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成長型魔法使いと死神の飼い猫  作者: 稲狭などか
死神の飼い猫は正義なのか?編
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第四話 猫狩り

猫狩りを始める。健全な正義と平和の為に

1


 デモの残党が事件を起こした。

 ソイツは結構力のある魔法使いで、正義の為に力を使う飼い猫を敬愛していたようだ。そして、奴の邪魔になりそうな人間を殺して回る狂信者でもあった。

 俺は通報を受けてその男と対峙していた。


「これこそ飼い猫様の意志である! 奴らは理解を示したふりをしたから殺された! あの方はこの甘い正義の駆逐! 貴様らの様な政府の犬も、処刑対象だ!」

「お前は人殺しがしたいだけだろ! このイカれ野郎!」


 俺は拳を打ち込むが、奴の方が速い。パワードスーツは着ていないのが不可解だな。生身でこうも渡り合えるものか?

 その時、奴の瞳が赤く光るのを俺は見た。コイツ! 兄弟達か!? 道理で、身体強化のスキルだな。


「やっぱり、うおっ!?」


 俺は正面から殴られると人形の様に吹き飛ばされる。なんつー、バカ力だ! パワーで俺が押されるなんてな!

 だが、力だけのバカに俺は倒せない。

 俺は魔方陣を両手に出してそれを合わせると氷結魔法と水流魔法を放つ。奴は正直に突っ込んで来たせいで水流に閉じ込められた後に氷付けにされた。


「息は出来る様にしてやるよ」


 俺は炎で奴の顔の部分だけの氷を溶かして呼吸を許してやった。

 だが、奴はすぐに拘束を抜けて魔法を撃ち込んで来やがった!


「こんな事で、俺は折れん! 飼い猫様の道を邪魔する虫め! 正義の前にひれ伏せ!」

「全く! 変態は困るわね!」


 美樹の援護射撃で奴は防御魔法の欠片を散らしながら吹き飛ぶ。


「さて! 相棒、久しぶりのコンビネーション見せてやろうぜ!」


 タケルがパワードスーツを身にまとう。男子隊員達が着ていたパワードスーツの完成型だ。グリーンの光りと俺の赤い光りが並び立つ。


「タケル! 抑えたいが、奴はタフだ!」

「急所を狙え! 俺が隙を作ってやるからさ!」


 タケルがブースターで飛び上がると、奴へ襲いかかる。俺も後を追って行く。

 奴の拳をかわして、タケルは右腕をつき出すとそこから拘束用の機具を飛ばして奴の脚を閉じさせてしまった。


「うおっ!」

「やるねぇ! タケル!」


 俺は奴の顎を拳で撃ち抜く。脳を揺らされた犯人は意識を体の外へと飛ばして崩れ落ちた。

 さて、オマケだ!


「封印術式!」


 俺はこいつのスキルを封印する。下手に発動されて暴れない様にな!


「さて、俺は戻るが」

「終わって無いようだぞ? さて、手下の皆さんのご入場だ!」


 おー、元気だな!

 さて、手加減しながらもなかなか難しいんだぜ?

 その時だった、歌が聞こえてきた。この声は、華音!?


「なんで歌ってるの? 全く! 歌で犯人を止められたらわけないわよ」


 美樹はそう叫ぶが、俺の手甲が更に赤い光りを放つ!

 な、なんだ!? 暴走じゃねぇ、俺は落ち着いているぞ! 

 

「おい、翔太郎! 大丈夫か!? その手甲!」

「解らねぇ、でも、タケル。手は出すな、コントロール出来るかはやってみる!」


 美樹も、周りの女子隊員達も目を丸くしているが、敵はそうしてくれない。関係無いと言わんばかりだ。

 俺は走り出す。

 それだけで敵の二、三人が弾き飛ばされて道路に叩き付けられた。は、速いのか?


「み、見えない。翔太郎! なんの魔法よ!」


 美樹の反応で理解した、高速移動したんだな。

 俺は更に体を他の奴へと向けるとその時には目の前へと距離を詰めることが出来る。これはすげぇ! なんだ? 手甲の力か? これに秘められていた力がアクティブになったって感じか。

 パワーも落ちてない、それに速いのは体だけじゃねえ。魔法の発動までも高速化していやがる。

 俺は縦横無尽に敵の間を駆け抜けると、簡単に一掃してしまった。起き上がれる奴はいない。全て一撃だ。

 それと同時に歌が止む。


「華音?」


 俺は少し遠くにいる彼女を見ると、肩にはコートの色と同じで見えにくいが子猫を乗せて微笑んでいた。

 知ってた? この手甲の力を?


「華音!」

「相棒! すっげぇな! なんだぁ? 今の高速移動! 犯人がボーリングのピン見てぇに吹き飛んでよ!」

「タケル、今は待ってくれ。華音に様があるんだ!」

「あの娘か? 彼女のスキルを知らないのか?」

「歌を五感として伝えるスキルだろ? しかも常に発動しっぱなしの、一時期そのスキルのせいで人が操られたとかさわいでいたな。だが、嘘だ! 彼女の力はもっと凄い! この手甲が歌でパワーアップした!」


 俺は華音を呼ぼうとしたが、彼女の方からこっちに近づいてきた。


「凄いね! こんな魔法初めて見たよ!」

「みゃー」


 何も知らない様な感じだな、肩に乗る子猫も彼女に合わせて鳴く。


「華音! 君の歌は何なんだ? 俺の手甲になんの意味が」

「ん? そんなのは知らないよ。私には応援しか出来ないから歌っただけ」

「嘘はつかなくて良い! 教えてくれ! この力は何なんだ?」

「・・・・・・私は歌っただけ、貴方は勇敢に戦った。それだけだよ?」


 華音はそれだけ告げると去っていく。

 彼女は部隊に所属してはいるが、言うなればワンマンアーミー。一つの軍に匹敵とまではいかないが、彼女も強い。一緒に戦うにしても彼女はパワードスーツやヴァルキュリアが体質に合わずに使えない。


「なんだよ、この手甲。飼い猫、お前はこんな兵器を沢山持っているのか?」


 謎が増えた。

 この手甲には、いや、約束の四人。あのスタンロッドの男も鎧を着ていた。あの椿とか言う女の子は脚甲。そして、帽子の女の子は解らないが恐らく持っている。

 複数の魔法を発動し、歌で力を増す。本来は一つの魔法しか魔具は使えない。

 これは、もしかして魔具じゃないのか?

幼き夢に目覚める大きな私

景色の変わった目線に見える物よ

低い背丈の時よりもくすんでいる

見えない時の私よ

よく見える私よ

今の私が、幼い私の夢を終わらせる


私は貴方を愛して、私になる

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