第1話 〜銭湯〜
この小説は3話完結型です! 小説が出来次第投稿します。完結の目安は2週間程度……?
それでもいいよって方は、読んでいただけら幸いです。
後書きは意味の無いことをつらつら書いてます、無視して下さい
「ふぅ〜いい湯ですね〜」
午前5時、まだ暗い迷宮都市の密かに人気の大衆浴場に来て、湯船に浸かる私。お湯の量は少なくて肩までは浸かれず、腹上まで。全身を浸からせる為に体を横にし、天井にある煌々と光る”魔石”を使ったランプに視線が集中する。浴場の壁は白色の大理石で所々に金色が混じり、清潔感がある。料金は500ドラクマでこんないいお風呂に入れて、しかも今は1人だけ。6時になれば遊楽街の男性と女性が大勢、疲れた体を癒しにやってくる。5時という早い時間だけどもこの極楽には変え難い。
「後はこの体は他の人から忌避される対象だからね」
右腕を上げようとするがそこには何も”無い”。昔、右腕と左脚をモンスターにくれてから冒険者を引退した。あの時からもう3年、早いものだ。
「っしょ」
私は右脚を使って器用に立ち上がり、片足でジャンプをしながら浴場から出る。脱衣場に行き棚に置いてある1個の駕籠から木で作られた義手と義足を取り出し装着する。
右手で肩下まである私の金色の髪を触る。左脚を曲げて、両方が動くことを確認して、バスタオルで髪の毛を拭き、体を拭き、白色を基調とした服を着る。
「暑いな」
服を着たからか体が暖かくなる。私は脱衣場の出口付近にある、コーヒー牛乳とやらに目が行くが、そんな贅沢出来る身分ではないと、下唇を噛みながら脱衣場を出る。
「奥さん、いい湯だったよ」
脱衣場を出た直ぐにはカウンターがあり、そこには30代半ばの黒髪の長髪の女性がいる。彼女はこの大衆浴場の管理人。旦那と2人で切り盛りをしている。
「あら〜、”トール”さんが褒めるとドキッとしちゃうわ!」
「何を言う。私はいつも奥さんを見るとドキドギしてしまうよ」
「も〜口達者なんだから!」
顔を片手で隠し、頬を赤らめる奥さん。私はにこやかに笑い——
「あははは。では、また”明後日”来ますね」
私は奥さんの熱烈な視線を背に扉を横に引き、暖簾を潜る。朝日が出始めた頃なのか、明かりが私を包み込む。まだ汚されてない朝の空気を肺に、入れ込み、吐く。思わず口端が上がり、歩いていく。
「マグニは起きてるだろうか。……いや、寝てるな」
◇◇◇◇◇
大衆浴場から少しだけ歩き、迷宮都市南西区域の木で建設された趣きある古家に入る。玄関の石畳で靴を脱ぎ、入ってすぐにある階段を上る。ギシギシと音を立て、階段を上りきる。この古家は1階が教室、2階が寝室と台所があり、居住出来る場所。狭い居間を通り抜け、仕切りがない寝室に大の字で寝ているマグニを確認する。まだ寝ていたか、予想通りだな。
「ほらマグニ、起きろ」
私はマグニの小柄な体を揺らす。青少年と言うべきだろう、彼は私の教え子、マグニ。灰色の髪と、つり目の獣人族。3年前から一緒にこの家に暮らし、私の身のお世話をしてもらっている。
「……先生……あと10分寝させてください……」
マグニはか細い声で喋り、私は布団の端を掴む。
「起きろマグニ!」
「———ぶふっっっっ!?」
私はマグニが寝ている布団を左腕の力だげで引っ張り、マグニの体を床に強く当てる。
「ほら早く私の為に早く朝食を作ってくれ。お腹が空いて耐えられん」
マグニはいててと、鼻を押えながら上半身を起こし私に鋭い眼光を向けてくる。
「もー! 毎回毎回、痛いんですよ! 有り得ないですよ! 本当に!」
マグニの小さい拳が私の肩を直撃する。マグニは寝癖だらけの灰色の髪の毛を揺らし、殴り続ける。まあまあ痛いのだが、まだまだ”筋肉が足りないな”。
「マグニ、悪い癖が出てるぞ。こうでもしないといつも起きないだろう?」
私が若干怒った声色で言うと、マグニは「あぁ……」っと現状を認識したのか内省し、拳を止める。
