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第149話「また会うための約束」
卒業式のあと、駅前のカフェに寄った。
制服姿で入るのも、もう最後かもしれない。そう思うと、ちょっとだけ背筋が伸びる。
「……じゃあさ、いつか合同展示やろうよ」
ゆらがストローをくるくる回しながら言う。
「いいね。大人の文化祭とか、社会人版の部活とか」
さゆりが笑いながら乗ってくる。
「そのときまでに、作品ストック作っとかなきゃな」
律も穏やかに頷いた。
カップの底に残ったラテを飲み干すころには、未来の話で机の上がいっぱいになっていた。
まだ見たことのない景色なのに、なぜかもう、そこへ向かう道が見えている気がした。
駅前で別れるとき、誰も「じゃあね」とは言わなかった。
代わりに、笑って手を振りながら声をそろえる。
「――またね!」
その言葉は、今日の別れを軽く飛び越えて、次に会う日の約束みたいに空に溶けていった。




