彼女の頭は混乱しかけていた。


「早く寝ましょうよ先輩!!」


「…仕方無い。 今回だけだからな」


 アンナは結局、言葉通り仕方無しに折れることにした。












「寝れん…!!」


 ベッドに潜り込んだアンナは、悲し気に眉を(ひそ)める。

 眠気を覚えていたのは事実だが、軽い言い合いのお陰で吹き飛ばされていたのだ。


「……先…輩…」


 彼女の隣で熟睡しているらしいオルレアは、時折寝言を呟いており、シングルベッドで横になっている二人は側から見ると百合百合しい。

 「何故私が…っ」と、誰かにどうにかしてほしい気分になってくるのだが、どうしようもなくて天井を見つめていると、手に何かが触れる感覚があった。


「な…っ!?」


 思わず布団を(めく)って中を見てみると、オルレアが寝惚けているのか手を握っていた。 わざとやっているように思えたので、空いた方の手で彼女の頬をペチペチと叩いてみたが、無反応だった。

 しかし小さな発見があったのだ。

 オルレアの肌は柔らかいという何とも形容し難い発見が。 それがアンナにとってどうでも良い話かどうかは別だとしてもだ。


「…えぇい、しょうのない奴め」


 振り解いて鉄拳をお見舞いしたい気持ちを抑え込むと、隣で眠る彼女を無視して無理矢理瞼を強く閉じる。

 ーーーそうやってると、不思議と眠気はすぐにやってきた。

 いつもなら、なんとなく負けたような気がして全力抵抗するのだが、今感じてる眠気には快気こそ感じないものの、不快とも思わなかったので「少しだけだ…少し…だけ…」と、一時間二時間の仮眠を取るだけだと自身に言い訊かせて、深く息を吐いた。












* * *


「暇だにゃあ…」


 座布団の上で丸まっている銀毛の猫ーーークロがそうボヤいて欠伸を一つする。

 暇だというのは他でもない、怪しい行動と人から判断されるのを防ぐために、弓弦の中で住んでいる悪魔達はあまり大きな干渉が出来ないのだ。

 何故弓弦と会話をしないのもそこに理由があり、彼と特定の女性達の間で繋がっている、回路(パス)と呼ばれる回路から自分達の魔力(マナ)が間違って彼女達の中に逆流してしまうのを防ぐための目的でもある。

 弓弦と、彼が持つ特殊属性『吸収』によって存在ごと彼の中に吸収された悪魔達の間に繋がっている回路と、彼女達との間に繋がっている回路(パス)は、その魔力マナの源が同一であるので、下手をしてしまえば弓弦と悪魔達の間で繋がっている回路と彼女達への回路(パス)が繋がってしまう可能性があるのだ。

 『レイア・アプリコット』や『フィリアーナ・エル・オープスト・タチバナ』のような、『召喚魔法』や『ハイエルフ』という特殊な因子を持っている存在ならば、ある程度受け止めることは可能だが、その彼女でさえ、容量(キャパシティ)を超えてしまえば力に呑み込まれてしまうという危険性を、常に孕んでいる。 彼女達ですら、そうなのだ。 因子を持たない存在に悪魔の力が流れ込んでしまったらーーーそれは、悲劇を生むことになっしまうのである。

 だからこうして『炬燵空間』で引き篭もる他無いので暇なのだ。


「すぴー…すぴー…」


 シテロは炬燵で寝ており、


「此れで詰みだ」


()ッ!? キシャキシシ(よりにもよって)ギギギシシギシ(成金で王手だと)ッ!?!?」


 バアゼルとアデウスはどこから引っ張り出したのか、炬燵で暖まりながら、台の上に置いた将棋台で将棋を指している。 因みにアデウスは一度もバアゼルに勝てていないが、二悪魔仲良く今の時間を満喫しているようだ。

 ーーーそれが、彼の中で住んでいる悪魔達の日常だ。

 例外こそ居るものの基本的には、彼の要請が無い限り進んで手を貸さない。 気紛れだからだ。

 しかし気紛れと評したものの彼らは、弓弦が頼めば必ず力を貸す。 それは俗に書物で語られるような、代償と引き換えの悪魔との契約ではなく、彼らが力を貸したいからそうなっているのだ。

 それに住んでいるといっても、それは彼らの魂が常に弓弦と共に在ることの換言なのであり、微妙なニュアンスの違いはあるのだがそれ程間違ってはいない。

 さらにいうのならば、わざわざ彼らの力を借りずとも悪魔の魔力(マナ)を使用することは可能なのだが、彼は律儀にもそのようなことはしない。 彼は悪魔達を自分の一部として認めつつ、同時に、仲間として認めているのだ。

