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第六十九小節 ~誰が為に~


 夜の漆黒は、もはや静寂のとばりではなかった。

 それは、この世のあらゆる光を喰らい尽くし、憎悪という名の業火を燃え上がらせるための舞台と化していた。


 愛しいエルミナ。その温もりを、未来を、そして彼女のすべてを無残に引き裂かれた事実が、ルヴェンの魂を、そして彼の内に潜む「黒竜」を根底から変質させていた。


 今、荒野を駆けるのは、かつての心優しい青年ではない。怒りと憎悪の塊となり、理性をかなぐり捨てた、殺戮の化身――黒竜だ。


「おのれ……おのれぇええ! ヲのれェエエエ!! フェルダイゐゴミ共めェァヱヱ!!」


 地を這うような、それでいて天を震わせるような咆哮が、テドの町外れに木霊する。


 発する言葉は既に壊れている。


 そして黒竜は、鼻腔にこびりついた「エルミナの残り香」と、それを汚した「刺客の臭い」を頼りに、夜の闇を切り裂いて走る。


 踏み締める大地は一歩ごとに陥没し、凄まじい轟音を立てて砕け散った。黒竜の足跡は、そのままこの世界への呪詛のように、深く、禍々しく刻まれていく。


「ワシの逆鱗に触れたことヲ、その腐った魂ごと後悔させてヤる……! 殺シテやる! 塵も残さず、絶望の中で噛み砕イてくれゑわぁああヱ!!」


 竜の表情は、怒りで完全に発狂していた。言葉の一つ一つがドロドロとした殺意にまみれ、不明瞭に歪んでいる。変態した口角からは大量の涎が垂れ流され、それが地面に落ちるたびに、周囲の砂が不気味に黒く染まっていく。


「ブワァアア! 何処だ、どこだ……ドコダァアア!!」


 腹の底から、いや、魂の深淵から絞り出される叫びは、物理的な破壊を伴って大地を揺らした。街全体が、まるで巨大な地震に見舞われたかのように震え上がり、眠りについていた住民たちは、ただならぬ死の気配に震えて身を縮める。



 ――ルヴェンが教会の重い扉を開け放った、あの瞬間にすべては終わっていた。



 祭壇の上に置かれた、あの無残な「愛」の残骸。


 彼女の背中に深く突き立てられていたのは、間違いなく竜討騎士達が自らよりも「劣等」とする者に振るわれるただの「護身刀」だった。

 

この町に紛れ込み、自分たちを執拗に追っていた「竜討騎士」の誰かが、二人のささやかな幸せを、最悪の形で踏みにじったのだ。 


 黒竜はルヴェンの意識を完全に深淵へと沈め、その肉体を支配下に置いていた。


 人間にすぎないルヴェンの器に掛かる負担など、今の黒竜には知ったことではない。彼は、自らの本性である「完全体」への移行を、強引に推し進めていた。


 真の竜依戦士化ドラゴニュート


 それは、本来ならば宿主の命を守るため、竜の魔力や闘気を「借りる」程度の変身だ。

 

 しかし今、黒竜が行っているのは、肉体の「再構築」に他ならない。骨格が歪み、筋肉が異常な膨張を見せ、皮膚の下をどす黒い闘気が駆け巡る。

 

 その変態による身体的ダメージは計り知れず、内臓はひび割れ、血管は破裂寸前まで膨れ上がっている。だが、怒りがその痛覚さえも焼き切っていた。




 ウブフ、ウブフと、腐食性の竜の吐息を荒く吐きながら、黒竜は漆黒の影となって疾走する。鼻を突くのは、生々しいエルミナの血の匂いと、鉄の臭いに混じった「フェルダイ人」特有の脂ぎった臭気だ。


