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第29話 四天王・ゲンブドラゴンとの戦い

「やりましたね、勇者様!」

「まあ俺とリュスターナのコンビにかかればこんなもんよ」


 とかなんとか言ったものの、実をいうと思ったよりも上手くいったと俺は内心ほっとしていた。

 正直もっと残るかと思ったんだけど、10000のドラゴン軍団を完全消滅させることができたからな。


「私と勇者様の初めての共同作業ですね♡」

「それはなんか意味が違うような……」


 自分がおおいに貢献したからってのもあるんだろう。

 リュスターナは嬉しさいっぱいって様子で俺に抱き着こうとして、しかしハッと何かに気付いて動きを止める。


「これは――!? 勇者様、強い気配が1体残っています! あ、あそこです! 巨大なドラゴンが一匹います!!」


 ≪ホーリー・ビーム・ショットガンスタイル≫により光の塵となった雑兵ドラゴンたち。

 その薄っすらと残っていた光の幕が晴れた先。リュスターナの指差した向こうには、亀のような甲羅を背負ったドラゴン(? っていうか空飛ぶ亀?)が悠然と浮かんでいた。


 鱗の色は茶色。

 なんていうかもう、どこからどう見ても亀だった。


「ってことは、つまりこいつが今回の指揮官ドラゴンってわけだ」

『ククク、その通りであるぞ!』


「そして当然、人間の言葉を話せる上位種ドラゴンと」

『矮小な人間の言語くらい、話せて当然であるぞ」


「ああ、そうですか」


『しかしなかなかやるではないか勇者よ。まさか10000の大軍勢をこれほど簡単に全滅させてしまうとはな。これにはさすがに驚いたぞ』


「馬鹿正直に真正面から隊列を組んで来てくれたおかげで、楽に全滅させられたよ。指揮官が無能だと楽でいいよな?」


『ふん、やられた雑兵どもが無能なだけなのだよ。強大なドラゴンともなれば指示などなくとも、おのおのが自ら考えて行動すべきなのだ。我々ドラゴンは、言われたままに動くだけの低能な人間どもとはわけが違うのだからな』


「それで全滅してりゃ世話はないと思うけどなぁ。それで、あんたは何ドラゴンなんだ? 見た感じタートルドラゴンか?」


『馬鹿にするな、我は亀などではない! 我が名はゲンブドラゴン! 先だってお前が倒したキングドラゴンの上位種であるグレートドラゴンの、さらなる上位種よ! 言ってみれば超上位種ドラゴンであるぞ!』


「キングドラゴンのさらに上位種なんて――!」

 その言葉にリュスターナが悲鳴を上げた。


『くくっ、驚くのはまだ早いぞ小娘! 我こそは大魔竜ドラグバーン様の四天王が一人であるのだからな!』


「ドラグバーン四天王の一人……! つまり世界で5本の指に入る最強ドラゴンの一体! まさかそんな超大物が指揮官として攻め込んでくるなんて!」


 リュスターナはもう顔を真っ青にしていた。

 ガクガクブルブルと震えてしまっている。


『くくくくっ、その娘の方は現状を正しく理解しているようだな。いや、勇者の方も現状を理解しすぎて、あまりの恐怖に声が出せなくなっているのか? ガハハハハッ! 噂の勇者も全然大したことがないな!』


「いや、そんなに恐怖はしてないけどな」


『強がりもほどほどにしておけ。5大ドラゴンの一柱を相手にするのだ。恐怖しないでいろと言う方が無理な話だろうからなぁ!』


「いやほんと、そこまでじゃないんだけど……」

 かなり強そうだとは思うが、恐怖するってほどでもない。

 まぁ勝てそうかなって感じだ。


『そうか、女の前では恥ずかしくてビビっているのを認められぬか。安心しろ、すぐに二人まとめて楽にしてやる。我は慈悲深きドラゴンゆえな! 喰らえ、ゲンブ・ドラゴンブレス!!』


 ゲンブドラゴンが咆哮するとともに、なかなか強烈なドラゴンブレスが撃ち放たれた。

 俺はリュスターナを守るように前に出ると聖剣≪クラウソラス≫でそれを薙ぎ払う。

 ゲンブ・ドラゴンブレスはこれまでのドラゴンブレス同様に、それだけで打ち消すことができた。


「なんだこいつ。やっぱりたいしたことないぞ? 本当にこれで大魔竜ドラグバーンの四天王の一人なのか?」


『くくくく……』


「なにがおかしいのか知らないけど、とりあえず一気に決めてやるぜ!」


 俺は聖剣≪クラウソラス≫に聖なる力を注ぎこんだ!

 聖剣≪クラウソラス≫が眩いばかりの光の刃を形成する!


『くくく、来るがよいわ』


「言われなくても行くっての! 一発で終わらせてやる! 喰らえ、必殺! ≪アルティメット・ソード≫!!」


 俺は一直線にゲンブドラゴンへと飛翔すると、その勢いそのままに光の刃となった聖剣≪クラウソラス≫で強烈な一撃を叩き込んだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 四天王の一番手ですか、敗れたら他の四天王から『奴など四天王の中で一番の最弱、恥さらしよ』と言われそう
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