25.ありふれた冒険者達の赤裸々な事情
「ほら、ちゃんとパンツ履いて、淑女はそんなみっともない格好でフラフラしない」
コンパートメントのシャワーは、ちゃんとお湯は出るのはいいのだが如何せん狭い。脱衣スペースが狭苦しいものだから、この子はいつも浴びた後は裸のままウロウロしてしまう。
備品のバスタオルで拭いてやりながら、毎回お小言だ。
「ちゃんと、耳の後ろとか洗ったろうね?」
列車の旅の間、朝のお祈りと食後の歯磨き、日に一度の入浴を習慣付けていた。
西ゴートの冒険者ギルドに目を付けられたかもしれない私達は、このまま相手が待ち構えているかも知れない帝都には入らずに、途中下車することに決めた。
いつもは就寝前だが、手前の工業地帯の駅に着く前、この子に列車の旅では最後になる朝のシャワーを使わせたところだ。
山窩だった母親の出自、ツィゴイナー族の民族衣装とされる細い毛糸の帽子をステラ姉が、この子のために編んでいた。耳当てがあり、頭頂の二つの尖り部分に赤い房飾りがある。
一編み一編みに加護を籠めて仕上げた帽子が、降りる前に出来上がってよかった。ステラ姉が、身支度を終えたこの子に手ずから被せてあげた。
「うん、良く似合ってる」
キキは、褒められたことと、手作りの帽子に感謝して嬉しそうにはにかんだ。
「ステラ母さん、ありがとう、大切にする……」
多彩な模様で編み込まれた帽子には、トンパ文字で薔薇を意味する意匠が織り込まれている。
ローザ・アルティプラニシエのローザは、薔薇のローザだ。
キラキラネームという訳ではないが、どうもご両親は自国語以外の名前をつけたかったようだ。
師匠との修行時代に、海の向こうのオケアノス湾を訪れたとき、他国の造船技術の高さは目を見張るものがあり、正直シェスタ王国はまだそこまでに至っていないと感じた。
同じようにして、産業革命を国の施策として強力に推し進めるここ西ゴート帝国にも大きく後れを取っている。
隣国ながら、異世界からの勇者召喚という有乎無乎の切り札しか持たなかった、さらに言えば将来を見据える官僚に恵まれぬ無能なシェスタ王朝は、おそらく工業化文明という新たな波に乗り遅れ早晩衰退していく運命だろう。
火薬自体の製法や銃器の知識は我が国にも伝わってはいるが、軍需産業が台頭する西ゴート帝国に肩を並べるなど、どう逆立ちしてもあり得ようが無かった。
兵器の量産体制は、ボルトアクションの軍用ライフル銃を大量に供給し、以って軍事上の用兵思想を刷新した。
西ゴートの銃器メーカー、ブランキ・ファイアアームズもこの製造業誘致都市圏にある。
製糸、紡績、鉄鋼、精錬、製紙や旋盤といった最新技術の立役者にして、帝都の衛星都市として名を馳せるアーリントンの停車場、アーリントン・セントラル駅に降り立った。
ホームには、相変わらず出家僧の姿をした坊さんが多かった。
一体、この国の何パーセントが坊さんなのだろうか? 産業革命と托鉢思想が混在している西ゴート帝国という国が、私にはふと怪しげな異界に思えた。
「社会科見学だ、ちょっと工場見学していこう」
パリッとした制服姿で寄ってくる駅職員のスチュワードに、運ぶ荷物は無いからとやんわり断って、改札へ向かう。
プラットホームを覆う見事な鉄骨構造のトレイン・シェッドを、キキは首が痛くならないかと思われるほど仰ぎ見ていた。
旅客路線のターミナルから中央コンコースを駅舎まで結ぶ天蓋は、それだけで壮麗なオブジェクトだ。
使われた硝子も総て、ここの工場で作られたものだろう。
遠くに貨物専用の荷役場が望め、荷馬車や荷車がそれぞれに石炭や綿花などの燃料、原材料を運び出すのに、まるで蜜に群がる働き蜂の如く、ごった返しているようだった。
多分、国内の炭鉱や、属国あるいは植民地などから集められてくるのだろう。
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ブランチを兼ねて、アーリントン・ブルワリーなる黒エール工場で昼間から飲んだくれた。サービスの一杯の他にも金さえ払えば、呑み放題の食べ放題、実に太っ腹な醸造所だった。
定番の各種ソーセージの他、タパスという小皿料理が摘まめる。
片口鰯の酢漬けや海老のアヒージョ、クロケッタという生ハム入りクリームコロッケ、ハモン・セラーノという白豚の生ハム、蛸の煮込みパプリカ風味、ローストポテトのピリ辛ソース和え、その他色々満喫した。
「ほら、この熱々のアイスバインも美味しいよ、食べやすく薄く切ってあげる」
こういう時、何かと面倒見たがるエリスが、塩漬け豚の臑肉を煮込んだ料理をキキに取り分けていた。
次に訪れた紡績と織物工場の機械織機が延々と並ぶさまも見事なものだった。
「すごいすごいっ、こんなに沢山いっぺんに反物が織れるなんて、あたし知らなかった!」
この子が感動してくれるなら、産業観光も悪くないが、既に模様を織り込めるジャカード織機が稼働していた。
大きな輪転機の回る印刷工場では、まだグラビア印刷の技術だったが、驚いたことに雑誌などとは違う本格的なハードカバーの装丁と製本の機械があった。
これにより、女神教の分厚い祈祷書なども飛躍的に増刷、量産できるようになる。
