スタンガンVS拳銃 1
「ウリエルですね」
喜田のこの言葉にウリエルは驚き携帯していたスタンガンを取り出した。
「あなたは警察ですか」
緊迫した空気が流れる。それは答えによってはこの場で殺人事件が起きるような空気だ。
喜田は彼女に対抗して拳銃を取り出した。
「もちろん警察です。動かないでください。あなたがスタンガンで僕を襲えば、あなたを拳銃で撃ちます」
拳銃がある時点で勝ち目はない。そう悟ったかのように彼女はスタンガンを捨てた。次の瞬間彼女は携帯を取り出し電話をした。
「スタンバイ。OK」
彼女は一言だけ言うとすぐに電話を切り笑った。
「拳銃がある時点で負けですか。スタンガンは接近しなければ凶器にはなりません。つまり拳銃は至近距離で撃つことができれば接近戦でも勝つことが出来る。しかしまだ私の負けとは限りません」
彼女がそう言うと黒服の男が四人現れた。全員黒いスーツにサングラスをしている男たちだ。男達は一斉に拳銃を取り出した。喜田は考える。
(まずい。この男達は鴉。ウリエルの護衛を担当する男達で暗殺部隊のレミエルと互角の暗殺能力を持っている。その連中と対等に戦う事が出来るはずがありません)
「拳銃を携帯していたことには驚きました。ではこの状況どう切り抜けますか。全員銃刀法違反で逮捕しますか。出来ませんよね。あなたはここで死ぬのだから」