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絶望目録  作者: ネガティブリストの管理人
1章、もう一人の筆記者
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一話 学業をサボることに価値は無いby宮本

え~っと。こうやってこうだったか。

夏休み、今日は午前中に宿題を済ませようと思っていたが何をしているのだろう。

仰向けの状態で携帯をいじっていたのだ。


***


人は皆、些細な出来事で絶望したことはあるだろう。

僕で例えるなら去年の夏休みは『明日やればいいや』の後回しで結局手を付けずに終わったり、夜更かしが原因で遅刻して皆勤賞を逃したり、風呂あがりにアイスを食べようと思っていたら最後の1個をなんとなく既に食べていたり・・・・etc

僕はこのような絶望的なことをテキストドキュメントに書き留めている。

(以下絶望日記)

数ヶ月もやっていればデスクトップが満タンになるのでフォルダーに収めておく。


この数年間書き続けてきた絶望日記をまとめたフォルダーの名前を僕は、『絶望目録』と名付けた。


***


記録87628号

7月27日火曜日、朝起きたら汗だくだ。

布団が湿ってるし、布団さんの為にもこれから外で寝ようかな。


僕は絶望日記をパソコンに直で書くわけではなく、携帯のメール送信の所で思ったことをありったけ書いて送信するのだ。

もちろん送信先は自分のパソコンのだ。

虚しい話、僕は一度だけ送信先を間違えてスクールカウンセラーの人に送ってしまったことがある。

後日来たメールにはこれからは保健室登校したくなるほどのものだった。


それにしても布団を絞ったらダボダボ汗が出そうなほど湿っているではないか。

それと学校からの不在着信が50位来ていることに布団に篭りたくなる。

「そういやぁ今日補習だったんだ・・・」

僕は毎日欠かさず日記を書いているのだが、文系科目が苦手で中学から国語の成績は1,2,3のどれかだけだ。

別に文系科目が苦手とは言え、社会は一番好きな科目だ。

ここで絶望ポイント、僕は理数系を専攻していて来年の大学入試では工学部、経済学部を狙っている。

学力試験では国語・数学・理科・英語と社会を除いた4教科である。

なぜ一番得意な教科が入試に出ない?

別に自慢じゃないけど高校入試では頑張って全国最高峰の私立学校に入学し、指定校推薦で一流大学があるらしいけど教師曰く『理数は一流だけどなぁ、国語・・・』

どうやら内申が足りていないらしい。


そんなどうでもいい自慢話は置いといて、今から学校に向かうべきか?

叔父さんの家に居候させてもらっている僕、ここから学校まで徒歩3分なのだが。

授業はとっくに終わっている、さぁどうする?

つーか、何さっきまでのんびり携帯いじってたんだ?



***



起床から20分、11時40分に僕は学校の制服に着替えて登校することに決めた。

理由はただ一つ、固定電話に電話が来たからだ。

僕は叔父のモノマネで出てみると学校から。

内容は脅迫だったのだ、最悪留年らしいので行くことにした。


11時45分、ついに来てしまった。

良いことなのか、悪いことなのかはさておき僕と同じ寝坊などをしたメンバーが4人ほどいる。

凄く嬉しくて絶望日記を書こうとしていた携帯を珍しくポケットにしまった。

私立桃詠大学付属高等学校の現2年生の生徒人数は585人、その中の進学希望の理系が160人くらいの中でクラス編成がされている。

一クラス40人で構成されているので4組ある。

平等的に考えればこの教室に5人いるという事は一クラスに1人が今回の補習に遅刻して今いるように思えるが現実、この教室にいる5人は全員僕と同じクラスなのだ。


嫌がらせか、いつもなら職員室の近くにある大会議室で補習を行うのだが今回。

今回は2学年理系3組が補習の場となっている。


軽く今回いる補習メンバーを絶望日記と一緒に書く


記録87629号

なんかみんな僕のことをいやらしい目で見つめてくる。

僕はそんなにけしからん体型なんざしてないよ、その目は教卓の前に着席してる越後さんに向けるべきだ。

そして越後さんの右斜め後ろに座ってる神谷はどうしたその眼帯、中二病に目覚めたのか?

壁側に溜まってる2人組に関してはなんでこの学校に入学できたのかが未だに理解できないよ、外見が完全にヤンキーじゃん。

そして窓側に座ってる神山さん、・・・・あれ?

僕のことを見つめてくれてないや、さっきから車道を走ってる車を数えてるよ。

神山さんの世界では登校してきた僕より車のほうが価値があるんだ・・・。

彼女や先生などの皆さんの為にも翌日から登校しないほうがいいのかな?


『しかし、留年を避けるために補習を受けてんだ。他人のために留年するバカがどこに居る?』

まぁいいや、先生来たぁ・・・


先生は指で一人ひとり指し数えて出席リストにチェックを書いて、

「皆さんこんにちわ、朝は何をしていましたか?」

僕は携帯をいじっていました、なんて言えないな。

「・・・・黙っているってことはしょうもないことでもしていたのでしょう」

図星

「なぜ高校入試では数多の受験生を蹴落として本校に入学したのに15ヶ月後には15人の退学者と留年確率60%の22人が出てしまったのでしょう」

今更かよって思うけどこの先生、国語の先生じゃないんですよ。

なぜこんなところに学級主任が来てるんだろう?

「言い方悪いけど本校は学ぶための学校なんです、遊びたくて高校に来てるんだったらそこらの三流高校に転校してください」

せせせ・・・説教だった。

「今の日本は資本主義で一流の人間から三流の人間までいる、一流の人間って学生の頃に学歴などの貯金を作っているから少し頑張れば金になる人間」

「二流は一流を目指していたが蹴落とされてしまったものや、三流から這い上がってきた人間で大体の社会人はこの層にとどまっている」

はぁ・・・またあの話か

「三流ってのは頑張ることをしない無能、努力の価値を知らずに育ったもので生涯苦労する人間になる」

「今回私が言いたいことは一流の人間は言われずとも行動する、二流は言われて行動、三流は言われても行動しない、皆さんは三流に属してんですよ」

うわぁ・・・めんどくせぇ・・・

この説教は30分続くのであった。


記録87630号

学級主任の宮本が僕達のために喉を荒げて怒ってる(敬語笑)

僕達が遅刻しなければ先生の寿命は縮まらずに国語の先生の授業を受けていたんだ。

先生と自分の為にもちゃんと補習には遅刻せずに行こう

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