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プロローグ①

そんなに長くはならないと思います。沢山の方に読んでいただけたら幸いです。

戦士「いよいよこの時が来たんだな」

勇者「ああ明日、この長かった魔族との戦いも終わる。僕たち人族の勝利で」

魔女「ここにエルフもいるのだけど?」

僧侶「では魔族、魔物以外の勝利にしましょうか」

与奪士(ついにこの日が来た…歴代最強といわれているこの勇者パーティなら絶対に…!)


 皆で火を囲って座っているなか、勇者は立ち上がり頭を深く下げた。

戦士「おいおい突然どうしたんだ?」

あまりに突然の行動に皆は戸惑っていた。

勇者「皆本当にありがとう。皆がいなかったら僕はここまで辿り着けなかった。周りからは歴代最強のパーティといわれてはいるけど勇者単体でいえば歴代最弱ともいわれている。皆と同じ時代に生まれて出会えた事を本当に感謝しているんだ」


 少しこの世界の事を説明しようか。この世界は20歳の誕生日に神様からのプレゼントがある。それは職業と呼ばれており、数ある職業から一つ授かる事が出来る。それは商人や農業など生活に長けた職業や僕たちのような戦闘向けの職業もある。中でも職業:勇者は貴重で魔王に唯一単体で対抗出来る職業と考えられ、世界に一人しか授かる事か出来ず、現勇者がこの世から去った時どこかのタイミングで新たに授かる事になる。それは人族かもしれないしエルフ族やドワーフ族かもしれない。だから勇者が誕生したとなったらその国は大騒ぎさ。もし魔王討伐となれば世界の英雄だ。その国が全てを握ると言っても過言ではない。


戦士「プッックハハハハハハハア」

戦士は大声で笑い出した。つられて魔女、僧侶も笑い出す。

勇者「な、何がそんなにおかしいんだ⁉︎」

魔女「だって…ねぇ?フフフ…」

僧侶「ねぇ?」

戦士「何を言い出すかと思えば…感謝しているのは俺たちも同じだっての」

勇者「?」

戦士「お前は確かに強くはない。おそらく戦えば俺の方が強いくらいだ。だがお前は今までのどの勇者よりも強いと思うぜ?」

勇者はイマイチ話が理解出来ていない様子。

魔女「歴代最強の勇者ですら魔王に勝てないのよ?何故かというと歴代の勇者パーティは()()()だったの。わかる?パーティではあったけどそれはあくまで勇者のオマケ。ただ勇者の活躍のみを考えたワンマンパーティだったのよ。少くとも前パーティはそう見えたわ。歴代の記録を読んでも同じ感じがしたわね。」

僧侶「あなたはメンバーの食生活や健康管理、連携の相談や話し合い、コミュニケーションととにかくパーティでの行動を重視していたわ。これって凄く難しいことなのよ?戦闘センスだけが強さじゃない。私たちパーティを歴代最強と言われるまで育て上げたあなたのその統率力が強いのよ。」

戦士「まあ確かに勇者の作戦も戦闘中の指示もたいしたものだかそれを可能にしている与奪士もとんでもないよな。」

突然に話をふられて僕は固まってしまった。

魔女「確かに。先の四天王:邪骸騎士との戦いなんて作戦内容も戦闘中の指示も意味がわからなかったしその指示通りに動けるあなたも意味がわからなかったわ。本当に戦闘職最弱なの?与奪士って。」

与奪士「…最弱でしょうね。ソロだと何も出来ないしそもそも出来る事も効果も微妙だし…。」

少し落ち込んでいるように見えたのか、勇者は慌てて割って入ってきた。 

勇者「最弱なんて…確かに使い所の難しい職業だとは思うけど君がいなかったら邪骸騎士には勝てなかったよ。」

戦士「つまりはそういう事だ。勇者、お前は戦闘指示が的確だ。俺たちはその指示通りに動く、動いてみせる。それが出来るから最強パーティなんだ。そんなパーティに仕上げたお前は間違いなく勇者単体でも最強だとおもうぜ?」

戦士の言葉に皆は強く頷いた。

勇者「ありがとう皆。さっきも言ったけど皆と出会えてここまでこれて本当に感謝してるよ。勇者が魔王討伐をするんじゃない、僕たち勇者パーティで魔王討伐をするんだ!」

勇者は拳を空に掲げた。僕たちも静かにそれを真似た。勝つぞ!絶対に!


 ふと思い出したかのように魔女がカバンから何かを取り出した。

魔女「そういえばこれ使っとく?洞窟の宝箱に入っていた声を記録しておけるアイテム。」

戦士「おいおい演技でもない事を言うなよ魔女。死んだ時のためにってか?」

魔女「もちろん皆で生きて戻るつもりよ?いえ戻るわよ?でもこれから戦う相手は最強の魔王よ?」

確かに皆が生きて戻るってのは理想だが世の中そんなに甘くない。一人、二人…全滅だっておかしくはない。皆故郷で待っている人がいる。言葉だけでも遺しておきたい気持ちがある。

僧侶「まあひとりひとつずつあるんだし各々好きにしたらいいんじゃない?」

勇者「そうだね。どうやら録音をしたら故郷まで飛んでいって録音者が死なない限り再生出来ない謎機能まであるみたいだし使う使わないは任せようか。僕は使っておくよ。」

勇者はひとつ持って少しその場から離れた。聞かれるのは少し恥ずかしいようだ。

戦士「そう言う事なら俺も…妹が帰りを待っているんだ。」

僧侶「私も両親に…ね?」

二人もいそいそと離れていった。

魔女「アンタはどうするの?使っとく?」

そう言うと魔女は僕に録音アイテムを差し出した。

与奪士「いや、僕には身内はいないからね。待ってくれている友人とかもいないし…もしもの時の為に魔王の情報とか記録するのに使おうかな。」

魔女「そういう使い方もあるわね。私もひとりぼっちだからその使い方にしようかしら。」

三人が戻ってきて

勇者「じゃあ、寝よう。二人ずつ交替しながらにしようか。」

とうとう始まる。

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