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成長型魔法使いと死神の飼い猫  作者: 稲狭などか
力の代償と飼い猫の憂鬱編
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エピローグ

これでこの章もお仕舞いです。

 サイサリスの事件から一週間がたった。

 俺の日常は変わらない、強いて言うならば由希子が少し大人しくなった事ぐらいだ。

 

「翔太郎! 何処よ! 寝てるなら起きなさい!」

「あ? なんだよ、母親か?」


 俺がいやいや自室のベッドで目を覚ますと、そこには魔理の顔があった。起こしに来てくれたらしい。

 

「おはよう、魔理。何を騒いでいるんだ? アイツは」

「おはよう。わかんないよ、手紙? が来てから探しているよ」

「手紙?」


 俺はベッドから降りると衣装転換で着替えると一階にいる美樹へと話しかけた。

 彼女の手には確かに手紙が握られていた。


「どうしたんだ? 騒ぐなよ、休日の朝から」

「そんな暇ないわ! 貴方、あんな魔法使ったからね・・・・・・当たり前だけど」

「何の事だ?」

「サッカー場よ! 吹き飛ばしたでしょ!?」

「半分だ。しかも本気でやった訳じゃない。本気ならアイツは燃え尽きちまうからな」

「は? あれ、手加減してたの!?」


 俺の言葉に美樹は顔をひきつらせ、魔理は呆然としている。

 なんだ? あんなこと出来る魔法使いは沢山いるだろ?


「納得だわ、もう戦略的能力を個人的に所有していると言っても過言ではないわ」

「何の事だ? 教えてくれよ」


 美樹は俺に手紙を見せてきた。

 そこには文章ではなく、何処かの住所が書いてあった。


「ん? なんだ? ここどこだ?」

「魔法過剰所有者管理局。日本でのセフィラを管理する機関よ。そこから送られる住所のみの手紙は、貴方が正式にこの日本でのセフィラになったと言う証。大変な事よ、貴方はこの国から戦略兵器として認められたの」


「ここ、父さんの職場じゃないか?」


「え?」

「おじさんに久しぶりに会えるね、翔」


 美樹はもうついていけないと言う感じでソファに倒れこんだ。


「父親が魔法過剰所有者管理局の人間で、息子がセフィラ? 凄まじ過ぎるわ、この家族」


 俺は父さんに会える嬉しさと、その時に真紀を思い出していた。

 なんで、あの子が頭に浮かぶんだ? 

 それも後少しで分かることだ。



「僕はあの約束の四人に勝った訳じゃないよ」

「なんで? あんなにダメージ与えていたのに」

「即死魔法で武器しか壊せなかった時点で、僕には決定打がなくなった。だから必死に彼女の目を覗いたんだ。僕はあそこで発狂死させようとしていたけど、奴は持ちこたえた」


 正明は京子の支配するWELT・SO・HEILENの領域にある彼女の家に来ていた。広い畳の部屋に寝転がる正明は横にいる京子と話していた。


「でも、今度は」

「兄弟達は、強くなる。たぶん、今度は足止めよりも戦闘中に少しだけ隙を作れる程度にとどまるよ」


 正明は呟くと身体を起こすと、デバイスで真紀の写真を片手にして


「少し、想定外かな」


 徒党を組始めたのだ。

 たぶんだが、サイサリスのギルドを主軸に兄弟達は組織化を始める。

 正明はそれを危惧していた。

 兄弟達は精神汚染の影響で組織化なんて出来ない。だが、約束の四人が頂点にいれば仮染めだが首をとるために配下につく連中が現れるだろう。

 巧がスキルを本気で使うのを阻止したのはそのためだ。


「京子、落ち着くね。ここは」

「静かだからね。当然だよ、何か食べる?」

「ようかん」

「ようかん嫌い」

「そうでした」


 正明がそう言った瞬間、腹部に何が落っこちてきた。

 それは白い子猫、真紀だった。


「真紀、どうしたの?」


 正明がぎゅっと抱きしめると彼女は元の姿に戻る。


「アイリスに追われてるの」


 真紀がそう言うと騒がしい声が縁側から飛び込んできた。


「真紀ちゃん! 兄貴分の俺が守ってやるぞぉ! ってあれ? アイリスは?」

「後ろ」

「ぎゃあ! 体の力が抜けれいくのらぁ」


 宗次郎はアイリスに謎の薬を射たれて畳に突っ伏すと、アイリスが真紀をギロリと睨む。

 

「餅アイス、返せ」

「な、なんでここにいるって!? お兄ちゃん、助けて!」

「宗次郎にくっついて来たね。盗ったの? アイリスから」

「餅アイス」

「食べた、美味しかった」

「僕は庇えませーん」

「お兄ちゃん! 見捨てないでぇ!」


 アイリスに組着かれた真紀は彼女の自在に動くうさ耳でペシペシと叩かれている。

 何もしていない宗次郎の方が酷い仕打ちを受けているが、正明は眠そうな顔で妹が復讐される様を見ていた。

 悪い事をしたら、自分に返ってくると自覚しなければいけないと言う親心が兄にはあったのだ。

 それに、ここの連中は仲間には優しい。


「返せ」

「ごめんなさい! 返すから! 盗ってごめんなさい!」


 騒がしくなった畳の間には真紀の声と、京子の笑い声が響いていた。二人共に姿を動物にして走り出した。

 正明は短く笑うと、子猫の姿で逃げる真紀をウサギの姿で追いかけるアイリスを見守っていた。

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Your my king

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