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空木逐人の失敗学  作者: 卯山敬
第一章「死んだ自分と隣の世界(パラレルワールド)」
1/16

プロローグ

 高校生、空木(うつろぎ)逐人(おいと)は一つの能力(のろい)を持っている。

 起きうる現象を二択で考えた時、不幸な方の現象を引き寄せる力。

 それは、物理法則をねじ曲げる異能であり、数多に広がる未来の可能性を収束させる権能であり、世界のシステムに干渉する資質であり、そして、

 彼を世界に絶望させた、重い鎖であり枷であった。



 ザラつくアスファルトにうつ伏せになった逐人が前を向くと、十五メートルほど離れた位置に壁面工事用の踏板が転がっていた。

 塀の向こうにある高層マンション、高さ十七階から落下してきたものだ。

 支えから外れ重力に引き落とされた踏板は、逐人めがけて飛来してきた。逐人は前方に跳んで、すんでのところでそれを回避した。

 しかし──、

「なんだよ……、これ」

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 けれども、()()()()()()()()の体にはアスファルトに転がった際の擦り傷しかついていない。

 では、踏板は何にぶつかったのか?

 ()()()()()()()()は目を固くつむってから開き直し、もう一度前方を見る。

 そこには、踏板に巻き込まれ血まみれになり、片腕片脚がおかしな方向を向いている、ありえない人物が倒れていた。



 それは、空木逐人──────、自分がもう一人いて、瀕死の重傷を負って倒れていた。


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