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陰陽師伝説殺人事件  作者: 山本正純
第三章
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夕暮れの研究所 5

 喜田の推理に刑事たちは疑問点を指摘した。

「なぜそこまでの復讐を彼はしたのですか」

「おそらくこの研究所の関係者と考えた方が自然でしょう。動機は十年前の心中事件。彼はあれが殺人事件だと信じある人物の証言を知った」

「それが中川宏一。」

「彼は平井村長が犯人だという証言をした。しかし彼はそれを公表しなかった。平井村長に口止めされていたからだ。毒舌の彼がそれを公表しないことが許せなかった。これであっていますか。宮川さん。」

「だまされたよ。中川は罪滅ぼしのために協力していたと思った。俺がこのことを知ったのは二日前だった。その時二人で平井村長を殺そうと誓った。」

「あなたの殺人計画には無駄がありません。しかし一つだけ無駄なことをするべきだったのかもしれません。偽中川宏一の自殺を止めることです。彼の自殺が失敗していたなら自首する形で目的を達成したと思います。警察官である私にとっては不謹慎かもしれませんが貴方の人生が大きく変わることはなかったと思います。」

 喜田のこの言葉に宮川は大粒の涙を流した。

その後宮川は連行された。神社の方角からは白い煙が見える。送り火祭りは予定通り開催されているのだろう。

 静かな夜。静かな村。そんな村に太鼓の音だけが響いている。それは死者の魂を霊界まで送る鎮魂歌。しかし喜田にはこのように聞こえなかった。それは連続殺人事件の被害者に向けた鎮魂歌。喜田にはこのように聞こえた。


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