閑話: 失われた伝説の薬草
エリオットが冒険を続けている一方、彼の故郷であるミルズ村では、古い伝説が再び語り継がれるようになっていた。
ミルズ村の中央広場。老若男女が集まる夕べの集いで、長老がゆったりと語り始めた。
「昔々、この村には不思議な力を持つ薬草が存在したと言われておる。その名も『エルドラの草』。どんな病も癒し、死者を蘇らせるほどの力を持っていたのじゃ」
子供たちは目を輝かせ、大人たちは懐かしい思い出に浸るように耳を傾けた。
「しかし、エルドラの草はある日突然、姿を消してしまった。それ以来、誰もその草を見た者はいない。その草を探し求めた者もおるが、見つけることは叶わなかったのじゃ」
村人たちは静かに頷き、その話を受け入れていた。エリオットの母親、マリアもその話を聞きながら、息子のことを思い出していた。
「エリオットもあの草を探していたわね。彼なら見つけられるかもしれないわ...」
マリアは心の中で、遠くで冒険を続ける息子に想いを馳せた。
その頃、エリオットはカラドールの図書館で古い書物を読んでいた。彼は新たな薬草の知識を得るため、暇な時間を使って勉強していたのだ。
「エルドラの草...この名前、どこかで聞いたことがあるな」
エリオットはページをめくりながら、その草についての記述を見つけた。
「エルドラの草は、失われた薬草として伝説となっている。最後に目撃されたのは、辺境の地、ミルズ村の近く。そこで力を発揮したという記録がある」
エリオットは驚いた。自分の故郷にそんな伝説の薬草が存在したとは。
「これは...もしかして、僕が探し求めていたものかもしれない」
エリオットはすぐに決意した。冒険の途中であっても、この草を見つけることが自分の使命だと感じたのだ。
「よし、まずはミルズ村に戻ってみよう」
エリオットは図書館を出て、ミルズ村への道を急いだ。彼の心には新たな冒険の予感が満ちていた。
ミルズ村では、再びエリオットが村に戻ってくるという噂が広がっていた。村人たちは彼の帰還を心待ちにし、歓迎の準備を始めた。
「エリオットが戻ってくる!彼ならきっと、あの草を見つけてくれるに違いないわ!」
村人たちは期待に胸を膨らませ、エリオットの帰還を待ち望んでいた
次回予告: エリオットは故郷に戻り、エルドラの草を探すための新たな冒険に挑む。彼の努力と信念がどのように実を結ぶのか、次回「エルドラの草を求めて」。お楽しみに!