 かつてのルヴェンだった、その漆黒の瞳には、今や穏やかな星の光など映っていない。耳に届く虫の音も、生暖かく湿り気を帯びた夜風も、ただのノイズに過ぎない。


 彼の意識を支配しているのは、ただ一点。憎悪という名の羅針盤が指し示す、標的の抹殺のみだ。


 やがて、町の外れ。かつて川が流れていたと思われる、干上がった深い溝の前に辿り着く。堤防と思われる道らしき場所に、一本の小さな松明が燃え上がっていた。


 闇の中で不自然に揺らめくその炎。黒竜は一度足を止め、獲物を見つけた猛獣の如く、その光を睨み据えた。


 ――コろス……。


 狂気に満ちた瞳が爛々と輝き、変態した鋭い牙が月のない夜空の下で白く光る。


 黒竜は背中の巨大な翼を大きく羽ばたかせた。竜巻のような突風が周囲の砂や瓦礫を巻き上げ、彼は重力を無視して飛び上がった。一直線に、松明の光へと。



 松明の近くには、人影が一つ。



 身の丈ほどもある大剣を背負い、夜風に真紅のマントをなびかせ、蒼いマフラーを巻いた男。



 ――竜討騎士。



 仇敵が、そこにいた。


 黒竜は風を纏い、急降下の勢いをそのまま破壊力へと変換する。右手に凝縮された漆黒の闘気が、鋭利な爪となって五本、死の牙のように伸びた。


 男は、黒竜の来襲に気づいたのか、無造作に自らの剣を構えた。

 瞬間、その剣から凄まじい闘気が吹き荒れる。


 ドッドッドッドッ……という、心臓の鼓動を直接叩くような、激しく重い連続音が周囲の空気を震わせる。

 赤と紫、二色の禍々しい闘気が火山の噴火のように舞い上がり、次の瞬間、黒竜の周囲の重力法則が目に見えて狂い始めた。


「!?」


 一瞬の戸惑い。だが、黒竜の怒りは止まらない。勢いのまま、急降下からの強襲を仕掛け、怒りの爪を男の喉元へと振るう。


「シネェエエヱエエヱ!!」


 はらわたが震えるような、呪いの籠もった言葉と共に放たれた一撃。


 しかし、振り返りざまに男が吠えた。


「待ってたぜぇえええ!! ルヴェン、いや……化け物め!!」


 燃え上がる炎のような紅い短髪。鋼のように鍛え上げられた、ガッチリとした体格。その活気溢れる黒い瞳は、恐れを知らずに怒れる竜を真っ向から睨み付けていた。


 闇の中、男の大剣と黒竜の爪が激突した。


 大地を陥没させるほどの衝撃波が、テドの荒野を駆け抜ける。爆音が周囲の岩を砕き、視界は砂埃で埋め尽くされた。吹き飛んだ松明の火は消えたが、男の剣が放つ不気味な、紫電のような光が二人の死闘を照らし出す。


 強襲の一撃を凌ぎきった黒竜は、低く地面にしゃがみ込むようにして着地した。その口元が、獲物を追い詰めた快楽に歪み、ニヤリと緩む。


「……一撃で終ワると思うなよ、汚らわしい人間。貴様の肉を一切れずつ削ぎ落とし、ゆっくりと弄んでから、無残に殺シてヤゑわ……」


 黒い瞳は、もはや理性というフィルターを失い、純粋な狂気を湛えている。


 だが、対峙する男の様子が妙だ。彼が持つ大剣は、次第にその波動を高め、周囲の空間そのものを振動させ始めていた。男は、その異様な大剣をゆっくりと持ち上げ、自らの肩に乗せた。


 その光景に、黒竜は違和感を覚える。


 男が担ぐ剣は、刃渡りだけでも170cmを優に超える巨大なものだ。それがただトン、と肩に置かれただけで、男が立つ足場がみしりと沈み込む。

 

 凄まじい質量。しかし、男はその超重量を、まるでおもちゃの剣でも扱うかのように軽々と制御している。


 この剣から発せられる闘動機の波動が、破壊力を増大させつつ、持ち主に対してだけは質量を軽減させているのだろうか。


 男は、黒竜の挑発を鼻で笑い飛ばすように、はっきりとした声で言葉を投げた。


「余裕ぶっこいてるなぁ、このトカゲ野郎! こっちは、お前を仕留めるための時間が少ないってのによ! ま、その余裕も、もうすぐ絶望に変わるぜ」


 先ほどの強襲は、男に有効なダメージを与えていなかった。

 頬に薄いかすり傷が走っているだけだ。


「な……ワシの攻撃を凌いだと!? 貴様、ただの人間ではないな……!」


 力を抜いていたわけではない。腕の一本、いや、上半身ごと引き千切るつもりで放ったはずの一撃だ。それを防がれた事実に、黒竜のプライドにひびが入る。


 そして、次の瞬間だった。


「うごぉお!?」


 黒竜が、情けない悲鳴を上げた。


 いつの間にか、彼の脇腹には深々と切り裂かれたような傷口が開いていた。そこから溢れ出すのは、鮮やかな紅い血液と、彼の魔力の源である黒い霧だ。


「な……何故だ!? 貴様の剣は、届いていなかったはず……っ!」


 黒竜は傷口を押さえながら、苦悶の表情で男を睨む。


 辺り一面を、剣から放たれる異様な闘気と、重厚な連続音が支配していた。その音が響くたびに、黒竜の内臓は共鳴し、激しく揺さぶられる。


 男は、膝をつきかけた黒竜を冷酷に見下ろし、嘲笑った。


「伝説の色竜様も、その力を『無力化』されちまえば、ただのデカいトカゲだな。つくづく、この剣には礼を言わなきゃなんねぇよ。……お前を殺すために、鍛え上げられたこの鉄屑にな」


