スタンガンVS拳銃 2
彼女がそう言うと男達は一斉に発砲した。男達は横一列に並び喜田を追い詰めていく。喜田はかわすだけで精いっぱいだ。そして彼女はスタンガンを拾った。
「遊びでも始めましょうか。」
彼女の一言に反応し男達は横一列から四方を囲む形に変更した。彼女は笑みを浮かべる。
「皆さま。援護射撃よろしくお願いします。銃弾を華麗に避けながら彼にとどめを刺しますから気にせずに自由に撃ってください」
男達は彼女の合図を待つ。彼女は喜田に最期の言葉を聞いた。
「遺言はありますか。勇敢な警察官様」
「勇敢な警察官様ですか。随分敬意を賞してくれますね」
ウリエルこと宮本栞はスタンガンの電源を入れながら答えた。
「父の影響でしょうか。被害者の顔を一生忘れない。というのが父の口癖でした」
ウリエルは右腕を上に伸ばして男達に呼びかけた。
「この右腕が下に降りたら、暗殺スタートです。では行きますよ」
彼女の右腕が下に降りようとした時、彼女の携帯が鳴った。
「はい。」
宮本栞は電話の相手の答えに驚く。
「後一時間で閉まる。次に開くのがあさって。分かりました。すぐに行きます」
彼女は電話を切り男達に報告した。
「暗殺中止です。すぐに例の物の確保に行きます」
ウリエルの言葉に黒服の男が抗議する。
「暗殺なんて一分で終わるでしょう。中止にするメリットが分からない」
ウリエルは黒服の男達の顔を見る。
「我々の目的を忘れましたか。」
この言葉に男達は納得した。男達は拳銃を収納して彼女を囲んだ。




