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糸と針と、わたしたち。  作者: 南蛇井
高校3年生

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144/150

第144話「これからも、つながっていく」

展示最終日。

 来場者の足音もまばらになり、私たちは作品を一つずつ箱にしまっていった。

 色とりどりの布や糸が、あっという間に段ボールの中に隠れていく。


「……なんか、さみしいね」

 ぽつりと口から出た言葉は、静かな展示室にすっと溶けた。


 そのとき、片付けを手伝ってくれていた後輩たちが顔を上げる。

「来年は、私たちがやります! 先輩たちみたいに」

 まっすぐな笑顔に、胸がじんわり温かくなる。


 ――ああ、続いていくんだ。

 私たちが卒業しても、作品も、活動も、この空気も。


 片付けを終えて校舎の外に出ると、まだ冬の風が頬を刺す。

 でも、不思議と冷たくなかった。


「じゃあ、また何か作ろうね、どこかで」

 私がそう言うと、

「うん」

 さゆりと律が同時に笑った。


 風の向こうに、まだ見ぬ季節が待っている気がした。



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