02.宙から降ってきた非合法工作員?
私達の押しかけ師匠は、非常識と破天荒を絵に描いたような人でした。
怪しげで、胡散臭く、美丈夫で超絶美男子の癖に変な髭を蓄えて自慢していると言った、何処かピントのずれたような人で、この人が数多の次元を統べる治安機構から派遣されてきたとは、最初の内は到底信じられませんでした。
でも一緒に住み暮らす内に、なるべくなら陰ながら人知れず手を差し伸べるような、師匠の不器用な気遣いが段々と分かるようになりました。
それは鬱蒼と茂る熱帯樹林帯の中を只管無心に南西していた3週間と4日目に遭遇した、この世の珍事だった。
突然の風を切る気配に一瞬、害獣の類いの襲撃かと気配感知のセンサースキルを打つが、どうやら周囲ではない。
「上……?」、エリスの呟きに反射的に見上げる空は、ジャングルの大木独特の広い葉に塞がれて大半の視界は奪われている。
遠見スキルがそれを見つけた、何かが上空に居る、いや落ちてきている。
ビョウビョウと空気を燃やしながら真っ直ぐ落ちてきているのだ。
「隕石?」、いや普通、隕石は空気摩擦の抵抗で真っ直ぐではなく斜めに落ちてくると教わった、何かの厄災だろうか?
考える間もない速度で落ちてきた何かは、上方の樹木を突き破り、あろうことか私達のすぐ目の前に、耳を擘く轟音と共にめり込んだ。
ドッゴオオオォォォォ―――――――ンッ
凄まじい地響きと共に、あっという間に地面を陥没させた何かは、濛々と上がる水蒸気で辺りを熱気に包み、あまりのことに身動き出来ずにいた私達は、降り注ぐ土砂に身を庇うこともせず、唯言葉も無く呆けていた。
硬直から気を取り直した私達は落ちてきた何かの正体を探ろうと、穴の近くまで四つん這いで近づいていく。
何か赤い血糊のようなものが飛び散っている。
怪物か何かの生き物だろうか?
それにしては穴の大きさはそれ程の巨体を感じさせない。
その時だった、見たことも聞いたこともない怪異を、非現実的で摩訶不思議な、幻想的にして神話めいた怪奇現象を目にしたのだ。
思えばこの時、この瞬間から始まったのだ、何処迄も果てしなく昇り詰めていく私達のノンストップ怪進撃、やがてアヴァロンの三人の湖の乙女を遥かに凌駕する最強伝説を紡ぐ物語……最早必要だったのか不必要だったのかさえ分からなくなって仕舞う程の、哀れにも強くなり過ぎて仕舞った女達の伝奇と寓話が………
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「何か、動いてない?」 「て、いうより集まってきてる感じ?」
「何か、復元しようとしてる?」
それは唐突に始まった。飛び散った血糊や肉片が一箇所に集まってきている。
まるで時を巻き戻すように、爆散して仕舞った肉体が元に戻っていく。
砕かれた骨片が組み合わさり、皮膚の下の筋肉が構成され、捩くれた臓物が腹腔に収まっていく。
「人、人だよっ!」、エリスが指摘するまでもなくそれは明らかにヒト型を構成しつつあった。魔族や魔人も似た様に四肢を持っているが、おそらく人族だろう、そんな皮膚の色が見て取れる。
損傷の少なかった外骨格、いや何か鎧の類だろうそれが殆ど無傷なのに対して内側の衣類は原型を留めない迄にズタボロになっているが、血色の良い鼻筋の通った相貌の男は、
男?、男だよね?、濃い金色の細かな巻き毛の頭髪と、似合わない同色のゼンマイ髭を貯えていた。
何故似合わないかというと、その渦巻き状の髭さえ無ければ一点の非の打ち所もない完璧な美男子だったからだ。
穴が深くて遠見で見た限りだが、そう思わせる程の美丈夫だった。
「あっ、目ぇ開けたよっ!」
閉じられた目蓋をパッチリ開くや否や、キョロキョロと金色の瞳を巡らせてこちらを認めた途端、やおら上体を起こすと同時に一足飛びに飛び上がり、まるで羽根のようにフワリと重さを感じさせない挙動で、私達の前に降り立つ。
目の前で起きた驚天動地の出来事にどう対応していいかさえ判断出来ず、警戒して一歩後ずさる私達に何か話し掛けてくる。
「%〓§※♯〓※∬♯♯、◎◎●◎、※§§………、〓※∬♯♯」
????、ゴブリンの吠え声さえ意味づける言語翻訳スキルでも何を喋っているのか分からない。遠い外国の人だろうか?
