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陰陽師伝説殺人事件  作者: 山本正純
第三章
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夕暮れの研究所 1

 夕暮れ時。廃墟となった研究所に一人犯人はたたずんでいた。その人物は周囲にガソリンを撒く。

「これで全てが終わる」

 ライターで火を付けようとした時多くの足音が聞こえた。警官たちが現れ周りを囲んだのだ。

「もう止めませんか」

 喜田は犯人の顔を懐中電灯で照らした。

「宮川黄介さん。ここで自殺しても馬場美紀さんは喜びませんよ。」

「連続殺人事件の犯人扱いですか。第二の事件で私には鉄壁のアリバイがあります。」

「鉄壁のアリバイですか。完璧ですよね。三浦さんが死亡したのがあの時間だったら」

 喜田は少し間を置いた。

「このアリバイトリックの手掛かりは奇妙な状況にありました。三浦さんの遺体が死亡したと思われた時間から五時間後に遺棄されたという状況です。そして彼を乗せた船は岩にぶつかり転覆した。この状況にトリックが隠されているとは思いませんでした」

「ただの事故でしょう。犯人が船に乗せて遺体を遺棄してたまたまあの川の岩にぶつかり転覆しただけですよ」

「三浦さんは昨晩の十九時に殺されたとしたらどうでしょう。あなたはその時間に三浦さんを殺して地面に埋めた。地面に埋めることで死後硬直のスピードは八分の一まで遅くすることが可能になり翌日の九時三十分には四時間前に死んだと思われる遺体が完成する。その四時間の間に完璧なアリバイを作ることができればあなたは容疑者から外れることが出来ます。遺体を船に乗せた理由は土を洗い落とすためです。船が転覆すれば遺体は川に浮かび自然に土はなくなるでしょう。」


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