次元融合した鳥の巣
まず、一本の銅線(14番手位)を筒に巻き付けてから外し、形を整えながら典型的な砂時計のような形状を作る。上辺と下辺は直径が少し異なる。どちらがどちらでもいいが、中央はくびれがあり細い。その後に、径の小さいほうを大きい方へと反転させる。中央のくびれが底になる逆三角形を作る。底であった小のほうの径が大の径へ取り込まれていく過程において、その全体的な形状は籠のような鳥の巣のようなものになり、傾きが生まれる。この傾きこそが融合の証であり、差異を取り込む二重螺旋の秘密でもある。つまりは中央から上辺と下辺までの距離は等しい。これは二次元である。そして径が異なるという三次元との次元融合を果たす過程で生まれた傾きである。この鳥の巣にビスマスを人口結晶化させた杯を置いた。内部にはクオーツのさざれと虫の取りこまれたアンバーを入れた。時が留まり、流れ、揺れる。この鳥の巣は少しの振動にも反応する。瑪瑙の螺旋の上で輝きはひと時も動きを止めない。
材料:Bi,Cu,コパルアンバー,アゲート(無彩色)