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絶望目録  作者: ネガティブリストの管理人
1章、もう一人の筆記者
7/20

七話 正体発覚

夢にしては新鮮だ、僕は今いる空間を死後の世界として受け止めている。

出来れば早く帰って絶望目録を書かなければと思うとこの糞長い無言の間がもったいなく感じる。

『よし、皆様には神になる権利を分けてあげようかな。義務ではあるまいし、なりたくなかったら帰るといい』

その後に真ん中の白い人間っぽいのは帰れたなと付け足し鼻で笑った。

次に皆が思っている疑問に答える。

『まずこれだけの人がいてなぜ話し声がしないのか、なぜなら皆様には反論されないよう喋れないようになっているからです』

腹立つなぁ・・・、さっさと終わらせてくれよ。

『では神の候補者になるためのルール説明をさせてもらいます、目の前のなんて言うんだろう・・・、まぁこの光景を見てください』

液晶モニター的なものに大都会や無法地帯、砂漠や砂浜などが写っている。

『ルールは簡単、今写っているのはこれから君たちが戦う場所。一試合5人で戦い合い、生き残った1人が二試合目に出場』

一体どうやって戦うのか?

さっき言ってた超能力なのかな?

『ここで言いますが戦う場所は仮想世界バーチャルリアリティで生と死の間で戦うわけではありませんが、負けた場合は何らかの支障をきたします』

どゆこと?

『では皆様、詳しい説明の方は翌日に個人受付で行いますので・・・、今日はお休みください』

白い人間みたいなのは煙の様に消え、また睡魔に襲われ寝込んでしまった。


***


「うっ・・・」

目が覚めたらまず見えたのは藍色の髪の毛の女の子、水華が焼肉を食べている光景だ。

「おっ、目が覚めたか」

ボケていて少し対応が遅れながらも、

「・・・あぁ目覚めましたよ、今何時だ?」

「9時15分、さっき寝始めたのが9時5分・・・10分しか寝てないじゃん」

おかしいな、さっき死後の世界で30分くらいいたはずだけど・・・。

なんか都会暮らしでストレスたまってたし、カオスだが自然の景色を見れて得した気分だな。

「焼肉の方はどうなってる?」

「見ての通り、後ちょっとで食べ終わる感じかな?」

どんだけ食えば気が済むんだよ・・・。


***


絶望目録を書くために10時、書斎のPCの電源を入れた。

起動音がなり、デスクトップが表示され、いつもの絶望目録のフォルダーが右下にある。

絶望目録を左クリックをしたまま少し右にして指を離せばゴミ箱に行く、それはしたくない。

では珍しく今回は記憶を頼りに絶望日記を書くことにし、記録87649号~記録87665号までの16件書いた。

そしていつも通り絶望目録フォルダーにテキストドキュメントに移す。

そして昨日気づいたもう1人の絶望筆記者が今日も更新させている。

いいのか悪いのかは知らないが日記数で言えばこっちが上だ。

「ちょっと読んでみるか・・・」


記録3016号β

初めての命綱なしのジャンプ、緊張した。

失敗したらどうしよう


記録3016号β

久しぶりに絶望の源の家についた。

あんな所にピザがある、食べてみると冷たかった


記録3017号β

ゴルフバットで殴られた、痛い。


記録3018号β

初めて喋った、絶望の源の目は絶望色だ。

追い出されたのでもう一度あのビルからジャンプ


日記3019号β

絶望の源(以下源)は外出したので洗濯機と風呂を借りる事にした。

昼ごはんについて聞いてないので源の行ってる学校に行こう。


日記3020号β

干して服を乾かすと餓死するので乾燥機も借りちゃおう。

小腹が空いたからカルパッチョでも作ろう。


日記3021号β

学校に登校、左胸についてある名札に神山って書いてある。

源の日記で語られていた女性だ。


日記3022号β

どういう関係なのか聞かれたので私は妹、源は兄ってことにした。


日記3023号β

BOXCoffeeのサンドイッチは美味しかったが喫煙席ってのが苦だ。


日記3024号β

焼肉でまる焦げのやつを食べたら気分を悪くした。



正体は水華かよッ!!

「なにジロジロ見てるんだ?顔出したらどうだ?」

僕は書斎の壁本棚の向こうに隠れているもう1人の絶望筆記者に声をかけた。

「バレちゃったな~」

そりゃほぼ一日中一緒にいたからバレるだろうな、とでも言いたかったが、

「別に怒ったりしないけど、なぜ初めてあった時に言わない?」

「だって面白く無いじゃん」

全くとんだイタズラだ。

「それでさ~、なぜ今日初めて顔出しに来たんだ?」

水華は微笑みながら、

「それはまた後日教えてやんよ」

「そうか、僕の前に現れた理由が後日わかるってことか」

これに対しての言葉は無かったが頷き、「風呂に入るね」と言い残して書斎から出て行った。


「これで今回の問題は解決か、今日はぐっすり寝れそうかな・・・」

最初は強く言ったが、後の方は死後の世界の件があって弱くなってしまった。

「まぁ『今日はお休みください』って言ってたし、ぐっすり寝てみるか」

そして僕は目を瞑って安らかな睡眠を送れた

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