表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
糸と針と、わたしたち。  作者: 南蛇井
高校3年生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

148/150

第148話「ちゃんと泣けるのは」

 卒業式が終わってから、校門前は人の波とシャッター音でいっぱいだった。

 友達と笑って、後輩と写真を撮って、先生に呼び止められて――ずっと笑顔を作っていた。


 でも、ふと視線の先に、空っぽになった教室の窓が見えた瞬間。

 喉の奥が熱くなって、こらえる間もなく、涙がぽろりとこぼれた。


 (……あれ、やばい。化粧崩れる)

 慌てて袖で拭いながら、心の中でふっと思った。

 ――ちゃんと泣けるのは、ちゃんとやってきたからだ。


 そんな当たり前のことに、今さら気づくなんて。

 でも、それでいいのかもしれない。


 花束を抱えたまま校門を出ると、律とさゆりが待っていた。

 「……行こっか」

 「うん」


 三人で並んで歩き出す前に、一度だけ振り返る。

 青空の下にそびえる校舎が、少し遠くに見えた。

 それでも――あの場所で過ごした時間は、ずっと胸の中で近いままだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