危険はいつも突然に-1-
んーあぁー
今日も心地良い風が吹いてるねぇ
「おーい アランー そろそろ行くよー」
丘の下からキャシーが大声でオレを呼んでいる
さて、今日はどこへ行こうかなぁ
「もぉあんたはいつまで寝てんのよ」
「はいはい 今行きますよー」
「今日は西の森へ行くぞ」
「今日は西なんだ って事は薬草とか採集するんだね」
「そういうこと では張り切ってレッツゴー」
西の森 ベイルド王国アルド街から西へ数キロ行くと現れる森
林は深く、南北へ連なるとても巨大な森
力無き者が街道を使わずに奥地へ行くとほとんどの者が帰ってこれない
ただし貴重な薬草や木の実等があり、探索に行くものも多い
そんな森へ採集をしに行くのだが、もちろん奥地には行かない
そんな自殺行為を行うほど頭は緩くないからな
比較的、日が差し込む浅い場所で採集を行う
浅い場所でも冒険者にとっては大切な回復薬の素材がとれるし
稀に高価ではないが魔物の骨や皮なども拾える
これらを集めて売れば最低でも2~3日分の生活費は稼げることもできる
あと…オレには仲間と呼べるやつはただ一人
キャシーしかいない
たまたま縁?があって知り合ったばかりだかな
実はこれでもそこそこに名が売れる程の腕はあるんだが、、、
今は【見殺しのアラン】なんていう通り名がついちまった
そんなわけで誰もオレとパーティーを組もうともしない
だからこそキャシーの存在はありがたかった
そんな訳あってわざわざ危険を犯してまで奥に入る理由なんてないのさ
ただ、駆け出しのくせにやけに馴れ馴れしいのは問題だがなフッ
なんて思いながら、オレはゆっくりと西へ向かう
今日は西の森かぁ 今の私には調度だし仕方ないね
アランには物足りないだろうけど…
そんな事を想いつつアランの後ろを付いていく私
まだまだ駆け出しの私を嫌な顔をせずに、パーティーに入れてくたアラン
パーティーといってもきっかけは些細なことだったね
よくありがちな男達に絡まれていたところを助けてくれたの
それから私が勝手に付いていってるって感じ
アランはぶっきらぼうだけど、強くていつも優しく教えてくれるの
おかげで半年でFランクからEランクに上がれそう
「おーい 置いてくぞー」
「はーい 今行きますよー」
「キャシーそろそろギルドランクはEに上がれそうか?」
「あともう少しですね 討伐が1つと採取が2つあとは課題次第です」
「そうか なら運が良ければ討伐と採取は終わるかもな」
「本当ですか だったらとても嬉しいです 頑張るぞー」
「その意気だ さぁ入るぞ 危険度は低いが油断はするなよ」
「はい」