 ここで、黒竜は恐るべき可能性に思い至った。


「貴様……その剣、まさか……」


 竜の力を無効化し、鱗という名の絶対防御を紙のように切り裂く、フェルダイ帝国の禁忌の宝刀。


「……ドラゴンスレイヤーかぁあ!!」


 傷口の痛みに耐えかね、黒竜は逆上のまま、再び漆黒の爪を振り上げて男へと突進した。


 だが、男は流れるような動作でその攻撃をかわし、無防備になった黒竜の背中へ、容赦のない一撃を叩き込んだ。


 咄嗟に展開された、防御用の鱗状結界。しかし、ドラゴンスレイヤーはその結界を「存在しないもの」として無視し、黒竜の背中を無惨に切り裂いた。


 再び噴き出す、血と魔力の霧。


「……とっとと、ルヴェンの体から出てけってんだよ。化け物が……っ!」


 ボソリと呟かれた男の声は、激痛と怒りで絶叫を上げる黒竜の耳には届かない。


「き、貴様ぁ……! ワシと小僧を、引き離すつもりか!? ち、力が……力が抜けていく……っ!」


 噴き出す霧の量が増えるに従い、黒竜の異形な体は、徐々にその輪郭を失い始めていた。骨格が悲鳴を上げ、人間に戻ろうとする反動が、さらなる苦痛をルヴェンの体に与える。


「……どーだかな。お前が消えれば、ルヴェンも救われる……のかもな」


 口元を冷たく緩めた男が、大剣を正眼に構えた。その背後には、彼自身の命を削るかのような、凄まじい闘気の螺旋が渦巻いている。


「おのれ貴様!! その剣は……その剣だけは! 一度ならず二度までも、アイシェルとワシの運命を奪おうというのか……っ!」


 黒竜の脳裏に、太古の記憶がフラッシュバックする。かつての愛しきパートナー、アイシェル。彼女を屠り、自らの魂を封印へと追いやった、あの呪われた剣の感触。


 意識が朦朧としていく。闘気が急速に萎み、足元がおぼつかなくなる。


「んな事ぁ、俺の知ったことじゃねぇんだよぉおおおお!!」


 勝機を確信した男が、雄叫びと共に肉薄する。全力の唐竹割り。


 しかし、黒竜も黙って死を待つほど潔くはない。彼は残された全魔力を左拳に集約させ、この世のものとは思えない温度の「漆黒の炎」を召喚し、男の顔面目がけて叩きつけた。


「ならば、地獄の業火に焼かれて果てるがいい!! 人間風情がぁあ!!」


 漆黒の炎は一瞬にして周囲を飲み込み、足元の硬い岩石さえも一瞬で灰へと変えるほどの熱波を放った。並の騎士なら、その熱を浴びただけで蒸発していただろう。


 だが、男は違った。彼はその業火の中に、迷うことなく、躊躇なく踏み込んだ。


 ドラゴンスレイヤーの波動が、迫り来る黒炎を真っ二つに割り、男の道を切り拓く。


 頭上から振り下ろされた大剣を、黒竜は紙一重で回避した。だが、剣が地面を捉えた瞬間、大地は悲鳴を上げて爆発した。ズゥウウン……という、腹の底まで震わせる轟音が響き、辺りは巨大なクレーターと化した。


「くっ……っ!?」


 眉を歪め、体勢を崩した黒竜へ、男の追撃が止まらない。

 地面を抉るような鋭い切り上げ攻撃。その切っ先は黒竜の胸を深々と掠め、またもや大量の魔力を霧散させた。


「きさ……貴様、貴様、貴様ぁ! 殺す! 殺ス殺す殺す殺すァアア!!」


 絶対的な強者であったはずの自分が、名もなき人間一人に追い詰められている。その劣勢から来る苛立ち、そして、竜としてのプライドを粉々に打ち砕かれた屈辱。


 黒竜の唸り声は、もはやこの世の言語を超えた、不気味な歯軋りと獣の叫びへと変わっていた。


「……闘気もダメ、魔法もダメ。さあ、年貢の納め時だぜ、黒竜様よぉ!」


 男は不敵に笑うと、これが最後の一撃だと言わんばかりの、最大級の闘気を剣に込めた。


 闘動機の連続音は、もはや悲鳴のような高周波へとテンポを上げ、男の足元にある小石や枯れ草が、異常な重力場で宙に浮上し始める。


「これで、終わりだぁああああ!!」


 男の咆哮と共に、彼の瞳が完璧に狙いを定めた。大地を抉り、光の速さで黒竜の首筋へと肉薄する。


「おのれ……っ! ワシは……ワシという存在は……またしても、人間一人守れんというのかぁあああ!!」


 太古の昔。そして、この悲劇の夜。


 愛するアイシェル、そして今また、愛するエルミナという唯一の理解者を、守るどころか無残に奪われてしまった己の無力さ。魂の器であるルヴェンの命さえも、もうすぐ尽きようとしている。


