Lv4
みんなでどんな武器や防具があるか話しながらも、武具屋についた。
チリンチリ~ン
「らっしゃぁ~い」
ここの武具屋も基本は物々交換だ。お金でも買える。しかし、店主は店を出した割にはやる気がない。店主が言うには
「店を出すまでは良かったけど、店を出したらめんどくさいし、飽きた」
とのことだ。
そんなやる気のない店主だが、結婚をしていないので奥さんがいない。なので、一人でこの店をやっている。
最近は、この村に商人が立ち寄ったときに少し賑やかになったが、今はそれも落ち着いている。
賑やかになったきっかけは、この店に来た商人が、武器や防具の出来の良さに目をつけ、王都にこないか?と誘ったのだ。やる気のない店主の大出世か!?と騒がれたが、
「やだよ、だるい」
の一言で最初から拒否した。
それでも、やはり商人と言うべきか、
「この武器や防具は素晴らしい!ぜひ、ぜひ王都に来てくれないか!?家も食事も最高級のものを用意しようじゃないか!」
「わかったわかった。考えさせてもらうよ」
「おぉ!そうか、考えてくれるか!」
「結論は、行かないってことで」
「今考えさせてもらうと言ったばかりじゃないか!」
「考えさせてもらった結果がこれなんだが」
「もう少し考えてくれ!」
「う~ん…結果、やだ」
「考えてくれよ!」
「ちゃんと少しだけ考えたじゃないか。」
そんな話し合いを続けたあと、何を言っても王都に来ないと判断した商人は
「何故ここまで村にこだわるんだ?王都に来て良い生活をしてもいいんじゃないか?」
と聞いた。
この質問の答えが
「王都に行って武器や防具作るってことは、それらを商品に儲けようとか思ってるかもしれないけど、そんなことはしないからな?」
「いったい何故だ?良い生活をしたくないのか?」
「チッ」
「今、舌打ちしなかったか?」
「まぁ、ともかくだ。この村から出ない理由だったか?それはな、俺が人のために作ってる訳じゃないからだ」
「どういうことだ?」
「そうだな、説明するなら、人に使ってもらうためとか、喜んでもらうためとか、そんなことのために作ってるわけじゃないってことだ」
「じゃあ何のために?」
「自分のためだな」
「自分のため?」
「そうだ。俺は自分がそれが好きだからやってるんだ。この村、基本は物々交換だろ?俺も一人で生きるくらいは作物育ててるしな。だから、武器やら防具やらも創るの飽きたらすぐこの店やめる」
商人はその無駄にこもった思い?に負けて諦めていったそうだ。
それからも変わらずこの店を出したままだ。少し変わっているが、村のみんなは
村で生まれた村を愛する変人
として認識している。
「やっぱ良さそうなもんあるよな~」
「良くなさそうなものを置く店があるわけないだろ」
そんな軽口を叩きあいながらも、自分の使いやすそうなものを考えながら物色していく。
「やっぱり剣とかの武器だけどさ~、剣みたいなまっすぐタイプと刀みたいな少し曲がったタイプのどれにする?」
「そんなの剣に決まってるだろ?」
「刀しかないに決まってるじゃないか」
「「………」」
「「アァン?」」
「剣は切るのにも突きにも使える万能なものだろ?刀はほとんど切るだけの脳筋じゃないか」
「確かに刀はほとんどの場合切るだけだが、その抜きやすさとそれに適した形、そしてその振りやすさがあるから剣よりも速く振れるし、剣よりも鋭く切れるんじゃないか?」
「「……」」
「「アァン?」」
「お前ら落ち着けよ!」
なんか嫌な予感がしてきたぞ…
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