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絶望目録  作者: ネガティブリストの管理人
1章、もう一人の筆記者
6/20

六話 本題

「なんか悪いな神山、僕はもう帰るわ」

ここで水華がなにかやらかしたら困るので僕は帰ることにした。

「そう、楽しい夏休みをご満喫してくださいね」

「あぁ」

僕はカバンを持って教室に出た。


***


12時10分、僕は毎回恒例の寄り道のついでに昼ごはんを食べることにした。

「昼ごはんって言うけど何が食べたいんだ?」

「焼肉!」

財布の中には5千円、最寄りの平均値段(昼)が1000円ちょっと。

お金には余裕があるんだが・・・

「こんな暑苦しいのに焼肉かよ・・・、涼しいところは無いのか?」

「例えば?」

「カフェとか寿司屋とかじゃないか?」

ついでに今行った2軒は矢先にあるお店を左から言ったものだ。

「しょうがないなぁ~、カフェにするよ」

「あぁそうか」

僕と水華の関係は皆無だ。

しかし、周りから見る僕らの関係は完全に兄妹だ。


***


僕はホットドック、抹茶ラテ、クッキーをオーダー。

水華はサンドイッチ、オレンジジュースをオーダーした。


僕は趣味で隔離されている喫煙席のカウンター式の所に座った。

水華とは出来れば別々の席に座ってもらいたかったが僕の隣に座った。

食事から数分後、僕は話しかけた。

「お前今日、どうやってベランダに来れたんだ?」

「隣の廃ビルからぴょ~んって飛んで来た」

意識的に隣の廃ビルからジャンプして我が家のベランダに着地するとは才能的だ。

それ以前に骨折とかは大丈夫なのか?

「そんなことして怖くないのか?、落ちたら今頃は霊安室で横たわってたぞ」

「まぁ死ぬ気でやったことだし恐れることは無いよ」

「そうか、それでなんで飛ぼうとしたんだ?」

「・・・・・」

水華は黙りこんでオレンジジュースを飲んだ。

「じゃあ簡単にしよう、なぜ僕のところに来た?」

飲み物を飲む動作を止め、唇からグラスを離しこっちを見て

「それについては今晩教えるから、今は楽しくお昼ごはんを食べようよ」

そうだよな、今はごはんを食べよう。

僕は仕草で対応して食べることにした。


***


昼飯後はゲームセンターで遊んだ後に買い物をした、晩御飯は家で焼肉をすることにした。

帰ってきたのは7時頃だ、結局今日は絶望日記を書けなかった。

水華が何処かに行ったらパソコンに直書きでもしますか。

携帯が壊れているため叔父から今日は帰ってくるのかとかのメールがわからないので不安だ。

「なぁ水華、今から叔父に電話するから黙ってろよ」

「そこまで鬼畜じゃね~し」

固定電話で叔父に電話することにした。


「もしもし、叔父さん?」

『あー祭次か?』

「そうだよ僕僕」

『要件はなんだ?』

「今日は帰ってくる?それと今日携帯壊れた・・・」

『今日は帰ってこれないなぁ~、それで携帯が壊れたから新しいのを買うためにお金が必要なんだ、だから口座に10万円入れてって言いたいんだろ?』

あれ?なんか流れが・・・

「違うよ叔父さん!」

『って僕僕詐欺かッ!!』

ここで通話は終了した。


「顔色悪いねお兄ちゃん」

あれ?色々おかしいな・・・

「色々あったんだよ妹って・・・なに兄妹ぶってんだよ、僕ら血が繋がってないだろ・・・」

「だって神山って人が兄妹?って言ってたから・・・」

原因はお前だけどな。

「まぁいいや、叔父さんが帰ってくるまで兄妹ごっこでもしてやるよ」

もしかしたら海外出張でもしてるかも叔父さんは最悪一ヶ月は帰ってこないかもしれない。

多分そんなんだったら二学期が始まる頃には妹がいると勘違いされるだろう。


***


焼肉も終盤の方に来た、ここで水華は重い話をしだした。

「なあ本当に神様っていると思う?」

神様・・・か・・・。

僕は一時期神様を信じて生きていたが両親失踪事件があってから神様の悪ふざけと理由付け、それから僕は存在を拒否し続けた。

「信者共の妄想の人物だろ」

「そうなんだ・・・、あたいはちゃんといると思うよ」

「いるとかいないとか、人それぞれなんだな・・・」



「ちゃんと存在するから、信じないなら見せてあげるよ」


ここで僕の意識は朦朧としてきた。

「水華って面白いなぁ・・・・・・・・」

睡魔に襲われ寝こむように、僕は目を瞑ってしまった。


***


『ようこそ神の候補者になる権利のある者よ』

目が覚めたら不思議な光景が目の前にあった。

本来目が覚めたら我が家のリビングで焼肉プレートと食材があるはずなのだが、

「楽園かよ・・・・」

どうやら僕は楽園らしき所にいる。

芝生にリンゴの木、浮遊する城、快晴、空に飛ぶ見たことのない鳥、そして空間の中央に今いる所から石橋で繋がっている浮遊するステージがある。

『それでは皆様、中央の広場に集まってください』

僕はアナウスの言う通りに石橋を渡って中央に向かうと黒い人間達も僕と同じようにしている。

「なんか気味悪いなぁ・・・」

徒歩5分で石橋を渡りきり広場についた。

それから10分後に全員が揃ったらしく、広場の中心に白い人間の形をしたものが現れた。

『今のお気持ちはどうですか?心の中で考えてください』

どうしても理解できない、もしかして死んだのか?

『では皆様が集まったので、説明をしましょう』


『これから皆様に超能力を与えます、その力を使って神になる権利を獲得してください』

焼肉に毒でも仕込まれていたのか?

なんか死んだ気にはならないな。


もしかしたらこれが死後の世界なのか?

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