 もっとも、それを悪魔達がどう思ってるのかは分からないのだが、兎も角悪魔達はのんびりと毎日を過ごしているのだ。

 そんな中どうにも暇過ぎるクロは、そろそろ散歩でもしたいと考えてはいるのだが、自分が行くともう一悪魔が出て来てしまう可能性があるので動けないのである。


「すぴー…ん…おはよーなの」


 もう一悪魔ーーーそう、シテロだ。

 彼女も相当に暇しているのか、最近は外に出たくてしょうがないようで、弓弦に話し掛けようとするのをクロが止めている状態だ。

 本来ならば、悪魔達にとって一日だといや、人の一生など瞬きする間に終わっているようなものなのだ。

 しかし今は、特にシテロは姿こそ小龍だが、彼の中に住んでいる悪魔達の中で唯一、弓弦の姿を借りずして人型で顕現出来る存在なのだ。 その代わり武器に姿を変えることは出来ないのだが、以前のように弓弦の騎龍として戦場を駆けることも出来る。

 これが中々、“弓弦に乗られる”ということが本人(本悪魔?)も気に入っており、自慢気に話してくれるのだ。 所謂惚気話である。


「にゃはは、おはようにゃ。 良く眠れたのかにゃ?」


「眠れたの。 ふぁ…ユールに会いたいの」


「それは無理にゃ(はにゃし)にゃ。 迷惑をかけるのはいけにゃいのにゃ」


 小さく炎を吐いて欠伸したシテロが俯くと、小さく音がした。


「お腹空いたの…」


「にゃ? 蜜柑の段ボール…空にゃ。 他に(にゃに)か食べる物(にゃ)いかにゃ?」


 因みに蜜柑の段ボールは十箱程準備してあった。


「…無いの…お腹空いたの…っ」


「にゃぁ…お茶飲むかにゃ?」


「飲むの」


「にゃ。 急須にお茶って入ってるかにゃ?」


「半分程ある。 クク…此れはどうだ?」


キキシ(だから)キシキャキシャシャ(際どいのを取るなよ)…」


 将棋崩しですら完敗を喫しそうなアデウスに、「にゃはは」と笑い、喉を鳴らしたクロは本棚の隣の台に置かれた急須を、器用に口に咥えて「シテロ専用なの」と書かれた湯呑みに傾ける。


「ありがとうなの」


「まだお茶はあるから、これで暫く空腹と気を紛らわすにゃ」


「…極貧生活なの……」


 涙声に溜息を吐く。

 これでも努力はしようとしていたのだ。

 だが弓弦がフリーになることがなかったのだ。 「流石にお風呂の時は…」と思っていたクロだがなんと、アンナが余計なことをしてしまったがために風呂が壊れてしまったのだ。

 なので合同浴場を使用するため、どうしても何らかの仕掛けがあっても、おかしくない状況に突撃する羽目になってしまっているのだ。 現在弓弦が、昼間知影と風音のアドバイスの下に修復しようか考えているのだが、色々業者に依頼しなくてはならないようなので大変そうだ。