「△▲▶︎■◇◇◇▼、□□■■ΩυΥχαρ■◆◇◆」
「あぁ、こっちの言語体系でしたか、いきなり吃驚させてご免なさいね」
「何せ、次元渡りは座標設定が曖昧でね、この間なんかいきなりマントルのど真ん中に転移して、危うく蒸発し掛けましたよ」
知らない内に言葉が通じるようになったのに驚いたが、何を言っているのかは分からなかった。唯、深みのある声音は理屈抜きで他人を惹きつける類いの魅力があったし、第一、威が違う。
何気無く発散されるオーラ感は半端無く、じっと見詰めていると鑑定眼がヒカリ灼けを起こして仕舞いそうだ。
「あのっ、あ、貴方様は、いったい、な、何ですか?」
得体の知れない相手は怖かったし、意思の疎通が可能と分かったからと言って畏れ多いような気もしたが思い切って質問をしてみた。半分、自棄だったし疲弊してもいたので、どうとでもなれと言う気もあった。
近付かないように少し間隔を空けているのに、見上げる形になって仕舞う。私達3人の中では一番背の高いステラ姉より、頭ひとつ分大きいようだ……多分190cm以上あるのではないだろうか?
「あぁ、貴女はドロシー・ベンジャミンさん、確か元“剣帝”でしたっけ?」
「なっ、ど、どうして、それを?!」
「今回の任務で、ブリーフィングがありましたんでね」
「……手前ですか?、手前は、まぁ、流れの特殊工作員、と言ったところです」
ぶりーふぃんぐ、トクシュコウサクインとはなんだろう?
神の言葉は、遠く理解が及ばない。
「コードネームは、……貴女方の世界で言う通り名みたいなもんですが、まぁ、お教えしても貴女方には発音出来ませんから無意味ですね、手前のことは、単に導師とお呼びください」
「暫くの間、貴女方を鍛えることになりますので」
その渦巻髭を撚りながら話す仕草が、神威の如く立ち昇るオーラと剰りにもチグハグで、その慇懃無礼な物言いも相俟って、何を言っているのか私達の理解が遠く及ばないものだった。
「あぁ、あまり鑑定スキルを強くしない方がいいですよ」
「今の貴女方の魔力では、脳神経が焼き切れちゃいますからね」
「今回のタスクのお浚いと、貴女方への説明をします……が、ちょっと不作法ながら風呂に入らせてください、ボロボロに、埃も被って仕舞いましたので」
見ると装着したショルダープレートや直垂のような腰回りのアーマーは全くの無傷なのに、中の衣服らしきものは垂れ下がった布切れになっていた。
言うが早いか、指を鳴らすと空中に出現する魔法陣は見たこともない術式で、理解出来ない文字と文様で構成されるそれは、多重円陣で垂直に展開され、目の前でゆっくりと回っていた。
中から引き出すのは……これは収納魔法なんだ!、見知らぬ面妖な術式に面食らったが、なんて独特な魔法なんだろう、この世界の収納魔法とは遣り方も術式展開も含めて根本原理から何かが違う。
カルバン八世様式に似た豪奢な猫脚付きのバスタブが、既に満々と湯を湛えた状態で取り出されると、早々とプレートを脱装、衣服を脱ぎ捨てると、地面すれすれに具現させた別口の魔法陣に、無造作に投げ入れた。
このショルダープレートも気になっていたが、ミスリルでもオリハルコンでも無く、未知の材質で、私達の顔が映り込む程、ピカピカな鏡面のような質感だった。
思わず目を逸らしたが、男の肢体は見事なシックスパックの腹筋と惚れ惚れする臀筋、盛り上がった背筋、細身のくせに頑丈そうな猪首などに鎧われた、
鍛え上げられた一流の戦士のものだった。
歴戦の強者を思わせる、引き攣れた幾多の刃物傷さえ誇り高く輝いて見えた。
見惚れる積もりではなかったが、逆に自分の恥ずかしい下着姿を思い出して、捨て鉢の態の筈なのに私は隠せぬ肌着を手で庇おうとしていた。
露出した肌は大半が疥癬に覆われていたが……
不思議な男の周囲には、次から次にと大小様々な魔法陣が現れては消えていく。取り出されるのは宮廷でも見ないような見事なギヤマンの瓶だったり、宙に浮くのは香油の蝋燭だろう、何十本となくゆらゆら明滅し、フローラルやラベンダーの癒し系の香りを放ったり、小さな銀のトレイはタバコ盆だろうか?