 その絶望と屈辱を噛み締めながら、黒竜は左手を前に突き出した。ドラゴンスレイヤーの凶刃を、自らの掌で受け止めようとする、無謀極まりない構えだ。


 たとえ、その腕が消し飛ぼうとも。


 たとえ、これが最後の足掻きだとしても。


 彼は瞳を閉じ、死の瞬間を待った。




 ――だが。


 その左手に伝わってきたのは、肉を引き裂く痛みではなく、何やら「重いものがのしかかる」ような、緩慢な感触だった。


「!?」


 そっと瞼を上げると、そこには目を疑うような光景が広がっていた。

 先ほどまで、世界を滅ぼさんばかりの闘気を放っていた男が、青ざめた顔で激しく息を切らしながら、黒竜の左手の上に、大剣を力なく「乗せて」いたのだ。


 男の顔面からは完全に血の気が失せ、見開かれた瞳は焦点が定まっていない。


「……ちっ、きしょ……。……闘気、切れ……かよ……?」



 ドラゴンスレイヤー。



 それは竜を殺すための至宝であるが、同時に、使う者の闘気、精神力、そして生命力そのものを、底なし沼のように吸い尽くす「呪いの剣」でもあった。


 見た目こそ二十歳にも満たない、若き騎士の器。彼がその超常の力を維持できる時間は、あまりにも短すぎたのだ。


 男は、大剣を振り抜く力さえも残っていないことを悟ると、即座にその手から剣を離した。そして、最後の力を振り絞り、黒竜の視界から消えるような速さで懐へと潜り込んだ。


 黒竜も、一瞬だけ状況を飲み込めずに固まった。しかし、彼は数千年の時を魂だけで生き永らえてきた超越者だ。窮地に陥った獲物の、次の一手を読み取ることなど造作もない。


 左手で奪い取った大剣を掴んだまま、視界から消えた男の動きを追う。


 男がしゃがみ込み、そこから黒竜の側頭部目がけて起死回生の回し蹴りを繰り出すことなど、手に取るように予想できていた。


 ――闘気を失った人間の、ただの蹴り。


 それは今の黒竜にとって、羽虫の羽ばたきほどの脅威にもならなかった。

 放たれた男の右足を、黒竜の右手が軽々と、そして無慈悲に掴み取る。


 その瞬間、黒竜の表情は、人としての情を一切排した、残忍極まりない「竜」のものへと変貌した。


「……くっそぉ、おぉおおおお!!」


 男の絶叫が夜空に響き渡ると同時、黒竜はその足を掴んだまま、男の全身を頭上へと軽々と放り投げた。そして、重力と遠心力のすべてを乗せて、地面へと激しく叩きつけた。


「ぐぅ……っ!」


 男が呻く間も与えない。狂気に完全に飲み込まれた黒竜は、まるで人形を弄ぶ子供のように、何度も、何度も、男を振り回しては地面のクレーターへと叩きつけ続けた。


「ふはははは! ふははははははは!!」


 その笑い声は、今までの理知的で尊大な黒竜からは想像もつかないほど、野性と残虐性に満ち満ちていた。


 何度目かの激突。


 力任せに掴んでいた男の膝の関節が、ついに限界を迎えた。


 ぐちょり、という生々しく気味の悪い音と共に、男の膝関節が、熱い血液を噴き出しながら無残に引き千切られたのだ。


「あ、がぁあああああ!!」


 絶叫を上げる男の身体は、千切れた右膝から下部分を黒竜の手に残したまま、勢いよく地面を滑り、土手の斜面へと激突して止まった。


「……う、うぐぅ……。この……やろ……」


 男が這いつくばりながら何かを口走ろうとしたが、その言葉は途中で途絶えた。


「!?」


 男は、自分に何が起こったのか理解できなかった。ただ、胸の奥から突き上げてくる異常な衝撃と、逆流して口から溢れ出す大量の鮮血に、視界が急速に白んでいくのを感じるだけだった。


 ふと、自らの胸元へと視線を落とす。


 そこには、つい先ほどまで自らが振るっていた、あの「ドラゴンスレイヤー」が、彼の胸を深々と貫いていた。


 肉を断ち、骨を砕き、心臓を抉り取った大剣は、そのまま彼を大地の底へと釘付けにするように突き刺さっていたのだ。


「がぁ……あ……っ!!」


 突き上げるような激痛が男の精神を完全に破壊する。


 彼は、自らの血で染まった視界の向こう側から、ゆらりと、ゆっくりと歩み寄ってくる「黒い恐怖」の姿を、ただ畏怖と絶望の中で見つめることしかできなかった。




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