 大変といえばもう一つ、“とあること”があるのだがーーー


「ズズズ…なの」


「…ま、今は見守るのにゃ♪」


 悪魔達は今日もやっぱり、気紛れなのだ。


* * *


 酒は揺れる。

 揺れるは人の心ーーー否、乙女心だ。

 彼女の心は今日も不安で揺れていた。


「…やってられませんわ…」


「……ふぅ、そうかしら」


「やってられるはずありませんわッ!!」


 ガンッ! とグラスを隊長室のテーブルに叩き付けてリィルは怒鳴るように言う。

 彼女の後ろにあるゴミ箱にはグチャグチャに丸められた肌色多めの雑誌が、ブチ込まれており、ゴミ箱には「汚物」と大きくマッキーで書かれていた。


「一体どこからあんなものを調達してくるのか、理解出来ませんわ、出来ませんわぁぁぁぁぁぁっ!!」


「あら、それが男と言う生き物よ? いつまでも少年の心を忘れない生物。 これで何回目かしら? 別に私は夜、暇しているから構わないのだけど…」


「それは弓弦君が居ないからですわっ!! それにそれでも理解出来ないのですわ、出来ないのですわぁっ!!」


「暇…ね。 そうね…夫を待っている妻と言うのは人から見れば、寂しそうに見えるのかもしれないわね。 ふふ、確かに寂しいわよ…」


 そう言いながら微笑を浮かべたフィーナは、『エルフの口付け』の注ぎ口を指でなぞりながら、微かに濡れた自らの指を物憂げに見つめる。


「だけどそんな顔、あの子の前で見せる訳にはいかないじゃない。 留守を任されてるしあの子も寂しがっているから…」


「副隊長…ですわね…じゃありませんわッ!! 問題は弓弦君よりあの粗大ゴミですわぁっ!! あんの粗大ゴミィィィィッ!! キエェェェェェェッ!! ケェェェェェェ「駄目よ」」


 暴れようとしたリィルの足が、フィーナが発動した“バインドアイス”によって凍り付き、惨事が防止される。


「女を捨ててどうするのよもぅ。 今日はこれぐらいで止めておくこと。 これ以上酔われても私、面倒見られないわよ」


「だ、だってぇぇですわぁ…私をガン無視しやがって…ですわぁ…ですわですわですわぁぁ…っ、うわぁぁぁぁぁぁんんっっ!!!!!!」


「あぁ、もぅ…泣かないの。 そろそろアクションかけたらどう? 対抗馬が現れるとは思わないけど奥手と言うのも駄目よ?」


(わたくし)は馬ではありませんわぁぁぁぁっ?!?!?!?!」


 ヒヒーン。


「物の例えよ。 だけど元気なのは良いことよ」


「ヒヒーンって何ですの!?」


「‘…あの人今、どうしてるのかしら…? 変に調教されてないと良いのだけど…あ、でも世話を焼いているのは間違いないわねきっと…ふふ、なら私も置いて行かれないように色々新しい試みをしてみようかしら? 肉じゃがを教えてみるとか…あ、良いかもしれないわ♪ でもあの子お菓子作りは兎も角料理の腕は…本当、何をやっていたのかしら…? いいえ、一から教えればきっとあの人が戻って来る頃には…ふふっ♪ 水入らず…あの人の驚く顔が浮かんでくるわ♡’」


「訊いていますのっ!?」


「‘『美味しい、凄いじゃないか』ってあの子を褒めてくれる弓弦…そうだ、どうせなら三人で小旅行にでも出かけようかしら…場所は…そうね…『ベルクノース』辺りで良いかもしれないわ。 『カリエンテ』に『ジャポン』に『オエステ』と南東西と行ったのだから、北も制覇したいわね…雪が降り積もる街路をテクテクテクって歩いているの…ふふ、良いじゃない♡ きっとこの人間同士のいざこざもその頃には終わっているはずだから、ちょっとぐらい…そんなお土産を貰っても良いわよね?あ だって“テレパス”も出来ないのはやっぱり…’」


 どうやら自分の世界に入ってしまったフィーナは既に、リィルの言葉が耳に入っていない様子だ。

 良い具合に出来上がってきたのか、蕩けるような女の笑みを浮かべ始めたフィーナは、やはりどこか寂しそうであった。

「お~? セイシュウお前さん…元気無いな~」


「…まぁ、ね」


「アレか? リィルの奴にエロ本取られでもしたのか~?」


「……」


「…マジか。 あ~…ま、そう気を落とすな。 俺が持ってる奴からお前さんの好きな奴、やるから」


「…本当かい? 本当にくれるのかい?」


「あぁくれてやるぞ~。 ちょっと待ってろ」


「…はぁ、リィル君も酷い子だよ。 男の楽しみを奪うなんて…はぁ」


「ほいっと、この中から選んでくれ~」


「どれどれ「とその前に」…?」


「予告しないとな~」


「任せた「おいおいそりゃ~無いだろ~!」…はぁ」


「『夜道を歩く一人の女性。 そして彼女の背後を付ける謎の人物』」


「はぁ『迫る魔の手に彼女はどう抗うのか。 そして、明かされる驚愕の真実』」


「『あの少女は、本当に少女なのかそれとも、暗示が解けて男に戻っているのかーーー』」


「「『次回、愛に困る』」」


「…か~なり、アレな内容だな~」


「これ驚愕の真実どころじゃないよ!? これ、え? これ…どうなの?」


「ま~これまでは薄々察しろだったのが、ある種明言されたってことだな~」


「大丈夫かな…いや、普通に腹が立つんだけど」


「ま~進んでるんだ、色々とな」


「…」


「ま~、次回も、ビールとつまみ片手に楽しめよ~!」

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