1分程度で読める、掌編小説集です。「こちら」から、他の掌編小説を読みにいけます。
会社のありきたりな話
真実を言うことだけが正しいとは限らない。
時には黙り、時には嘘を言わなければ、人間社会では生きていけない。
会社で何らかの勘違い、何らかの不幸が重なって上司に怒られたとしよう。
その場合は黙って肯定、嘘をついて謝らなければならない。
その場で真実を語ることに意味は無い。
怒っている上司には、話など通じない。
あぁ、一応確認しておこう。
怒ると叱るは別物だ。
具体的には、怒るは自己満足のために感情を爆発させること。
叱るは相手の更生を願って教え説くこと。
だ。
だから、「怒っている」上司にとって、真実などどうでもいい。
怒り先に好き勝手言いたいだけだ。
それが受け継がれて会社が成り立っているのだから、どうにもおかしな環境である。
間違っていることを受け入れるのが正しい。
はたしてそれは、「正しい」ことなのだろうか。