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糸と針と、わたしたち。  作者: 南蛇井
高校3年生

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141/150

第141話「最後の展示は、始まりの場所で」

 冬の朝の冷たい空気の中、私たちは大きな袋や箱を抱えて校内ギャラリーへ向かっていた。

 文化部共用の展示スペースは、窓から差し込む光で白く照らされていて、静かなのにちょっとだけ胸が高鳴る場所だ。


「よし……置くよ、せーの!」

 ゆらが笑いながら、自分の卒業制作を机の中央に置く。

 その横で、さゆりが丁寧に布を広げ、律が説明パネルを立てる。

 それぞれの“未来への贈り物”が、少しずつ形を整えて並んでいく。


 ふと、去年の同じ時期のことを思い出す。

 初めてこのギャラリーで文化部の合同展示を見た日。

 あのときは「すごいな」「私たちも何か作れるかな」って、半分憧れ、半分不安で――。

 気がつけば、その“憧れられる側”になっている自分たちがいた。


「去年の私たち、ここから始まったんだよね」

 ゆらがぽつりと言うと、さゆりと律も笑った。

「そうだね。……今度は、誰かの始まりになるかも」


 展示が始まると、後輩やクラスメイトが少しずつ見に来てくれた。

 じっと作品に見入る子、説明文を声に出して読む子、写真を撮ってメモする子。

 その一つひとつの反応が、静かな空間を少しずつ温めていく。


 “終わり”じゃない。

 きっとこれは、また新しい何かのための“はじまり”なんだ。

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