紅色の唇で貴方を呼ぶ 2
少し短いですが、本日は二本投稿です!
あとがきに意味は(本当に)無いです(迫真)
2
オーダー事務所の執務机で俺はデカイため息をついていた。
例の魔具は取り引き事態が裏で行われていたらしく、仲介者の事務所に突入したが、そこも酷い有り様だった。
毎回の事だが、女子隊員の中にはその惨劇の現場を見て吐いてしまう子もいた。
女の子を連れる時は注意した方がいいな。
更には仲介者の妻が心臓を撃ち抜かれて自宅で死亡していた。彼女は犯罪者ではない、それでも邪魔なら殺すのか。俺は少し奴等を買い被っていたな。
「オーダーらしさが板に付いてきたな! 相棒!」
「遠山、何か解ったか?」
隊員室にいきなり入ってきた遠山は両手を軽く上げる仕草をすると、一つの術式化した資料を俺に飛ばして来た。
軽々とキャッチして、俺は確認するために術式を展開する。
すると、大量の資料が放出される。
全部紫の瞳をした男に関係したものだ。
「学区内にいるのは確かだな! 警察は探しているけど、魔力強奪犯の事件からかなり慎重になってやがるぜ!」
「舐められたものだ。だが、何故だ? 奴がこの学区内に拘る理由は? 取引先も消されているんだぞ?」
「いやぁ? それだけじゃ無いんでないのぉ! 例えば、組織じやなくて・・・・・・人が目的だったりして?」
「ははっ、敵しかいないだろ。警察、俺達、そしてスペクターズ。対して奴は一人だ」
「でも、俺達や警察はまだ観てないんじゃない? 奴の力っての」
「戦ったろ?」
「攻撃が多分効いてない。以上!」
俺は頭を抱えた。
それじゃ今日戦った騎士の仮面、魔封じの身代わり羊って言うんだな。そいつと変わらないじゃないか。
その時、女子隊員の一人がノックして入ってくる。
「隊長、失礼します。あまり無理はしないで下さいね? 結構遅い時間ですし」
その言葉に俺は壁の時計を見ると、既に午後の11時を回っている。
女子隊員は落ち着いた印象のショートボブに小柄な体つきをしている。彼女は執務机に淹れて来てくれたコーヒーを置く。
「遠山先輩も」
「ありがとう、姫ちゃん!」
姫ちゃんと呼ばれた彼女は後輩だった。
そう言えば、スペクターズと戦った時に気分を悪くしてた子だな。ヴァルキリアを着ている時とは少し印象が変わるな。
「えっと、今日はありがとうございました」
「ん? なんの事だ? 俺は特別なことはなにもしてないぞ?」
「初めての現場であんな気分崩してしまって、それに仲介者の事務所では吐いてしまって」
「仕方ないよ。あんな光景普通なら見たくないし、耐えられない」
「足を引っ張ってしまったのに、や、優しくしてくれたので」
もじもじしている姿が可愛くて、俺は少し笑ってしまった。
「ごめん、別に可笑しいから笑った訳じゃないんだ。ただ、可愛いなって」
「えっ」
「大丈夫だよ。約束したし、みんなを守るって。足を引っ張った事で何も思い詰めなくても良いよ? カバーし合えるチームにしていこう」
「は、はい!」
姫は元気に返事を返すが、そのときに何故か真紀の姿が脳裏に浮かんだ。
そして、何か引っかかる。
次に浮かんだのが、死神の飼い猫。闇に蒼く輝く瞳、その奥に並ぶスペクターズ。
その時、俺はあることを思い出した。
「姫ちゃん、ありがとう」
「え?」
「君が、きっかけなのかはわからないけど・・・・・・とんでもない事、思い出した」
「どうした! 相棒!」
俺は少し前、魔力強奪犯と始めて戦った日、死神の飼い猫と始めて出会った時の事を思い出していた。
(魔力の補充と、片方は頬骨が砕けていたからポーションを使っておいた)
彼女が女子生徒を助けたときのセリフ。
つまり、彼女は
「紫の瞳をした男の狙いは、死神の飼い猫だ」
「なに!」
「彼女は、既に魔力の譲渡を可能にしている!」
秘密にしていた悪い子だぁれ?
私を見つめる蒼い瞳が、紅い貴方とすれ違う
口を滑らせた間抜けな猫ちゃん
これも何かの罠なのか?




