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陰陽師伝説殺人事件  作者: 山本正純
第三章
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追い打ち

 赤城警部が旅館を後にしてから十分後追い打ちをかけるかのように千間刑事部長から電話が来た。

『喜田。篠宮澪を殺した犯人が逮捕された。犯人は彼女の彼氏で保険金が目的だった』

 喜田は千間刑事部長の話を要約する。

「東京の事件と群馬の事件はまったく関係なかった。これ以上群馬県警の仕事を奪うな。ということですか」

『それが群馬県警上層部の見解だ。もう君が捜査をする意味はない』

 千間のこの言葉を聞き喜田は一か月前の通り魔事件を思い出した。この事件で喜田。アズラエルはこれと同じような言葉を話した。その答えが間違っていると信じある男は捜査を続行した。それが組織のためにならないことだとしても彼は真実を明らかにしようとした。その男の後ろ姿を見てアズラエルは考えた。組織とは。正義とは。

 この問いには答えがない。もう捜査をする意味はない。群馬県警は被疑者死亡で書類送検しようとしている。それが群馬県警の答えであり警察組織の正義だ。

 もしもこの答えが間違っているとしたら。これが冤罪だとしたら正義は存在しない。

 あの男のように自分の正義を武器にして権力や組織と戦うことが出来るのか。あの男より上層部にいる私にもそのようなことが出来るのか。自問自答を繰り返す。その間に電話は切れていることも知らずに。


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