鑑定眼で判るものもあれば、判らないものもある。
小さな青い遮光瓶から湯に垂らされるのは、おそらく入浴用の精油だし、広口の瓶から振り撒かれる粉状のそれは、“バスソルト”?、よく判らない。
最後に紙の箱から男が鼻歌混じりに、細かい結晶のようなものをぶち撒けると、湯がボコボコと泡立ち始める。
「いや、汎用洗浄の魔法でもいいんですけど、前の任務が滅茶苦茶過酷でね、幾ら強襲班特攻作戦専門の非合法工作員でも少しはリラックスする時間ぐらい必要だと思いません?」
湯船に浸かり、ボディブラシで擦りながら、気が付かなかったが口にはいつの間にか歯ブラシを咥えている。
“純国産バイカル鼠使用、大魔術師ヨルブンド・ジュニアがエンチャントされたジェネシス級の至宝”……歯ブラシを鑑定スキルで見たら、浮かんできた情報は、何だか凄過ぎてよく分からない。
エンチャンターの歯ブラシ!、それって一体全体、歯を磨く以外にどうやって使うんだろう!?
純国産っ……純国産て、何?
「今度は髭を剃り出したよ……」、あまりのことに、ただ呆然と見つめ続けるしかない私達の視線を気にすることもなく、陶製のシェービングカップから塗りたくる泡で顔を剃り上げている。
使われている折り畳み仕様の剃刀は、不壊属性のブレードが空間を裂き、次元を斬り裂く業物にして、銘を“無明丸”と言う、刃物の中の刃物、刃物の覇王、神殺しにして大悪魔封滅の一振りという説明が頭に浮かぶ。
剃刀に銘とかあり得ない……でも、実際、空間を斬り裂けるならその性能と威力は、聖剣や神剣より上じゃないだろうか?
兎に角、度肝を抜かれていた。
何も彼もが常軌を逸している。唯々呆気に取られていた。
「パードン、お嬢さん方、ちょっと葉巻を吸わせて貰いますよ」
こちらの許しを待たずに、煙草盆の上に乗った黒檀に螺鈿の工芸価値の高そうな葉巻入れから1本を取り出し、香りを嗅ぐや、すぐさま小振りのシガーナイフで口を切ってじっくりと火付け作業に取り掛かる。
職種柄、各地の帝室や、皇家、連なる領主などへの使節団として赴く仕事もしていたので、為政者や貴族達の喫煙事情もそれなりに見知っていた。
葉巻はかなり珍しい。水煙草やメアシャムなどのパイプ、もしくは嗅ぎ煙草が主流で、葉巻はいまだ流通が難しく、多くは出回っていない。
が、問題はここで使われるレア・アイテムと言うか、物騒な伝説級の神器が一見ただのフリント式ライターに見えることだ。
この時代、喫煙は金持ちの嗜好品。道具も意匠を凝らし、宝石を散りばめたものなども少なくはないが、その中でもこれは異質だ。
鑑定眼によると、それは“極炎竜の着火装置”というらしい。
その気になれば、星をも燃やし尽くす災害級殲滅兵器だとか……
星、星ってなんだ? 占星術士達が天体観測してる、あの星のことだろうか?
なんて物騒なもので火を点けてるんだ、馬鹿かっ、馬鹿なのか?
「なんか、音楽もあった方がいいかな?」
再び呼び出される複雑精緻な亜空間収納魔法陣から登場したのは4体の銀色に光るスケルトン……骨ではなくて、その表面が何か金属のように照り映えている。
アンデッド?、死霊魔法だろうか?