「うううっ! ……ずみません、先生。また機嫌が悪くなってしまいました」
マグニは目を擦り、意識を正常に戻す。3年間、同じことの繰り返し、中々起きず無理やり起こしたら毎朝このように反省する愛愛しいマグニの頭を撫で、優しく微笑する。
「いいんだよ、マグニ。人は誰しも欠点を持っている。その欠点を許せない人は唯の愚者だ」
「先生……!」
私はマグニの頭を撫で終わり、ポンポンと優しくマグニの頭を叩く。マグニは私の優しからか、目を潤す。
「では、今日の筋トレは3倍キツイのにしような」
「いやいや、欠点許せてないじゃないですか!? 怒ってるじゃないですか!?」
「あはははは。早く飯を作れ」
「急に怖いですよ、先生」
マグニはうー! と体を伸ばし私の前で服を脱ぎ初め、普段着になる。私は居間へと行き、畳に座り卓袱台の傍に置いてあった”先週”の記事を手に取り、読み始める。
「先生それ先週の記事ですよ。今日のはこれです」
「……そうか先週のものだったか。どうりで見たことがあると思ったよ。ありがとう、マグニ」
読み始めて直ぐにマグニが1階から今日の記事を持ってきてくれ、私に渡してくれた。マグニは台所へ行き、掛けてあったエプロンを身につける。
「前々から気になってたんですけど、”エルフ”の人ってそんなに日程感覚がないんですか?」
「そうだね。エルフは時を重視しないからからね」
「流石、平均寿命300年だなぁ」
マグニは包丁を取り出し、器用に野菜を切っていく。この音は人参か。
「今日のスープは人参入りか?」
「よく分かりましたね。正解です」
「そうか、尚更楽しみになった」
マグニの美味しいご飯を想像しながら記事に目を移す。
迷宮都市での出来事が書いてあるのだが、殆どが人斬りのことでびっしり書かれている。
鎌の神器で、裏路地に入った一般人を殺す。殺人現場では四肢が斬られ、人形みたいに体のお腹や口に埋め込まれる。狙う標的は女性で、ヒューマンが多い。今日で30人目か。これ程までギルドとクランの目を凌いでるとは相当の腕前だな。
「マグニ、今日は筋トレの後ダンジョンにいくのだろう?」
「はい行きますよ」
「なら今日は外食でもするか?」
「うえっ!? 先生からご飯のお誘い……いいですけど……なにか裏があるんですよね?」
「あはははは、あるわけがないよ。私はそんなに厳しくない。素で誘っているのだよ」
マグニは包丁を止めて、逡巡するが、直ぐに私に振り返り——
「行きたいです!」
「分かった。私のヘソクリを崩して、豪華なものを食べよう。集合場所はかぼちゃ亭だ」
「かぼちゃ亭!? やったー! 久々に行きますよね!? あそこのお肉料理の”3色丼”が美味しんですよ!」
マグニは包丁を持ちながら、ぴょんぴょんと跳ね、笑顔になる。「マグニ、包丁を持っていると危ないぞ」と軽く注意した私の心はマグニと違う不敵な笑顔になり、新聞の最後の文字を見る。
【連続殺人鬼生け捕り 100万ドラクマ】
「小遣い稼ぎと教育にはちょうどいいな」
【注意 この後書きは無視してください】
とんでもない事実に気が付きました。私の小説がなぜ、こんなに読みにくいんだと考え、出た結論が助動詞の欠如が激しすぎる。
が、に、だけ、とか。文字の間に挟む言葉がどうしても足りない。長年間違った書き方で書いてきたせいで、その書き方が染み付いてしまっている。直していこう。
まあそんなことはどうでもいい
自分の中なのですけど、小説の纏め方が格段に上手くなっている。会話なの流れとか、小説の展開。会話から主人公の特徴を示していくなんて、今までやってこなかった。
後は主人公の動きや、周りのキャラの動きを追加していく。ここはまだまだ表現が足りないから、もっと伸ばしていくべきだけど、それを追加しただけで大分小説らしくなった。
後は一人称にするだけでここまで表現の仕方が変わるのか。小説は奥深い。
そして、この小説は3話構成で8000文字を目安に書いていきます。次の投稿は水曜日辺り……かな?