表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
糸と針と、わたしたち。  作者: 南蛇井
高校3年生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/150

第143話「見てくれる人がいるから」

 展示会場の一角。

 私の作品の前で、一人の下級生が立ち止まっていた。

 制服の袖口をぎゅっとつかんだまま、じっと刺繍の模様を見つめている。


「あの……これ、先輩が作ったんですか?」

「うん、そうだよ」

「私も……こういうの、作りたいです」


 その言葉は、展示室のざわめきの中でもはっきり耳に届いた。

 胸の奥で、静かに火が灯るような感覚。


 ――見てくれる人がいる。

 それだけで、続けたい理由になるんだ。


 後日、部室でその子に刺繍の基礎を教えることになった。

 糸を針に通すときのコツや、布を引きすぎない力加減。

 真剣な顔でうなずく後輩を見ていると、気づけば笑っていた。


「先輩って、教えるの上手ですね」

「……そう?」

 少し照れくさいけれど、悪くない。

 ちょっとだけ、“先輩”の自分を誇らしく思えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