黒いお仕着せのような揃いの制服を着た銀色のスケルトンが、大小様々な、リュートにも似た各々の楽器を奏で始めた。
宮廷室内楽でも、ちょっと聴いたことの無い、洒落た哀切を含む旋律だ。
頭痛がする程ヒートアップした鑑定眼に依れば、黒いお仕着せは燕尾服、この楽団は構成上から弦楽四重奏団というらしい。
骸骨達の正体は、どうも表面がツルツルの金属に見えるのを不思議に思っていたら、どうやら水銀魔術によって生み出されたものらしい。
流体の水銀を様々な形に変形する水銀魔術は、高等魔術に分類されるが、こうまで緻密な成形は見たことが無い。
「お酒、お酒の匂いがする……」 「強いお酒の豊潤な匂いっ」
重度のアルコール依存症のステラ姉が一番に嗅ぎ分け、反応していた。
「おぉ、お嬢さん方も、やります? 」
葉巻を燻らせながら、私達の分のゴブレットを空間から無造作に取り出すと、丸く削り出した天然氷を放り込む。
「気が利かなくて、とんだ不調法でした」
「ミス・ステラも今日ぐらいはいいでしょう、明日からは嫌でも禁酒して貰いますから……存分に酔っ払ってください」
私は持病の記憶障害が悪化するのを心配したが、結局、相伴に付き合った。
クリスタルのように無色透明な、歪みひとつない見事な瓶は、それ自体が美術品の趣きで、王宮御用達を許されたモーレア島の職人の手になるデキャンターとはまた別の素晴らしさがあり、また注がれたクリスタルのゴブレットも、その切子細工が芸術的ですらあった。
ある種の林檎を原材料にした琥珀色の濃い蒸留酒は、“カルバドス・グランソラージュ”と言うらしい。
「本当はブランデーは、こんな呑み方したらダメなんだけどね」
染み渡るような美酒が、疲弊しボロボロに壊れた身体に、最後の蝋燭を灯すようにして、ポッと熱を生んだ。
あぁ、美味しい、これを味わったらもう死ぬのかな……そんな気さえした。
「うーん、それにしても、随分やらかしちゃってますねえ……」
面白いと思って呉れた方は星をつけて下されば、有り難いです
小躍りして喜びます
なるべく公序良俗に反しないよう頑張ります(初志貫徹出来てなくて不甲斐無い今日この頃です)
私、普通のサラリーマンなので書く時間がなかなか取れません
投稿は本当に不定期です
アヴァロン=アーサー王の遺体が眠る場所とされるブリテン島にある伝説の島
モードレッドとの戦い〈カムランの戦い〉で深い傷を負ったアーサー王はアヴァロン島での癒しを求めて三人の湖の乙女によって舟で運ばれこの島で最期を迎えた
水煙草=イラン〈旧ペルシア〉で発明されたと考えられている中東で大成した喫煙具の一種、水煙管〈みずぎせる〉や水パイプとも呼ばれる
煙をガラス瓶の中の水を通して吸うというのが基本的な構造であり、気軽に持ち運びはできないため紙巻きたばこが普及している地域ではあまり知られていない
メアシャム=主にトルコを中心とした地中海沿岸地域で採取される「海泡石」と呼ばれる鉱物のことで、ハンガリー帝国の貴族を中心にこれを素材としてパイプが作られるようになった
フリント式ライター=ライターの燃料に点火する為に最も広く用いられる機構はオイルライター・ガスライターを問わず、ヤスリ状の回転ドラムに「フリント」と呼ばれる直径2ミリメートル高さ5ミリメートル程度の小さな消耗品〈火打石〉を押し付けてドラムを勢い良く回転させ、その摩擦で火花を散らして発火させる物だが、この火花を発生させるためにセリウム70 %と鉄30 %の合金であるフェロセリウム〈アウアー合金:名は発明者カール・ヴェルスバッハの特許であることから〉を使用している
ヤスリの回転の摩擦熱と合金が削られ微粉末となり増えた表面積が空気にさらされることで発火し、燃料に引火する/もともと「フリント〈火打石〉」とは鉄よりも硬い自然石を指す言葉だが、これで鉄片を削って得られる火花よりも前述のフェロセリウムを鉄のヤスリで削った方が大量かつ高温の火花を放出出来るという性質と、「合金であるために任意の形状への加工がたやすい」という性質から、小さなライターにはちょうどよいということで好んで使用され、今日ではライター用のフリントといえばこのフェロセリウムを指す
