飼い猫の憂鬱と新人メカニック(行間:剣部隊の遠征)
剣部隊(つるぎ部隊)と読みます
圧倒的な速度で距離を詰めで一撃で敵を倒す事をモットーとする特殊私兵部隊です。
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ニューヨークの街中で大規模なテロ、いや、内乱が起きていた。過去から度々あった複数の魔法使い集団による決起、真の実力至上主義を掲げた過激派な組織の犯行だった。
つまりは攻撃魔法が使えない一般的な魔法使い、魔力が生まれついて身体に少ない者達、著しく魔法の才能がない人間が無差別に殺されて回っていた。
そんな中で、とある内乱グループの一つが焦っていた。
(おい! 後続の連中は!?)
(探知魔法の反応が、溶ける様に消えていくぞ! どうなってやがるんだ!)
(くそ! 何か来るぞ!)
廃ビルの中で叫ぶテロリスト達だが、直ぐにドアの近くにいた男の身体が壁に激突した。死んではいないが、動けないだろうことは一目瞭然だ。
そして、他の誰かが叫ぶよりも早くテロリストは銀色の鎧と剣を装備した集団に制圧された。
「次だ。応援に行こう、奇襲をかける。第二班は正面から警察と合流して陽動、後は私に続け」
「「「了解!!!」」」
その中でも、黒い鎧に黄金の輝きをスリットから二つ放っているパワードスーツは部下へ日本語で指示を飛ばすと凄まじい速度でビルの壁を滑るように移動を始める。それは部下達も同じ動きをして後を着けていった。
その数分後、テロリストグループはあっという間に制圧された。まるで脆い砂の城へと水をかけるように敵の陣営は総崩れのそれであった。
事件が解決し、白髪だが初老の男性が黒いパワードスーツの女性へと笑顔で右手を差し出す。
それを彼女は頭部の装甲を解除し、素顔で握った。
(由希子、君を呼んで正解だった! 付き合わせて悪かったね)
(いえ、怪我人は?)
(市民に少し、な? 言わせんでくれ、私もこの手の事件では数えきれない不条理を目にして来た)
(・・・・・・すみません)
(テロで、全くの被害ゼロは難しい。しかし、君の部隊がいなかったらもっと犠牲が出てただろう)
(お役に立てたなら、光栄です。FBI長官殿)
(場所を変えようか?)
初老の男性がそう言うと、景色は街の中から明るいオフィスへと変わった。
高度かつ繊細な転移魔法だろう。
由希子はお見事と純粋に驚きの表情を浮かべる。
(さて、君達を呼んだのはえーっと? 三神翔太郎と言う、男の事だったな)
(えぇ、ん? いえ、そんな事・・・・・・わざと部隊で呼びましたね? 長官)
(バレた? 手伝って欲しかったんだよ! はっはっは! 君を口説くのも含めてね)
(私はFBIに入る気はありません。お誘いは光栄なのですが、日本には)
(死神の飼い猫かな? あのお嬢ちゃん、相変わらず?)
(手に負えません。奔放で、自由で、気紛れで、残忍で・・・・・・時々解らなくなります。奴が、本当に怪物なのかどうか)
由希子はそう言うと、今は治った脇腹をさすった。
長官はその様子をいたずらっぽい笑みで眺めると、一人の男の写真を見せてきた。そこには一人の日本人の顔があった。
(さて、三神翔太郎と言う兄弟達の一人を今部下、いや、後輩に持っているようだね)
(はい、現状では精神汚染が見られていません。鳴神華音の様なケースかと思われます)
(・・・・・・実は、彼の名をとある犯罪者から聴いていたんだ。そいつも日本人だったが、そいつはこう言っていた。三神翔太郎が目を覚ましたってね)
(目を、覚ました?)
(そう、そいつはつい先日殺されたよ。首を斬られてね、鮮やかな斬首だったよ)
その言葉に由希子は微かな嫌悪感を覚えていた。長官に対してでも、その凄惨な事件にでもない。
なにか、もっと嫌なものに。
その時、彼女は何故か死神の飼い猫やその仲間達の背中を思い出していた。
関係してるのか?
解らないが、何かが、ある。もしかしたら、死神の飼い猫達の殺人にも意味があるのか?
(日本での出来事だろうが、私も少し不安でね)
景色は街中、パトカーのサイレンがなる現場に戻っていた。
(長官殿、私は)
(ふふっ、良い)
(え?)
(君は、良い女になるぞ)
(褒めて、ますか?)
(あぁ! 猫のお嬢ちゃんによろしくな! 覚えているぞと伝えてくれ)
そう言うと笑顔で長官は部下の元へと歩いていく。
由希子は日本にいる御堂や華音、そして正明の事を考えていた。
「自分を特別と、思った事はないが。やはり、不安だ」
由希子は長官に絡まれてる部下達の元にやれやれと言わんばかりに歩みよっていく。
剣部隊は相当強い部隊です。
ですが。クセが強いのでゲリラ戦向きです




