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第144話「これからも、つながっていく」
展示最終日。
来場者の足音もまばらになり、私たちは作品を一つずつ箱にしまっていった。
色とりどりの布や糸が、あっという間に段ボールの中に隠れていく。
「……なんか、さみしいね」
ぽつりと口から出た言葉は、静かな展示室にすっと溶けた。
そのとき、片付けを手伝ってくれていた後輩たちが顔を上げる。
「来年は、私たちがやります! 先輩たちみたいに」
まっすぐな笑顔に、胸がじんわり温かくなる。
――ああ、続いていくんだ。
私たちが卒業しても、作品も、活動も、この空気も。
片付けを終えて校舎の外に出ると、まだ冬の風が頬を刺す。
でも、不思議と冷たくなかった。
「じゃあ、また何か作ろうね、どこかで」
私がそう言うと、
「うん」
さゆりと律が同時に笑った。
風の向こうに、まだ見ぬ季節が待っている気がした。




