秋
恋をした気がした
君の見ているその先に
僕はとても惹かれていた
君は未来を見ているに違いなかった
儚げな笑顔だけの毎日だったけど
いつか光ってくれると思った
駐輪場で誰かと話す君は
年相応の無邪気と影を背中に隠して
大人になろうとするふりをした
僕が惹かれたのは
君が辛い顔を
大事な人以外に見せなかったから
君が光ったのは
君が輝いたのは
君が惹かれたから
君を見て
彼に惹かれてる君を見て
僕は恋をした気がした
君のことを知らない僕が
僕のことを知らない君に
祈りを捧げたのは
君に銀杏の葉が
あまりにも似合っていたから
君だけが明日を知っていたから