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第21話 街でデート 2(紐水着をプレゼント)

 リュスターナに青い宝石のついたペンダントをプレゼントした後、次に俺たちは女の子向けの服屋へと行った。


「おっ、この服なんてリュスターナに似合うんじゃないか?」


「えっと、どれですか? ――って!? これもうほとんど紐じゃないですか!? なんですかこれ!?」


 俺が差し出したほとんど全て紐でできた特殊な水着を見たリュスターナが、プンプンする。


「なんですかって言われたらその、な? ムードを高めるための大人のための水着かな……?」


「こんなハレンチな水着、いったい誰が着るんですかぁ!」


 紐水着を着た自分の姿を想像したのか、リュスターナの顔は羞恥でまっ赤だった。


「いやいやリュスターナ、着る人がいるからこうやって売っているわけだろ?」


「ええっ!? それはまぁ、ええ、たしかにそうなんですよね……これを買う人がいるから売ってるんですよね……でも、ええええぇぇぇぇっっ!!?? これを買い求める人がいるんですかぁ!?」


 俺に正論を言われたリュスターナが、眉を寄せてとっても困った顔をする。


 需要があるから供給がある――そのこと自体には納得するものの。

 えっちな紐水着に需要があるという事実を、どうしても脳が理解することを拒んでいるようだった。


 常識人のリュスターナにとって、隠す気ゼロのえっちな紐水着はまだちょっと早過ぎるみたいだな。

 ――だがしかし!

 だからと言って引き下がるわけにはいかない!(激しい使命感)


「そういうわけだからほら、ものは試しに着てみないか?」

「き、着ませんから!」


「でもなぁ、着ないで一方的に批判するのはやっぱりダメだと思うんだよなぁ……」


「ううっ、そんなもっともらしいことを言って、そんなにこれを私に着せたいんですね……」

「ああ、着せたい! リュスターナに超着せたい! 絶対に合うから!」


 勇者の勘でここが勝負どころと踏んだ俺は強く断言した。

 ズイッと身を乗り出して、拳を握り締めながら力説する。


「ほんと勇者様ってばえっちっちなんですから……じゃあちょっとだけですよ? 試着室でちょっと着たら、すぐに脱いじゃいますからね?」


 さすがは俺に甘々のリュスターナだった。

 リュスターナは「しょうがないですね、もう……」と小さく呟きがら、だけど俺を待たせないようにすぐに試着室に入って紐水着に着替えてくれた。


 そしてそれを見た俺の感想は――。


「最高だ! グゥレイト! マーベラス! これ以上なく似合ってるぞ!」

 俺はリュスターナ手放しで褒め称えた。


 リュスターナはというと、胸や股間を手で隠しながら顔を真っ赤にしてモジモジしている。

 顔というか肌まで真っ赤だった。

 リュスターナの真っ白な柔肌が赤く煽情的に染まっている。


「ほ、本当にこんなものを買う人がいるんですか? やっぱり信じられませんよぉ!?」

「自分が信じられないなら代わりに俺を信じろ! 勇者の俺をさ!」


「すごっくカッコいい台詞を、すっごいいやらしい顔で言ってます……あぅぅ、隠れるべき場所が隠れてませんよぉ……見えちゃってますよぉ。もはや露出狂の変態ですよぉ……お父さんお母さんごめんなさい……リュスターナは変態さんになってしまいました……」


「いやいや、マジでヤバいところだけはギリ隠れてるから大丈夫だよ。でもうん、絶対リュスターナなら似合うと思ったんだよなぁ。眼福、眼福」


 なんかもう似合い過ぎててヤバイ。

 紐水着をつかさどる「紐水着の女神リュスターナ様」と呼んじゃってもいいくらいだ。

 ありがたやー、ありがたやー。


「あぅ……そんなことないと思いますけど……」


「いやマジの絶対に究極的に似合ってるから! そんなことありまくりだから! よし、これはマストで買おうな。もう決めたから。勇者権限だ! 異論は認めない!」


「ええっ、これを買うんですかぁ!?」


「もはやこれを買わないのは人道に対する罪だよ。俺は勇者だからそんな悪逆非道を見逃すことはできないんだ。勇者とは人類の守護者だからな!」


 俺はキリリと宣言した。


「意味が分かりませんよぉ……はぅ、勇者様が壊れちゃいました……」


「それだけ今のリュスターナが魅力的だってことさ。じゃあお会計しておくな」


「はい、一応ありがとうと言っておきますね……」


「きゃっほーい! 今日の夜はビーストモードで紐水着リュスターナとハッスルだぜ!」


 今から今日の夜が待ち遠しくてしょうがない俺だった。



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― 新着の感想 ―
[一言] ノクターン版ではその時の様子をしっかり書いてほしい。
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