リュート=撥弦楽器の一種で主に中世からバロック期にかけてヨーロッパで用いられた古楽器群の総称、中国や日本の琵琶と近縁の楽器でありいずれも中央アジアの「バルバット」を祖先とする楽器であると考えられている
燕尾服=男性の夜間の礼服で裾が燕の尾のようなのでそう呼ばれる/英語圏では18世紀末から19世紀初頭のフロック〈Frock〉も含めて“Tailcoat”と呼ばれるため19世紀中半以降の正装である正式礼装の燕尾服のみを指す場合は“Evening”が付けられ、“Evening Tailcoat”とも呼ばれる
燕尾服を中心に構成される服装〈ドレスコード〉は白い蝶ネクタイを用いることから、ホワイトタイ〈White tie〉と呼ばれ、現在では最上級の礼服とされている
18世紀、革命前夜のフランスでは自然主義の影響でイギリスの乗馬服が流行していた/そのひとつに長いコートの前裾が直角に切り取られ、後裾だけが長い上着があった/裾が割れているのは乗馬の際に鞍の上でもたつかないためであり、今日でも馬場馬術の上級競技では燕尾服とトップハット〈シルクハット〉の着用が規定づけられている
弦楽四重奏=ヴァイオリン属4本の楽器からなる合奏形態を指し、主に2本のヴァイオリン、1本ずつのヴィオラ、チェロによって構成される
室内楽形態の中で、トリオ・ソナタ〈三声ソナタ〉の発展形、トリオ・ソナタに存在する通奏低音を用いず、四者が協調して一つの響きを作る性格が強い/68曲の弦楽四重奏曲を作曲したハイドンが「弦楽四重奏の父」と見なされているが、同時代のボッケリーニは90曲以上作曲しており、音楽家としての評価もハイドンに劣るものではなかった/ハイドンは作品33の出版の際に「弦楽四重奏曲」という言葉を初めて積極的に用い、これが定着して「弦楽四重奏」というジャンルが定まることになる/ハイドンに刺激を受けたモーツァルトも引き続き多くの作品を残しているが、特に代表作「ハイドン・セット」〈第14番-19番〉は全6曲に2年あまりを費やした力作であった/その後、ベートーヴェンの中期の傑作群〈ラズモフスキー弦楽四重奏曲〉により、交響曲と並ぶ作曲家の重要ジャンルとして確立されることになる/以後、シューベルトが15の曲を残したのをはじめ多くの作曲家がこのジャンルに曲を残し、現代に至るまで多くの曲が作られ、愛されている/そのためもあって世界中で常設で活躍し続ける団体が多数存在する唯一の室内楽形態ともなっている
カルバドス=カルバドス〈calvados〉もしくはカルヴァドスは、フランスのノルマンディー地方で造られるリンゴを原料とする蒸留酒で、この地域以外で作られる同様の蒸留酒がカルヴァドスを名乗ることはできず、アップル・ブランデーと呼ばれ区別される
原料としてリンゴのほか、10〜 30% 程度のセイヨウナシを使用することが多い
カルヴァドスは、AOC〈原産地呼称規制〉の対象である/「カルヴァドスAOC」〈Appelation Calvados contrôlée〉地区は、カルヴァドス、マンシュ〈Manche〉、オルヌ〈Orne〉の各県の全域に加えて、ウール〈Eure〉、マイエンヌ〈Mayenne〉、サルト〈Sarthe〉とウール・エ・ロワール〈Eure-et-Loire〉の一部を含む/より限定された「カルヴァドス・ペイ・ドージュAOC」〈Appellation Calvados Pays d'Auge contrôlée〉の地区はカルヴァドス県の東端と、その幾つかの隣接地域に限られる/マンシュ〈Manche〉県の一部などを産地とする「カルヴァドス・ドンフロンテAOC」〈Apellation Calvados Damfrontais contrôlée〉もある
ここは危ない箇所は無かったと思うのですが、今読み直すと稚拙ですね(加筆するかもしれません)
全編改稿作業で修正 2024.09.08