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第3話: 冒険者ギルドの試験

エリオットはついにカラドールの大門をくぐり抜け、大都市の賑わいを目の当たりにした。人々の活気に満ちた市場、巨大な城壁、立ち並ぶ商店――全てが彼の想像を超えていた。


「すごいな、ここがカラドールか...」


驚きと興奮を胸に抱きながら、エリオットは冒険者ギルドを目指して歩き出した。街の中心部に位置するギルドは、堂々たる建物で、多くの冒険者たちが出入りしていた。


「ここが冒険者ギルドか。まずは試験を受けないと」


ギルドの受付に向かうと、厳しそうな表情をした受付嬢がエリオットを見下ろしていた。


「何の用かしら?」


「冒険者として登録したいんですが、試験を受ける必要があると聞きました」


「なるほど。まずは申請書に記入してもらうわ。こちらに名前やスキルを書いてください」


エリオットは手渡された申請書に、自分の情報を丁寧に記入した。その後、受付嬢に書類を渡すと、彼女はそれを確認し、にっこりと笑った。


「エリオットさん、あなたの試験は明日の午前9時からです。場所はギルドの訓練場になります。準備を整えておいてくださいね」


「ありがとうございます!」


エリオットはその夜、宿屋でしっかりと休み、翌日の試験に備えた。翌朝、訓練場に向かうと、既に多くの受験者が集まっていた。


試験官は筋骨隆々の中年男性で、冷徹な目つきが印象的だった。


「みんな、静かに! 今から冒険者ギルドの試験を開始する。試験内容は、戦闘能力の確認と、薬草の識別および調合だ。全ての試験に合格しなければならない。では、まず戦闘能力の確認から始める」


一人一人、試験官と模擬戦を行う。エリオットの順番が来ると、彼は心を落ち着けて構えた。


「君がエリオットか。どれだけの実力を持っているか、見せてもらおう」


試験官はそう言うと、木剣を構えた。エリオットも同様に木剣を握り、試験官に向かって突進した。彼は訓練場で得た技術と、薬草摘みで培った身体能力を駆使して戦った。互いの剣が激しく交錯し、訓練場に鋭い音が響く。


「なかなかやるじゃないか。しかし、本番はここからだ!」


試験官の攻撃は一層激しさを増し、エリオットも全力で応戦した。やがて、試験官が攻撃をやめ、手を挙げた。


「合格だ、エリオット。君の戦闘能力は確かだ。しかし、次の試験がある。薬草の識別と調合だ」


エリオットは戦闘試験に合格した喜びを胸に、次の試験に臨んだ。試験官は彼にいくつかの薬草を見せ、それぞれの効能を説明するように求めた。


「これは癒しのハーブ。高熱を下げる効果があり...こちらはマンドラゴラの根で、毒を中和する力がある」


エリオットは正確に薬草の効能を説明し、調合を実演して見せた。試験官は満足そうに頷いた。


「素晴らしい。君は合格だ、エリオット。今日から君は正式な冒険者として登録される。これが君の冒険者証だ」


手渡された冒険者証を見つめ、エリオットは心からの喜びを感じた。


「ありがとうございます!」


こうして、エリオットは冒険者としての第一歩を踏み出した。彼の新たな冒険は、まだ始まったばかりだ。

次回予告: 冒険者ギルドで初めての依頼を受けたエリオット。依頼内容は近くの森で暴れている魔獣の討伐。果たして彼はこの試練を乗り越えることができるのか? 次回、「魔獣討伐の試練」。お楽しみに!

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