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月夜の戦場  作者: 新規四季
1/1

始まり

「はぁ、夜か」


無骨な音が鳴り、深い眠りから意識がもどる。

辺りは暗い。この時間になると施設の電気が徐々に明るくなり、起床時間を教えてくれる。


あくびよりも先に悲しみに近い感情から来る愚痴が口をつく。


「おはようございます」


フードを目深に被って、寝転がった状態だから見える綺麗で可憐な顔が、これまた綺麗な声で、夜の挨拶をしてくれる。

彼女は@1のアイドル枠、雪道葵。

大人しい性格で、雛鳥凪紗を慕ってくれる存在だ。


「未だに慣れないよ、夜におはようなんて」


雛鳥がベットから起き上がって、雪道に話しかける。


「仕方ないですよ、世界は狂ってしまったのですから」


そう、世界はある意味では終わった。

今では昔を思い出して懐かしむことも無くなったけれど。


「今日って、討伐隊休みだよね」


雛鳥はスケジュール管理は全然覚えてない。

そういうのは苦手で、良くもまあここに居られるものだと思う事もある。


何もかも雪道が完璧なのがいけない。

もう、雛鳥は雪道無しでは生きられなかった。


「そうですけど、訓練行かなくていいんですか?」

「相変わらず葵は熱心というか、真面目だよな」


雪道が次の指令のことも考えて少し不安そうに言う。

寝起きで欠伸をしながら、雛鳥と雪道のそばにやって来て雪道にそういうのは、灰色がかった髪の少女。


「道下、今日もいいメガネだねー」

「なんだそれ、適当なことばっかいいやがって」


雛鳥が、灰色がかった髪の少女、道下アリスに挨拶がわりに何も考えてない様な言葉を投げかれば、道下はテンション低めにツッコミを入れる。


寝起きは弱そうだ。


「あれ、狐日は?」


雛鳥が立ち上がって伸びをして身体を慣らして部屋を見渡して、部屋に居ない@1のメンバーを探した。


「狐日ならさっき寧々に連れてかれてたな」


道下は狐日と言われてる人物の行き先を知っている様で、雛鳥にそう言った。


「あいつら付き合ってるんじゃね?」

「そう邪推してやるな、一応リーダーなんだから亀裂を生むようなことは言うな」


ニヤニヤしながら雛鳥が居ない人達を茶化せば、道下が窘めるように雛鳥を軽く小突いた。


「はーい」


雛鳥も過剰に痛がった振りをして、子供みたいな返事をする。


雪道はそんなふたりのやり取りを見て柔らかく微笑んでいる。


外は今日は満月が綺麗に映る。







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