コスプレプール 3
狙い撃つぜぇえええ!!!
3
海賊発見、ロックオン。
「狙い撃つぜ!」
「ぶへぇら!」
バブルプールで多数の女の子と遊んでいた海賊コスの宗次郎の顔面に水で出来た球体が叩き込まれる。宗次郎は派手に泡の中に頭から沈んで行く。
ジャグジーが底から出ていると思っていた正明だが、どうやら本当に泡のプールらしい。そんな宗次郎をみて、女の子達は驚くどころか大笑いしている。たくましいなぁ、と感じながら浮かんで来た宗次郎をアイリスに引き上げてもらう様に頼む。
アイリスは宗次郎を引き上げてくるが、彼はおもむろに正明の水鉄砲を取り上げると彼に銃口を向けてくる。
「宗次郎、僕を撃つのか?」
「くっくっく、水鉄砲で空の旅はどうかな? 食らえやぁ! って、あれぇ?」
「はーい、息吐いてくださーい」
正明は、もう一丁空間から召喚するとためらうことなく宗次郎の腹に引き金を引いた。
「ぶへ! ま、正明! 怒ってるのか!? 勝手に飛び出したのは謝る!」
「ん? 怒ってないよ? ただちょーっと紛らわしい所にいたから八つ当たりって言うか、報復と言うか」
「怒ってんじゃねーか! しかも理不尽だ!」
宗次郎は海賊帽子をかぶり直すと水浸しで正明達に歩いてくる。
それよりも早く宗次郎と遊んでいた女の子達が正明とアイリスを取り囲んだ。
「可愛いー! 猫ちゃん! こっちはウサギさん! 何歳? 可愛い!」
「むにゅ?」
正明は見た目から20代後半ほどのお姉さんに頬っぺを触られる。彼女は他にいる女の子達の引率だろう。
「人気だな、正明」
「からかわないでよ巧。僕はハーレム主人公じゃ・・・・・・ある意味ハーレムかな? これ?」
正明は小柄で線の細い体つきに、パッチリした瞳に女の子の顔に声を持っている。ガリガリな訳でもないため、触ったりしてもいい具合に柔らかい上に美白なのだ。
この見た目には正明は大変助けられているが、こうも可愛いがられると照れてしまう。
「この子、そーちゃんの妹?」
「いや、仲間ってかそうだな。妹分って奴だ」
「私妹が欲しかったんだよね! ねぇ、お姉ちゃんって呼んでくれる? 嫌かな?」
手を合わせて頼み込む女性に正明は少し考えると、リクエストにお答えして声を甘えるような感じで一言。
「お、お姉ちゃん」
「連れて帰る!」
「正明は売り物じゃねーよ!」
正明に抱く女性に宗次郎は焦った様に叫ぶ。が、正明は突然押し付けられた柔らかい物に顔を真っ赤にすると「ぴゃー!」と声を出して逃げて行こうとするが、水で滑って派手にスッ転んだ。
彼はそのまま身体を滑らせて、泡のプールにトプンと落っこちた。心配して皆が駆けつけるが、それよりも早く軍服姿の志雄が彼をプールから引き上げた。
「あ、ありがとう。志雄」
「全く、ずいぶん可愛いらしくプールに落ちたものです。京子さんと加々美さんなら見つけましたよ? 京子さんは迷子になって泣いてましたが」
「な、泣いてないもん」
和風のドレスといつもの魔装で京子は膨れっ面でそっぽを向く。その奥にはうつむいている加々美の姿があった。
「やっぱり恥ずかしいよ。なんで裸の男の人ばかりなの?」
「プールだからだよ、駄犬」
「みんな話かけてくるし」
「その格好でよく言うよ。楽しんでいるようだけど、忍びなよ」
正明は加々美にそう言うが、彼女は止めないだろう。
「あっ、いたいた。僕も合流だね」
燕尾服を着た八雲も合流し、全員が一応はそろった。真紀は翔太郎に守ってもらおうと正明は考えるが、連れてきたのは失敗だったかもしれない。
全員そろった面子に女の子達は驚いた顔をして、みんなを見渡していた。
全員、個性がこうも別れているのだ。それに全員がタダ者ではない上に綺麗な見た目をしている。
「そーちゃん、凄いね。みんな」
「ん? 大変だぜ? ごめん、合流できたからさ」
「わかった。じゃ、またね! デバイスの術式組み込んでおいてね!」
「オッケー! じゃあね」
女の子達に手を振る宗次郎は全員に向き直ると、衣装転換で普通の水着になる。
他のメンバーも同じ様に服装を普通の水着にする。
と言っても女性陣は露出が増えて余計に目立つだろうが。
「さて、いるってさ連中」
「探しますか?」
「俺の千里眼で観たけど、いたな。少し遠く、こいつ!」
宗次郎は千里眼で何かを見たようだ。
「どうしたの?」
「こっちだ。熱帯雨林をイメージして作ってある、えーっと? 看板が見つかんね。取り合えず俺についてきてくれ」
宗次郎の後に正明達も続いた。
その集団の後方に、一人の人物。
「正明?」
鳴神華音が続いているとも知らずに。
太陽の光を反射する静かな月
闇夜の希望
巨大な夜空の輝き
蒼く、蒼く、蒼く
染まれ紅く、紅く
2つの顔を持ちて、ぼんやりと