鉄鉱石から銑鉄を取り出す高炉が立ち並ぶ製鉄所では、モクモクと煙が棚引いて大気を汚染していた。
キキが顔を顰めて、鼻を押さえる。
「こればかりは仕方ない、人類が環境保全という価値観を持つのはまだ、当分先のことになるだろう……興味があるなら、産業革命が齎らす弊害について、私が講義しようか?」
キキにはまた今度、と断られてしまった。
その晩は、フォンダコと呼ばれる商人特区の客人館に紛れ込んで泊まった。Bed & Breakfast方式だ。
商品倉庫や税関、取引所などが併設されていて中々物珍しく得難い体験だった。
翌朝、夜明けの祈りを捧げるため屋上に出てみると朝早くから竹竿を干す一家がご近所に見受けられた。
宿を引き払った後に覗いてみると、竹細工の伝統工芸を引き継ぐ家内工業の工房だった。話を聞くと竹細工のマイスターだという。
ちょっとズルをして(勿論魔術を使ったのだが)、皆んなで1時間ほど弟子入りをする。
産業技術が発達しても、こういった職人の技が廃れない世の中であって欲しいものだ。
しかし勇者チームの一行として嘗て訪れた頃よりも、アーリントンは更に発展していた。あの時は見えていなかったが、西ゴート帝国は近隣諸国に比肩し得ない力を手に入れつつある。
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再び、アーリントン・セントラルの駅舎にやってきていた。
在来線のコンコースの一角に軽食を供するダイナーがあったので列車待ちに時間を潰していた。
窓に面したカウンターでハイスツールに腰掛けているが、なんだか不自然に高い。別に西ゴート人の平均身長が高いという訳では無いらしく、足を乗せる真鍮のバーがあるので、こういう仕様なのだろう。
帝都シャグランダムールの駅で待ち受けているかもしれないギルド協会の手の者を避けて、一日遅れで都入りしようというのだが別に歌姫との約束を律儀に守ってやる必要もないなという気になっていた。
「面倒臭いな、やっぱバックれちゃおうよ」
隣で大人しくクラムチャウダーを食べているキキが、じっと物言いたげに見上げてくる。
「……わかったよ、大人は約束を守る」
「わぁ、凄いですね、Aランクパーティなんですか!」
エリスが興味本位で、偶々隣に座った冒険者らしい四人組に話しかけていた。
(エリス、不要な接触は避けた方がいい)
(大丈夫、大丈夫、こいつら、それほどレベルは高くないから)
「それで、お仕事が終わって、シャグランダムールのギルド協会に報告に戻るところだと……良かったら、ご一緒できません? 私達もギルド協会に用があるんですよ」
高ランク冒険者は普通、お高く留まって下位の者を蔑ろにする輩が大多数なのだが、このパーティはそうでもないらしく快諾されてしまった。
気さくな連中だ。
乗車ホームに向かい、歩きながら話を聞いていた。
店での自己紹介では、彼等は“金獅子クルセイダーズ”というAランクに昇格して2年のベテランパーティらしい。
リーダーは矢鱈がたいのいい男で胸板厚く、猪首の頑健な印象からタンク役かと思ったが、前衛のアタッカーだという。
コナン・ロゴダイルと名乗った暑苦しそうな男は、黒光りするお洒落なラメラーアーマーの下に紅く染めた革鎧を着込んで、腰に両手剣を手挟んでいた。
丈夫な顎の鰓が張った四角い顔は、真っ直ぐの鼻梁に横真一文字の古傷が引き攣れていた。
女性が二人いたが、ぽっちゃりグラマラスな印象の方が格好からして魔術師だった。見た目通りなら多分私たちと同じ二十代だ。
リンティアという女は、細長い眉とパッチリした目が男好きする、やや頬骨の盛り上がったキュートな顔立ちだ。
化粧で誤魔化しているが、薄い傷跡が少なからず残っているので、それなりに厳しい人生を送ってきたのだろう。
日に焼けて灰色になった魔術師ローブの下に、なんの鱗かよく分からないスケールメイルを着込んでいる。豊かに波打ち背中まで垂らされた干し草色のブロンドを、猿面頬のような兜で押さえていた。
在来線のホームに巨大な動輪を持つ機関車が入線してきた。
煤煙で煙突が真っ黒に煤けている。
座席は向かい合わせのボックスシートだった。真ん中の通路を挟んで私達と、冒険者の四人とで別れて座る。
ピアッシングというもう一人の女は、弓使いで斥候のようだ。体毛の濃い獣人族だった。顎が発達した捕食系の猛獣の係累らしく、美人なのだが多少出っ歯だ。
職業柄、重装備を嫌うのか毛皮のハイドアーマーと軽装で、ボタン留めと鳩目革紐編み上げのスパッツ型ゲートルで脛を覆う他、腿は剥き出しだった。
気になったのは鞣革のような肌が、所々引き攣れたようなケロイドの名残りがあり、顔も額や揉み上げの濃く黒っぽい体毛の境目に見て取れた。
造りが美人なだけに目立ってしまう。
僧侶服の男は教会に属している訳ではなく、聖属性の回復役と防御担当のジョブ、強化モンクの装束だろう。殴り僧侶なのだろうか、鋼鉄の六角棒を持ち歩いている。トンスラと言って頭頂部を剃り上げる髪型をしているが、女にモテそうな、ジゴロみたいな面相だ。ティモシー・ソーンダイクと名乗っていた。
「皆んな一緒なんじゃないかな? 冒険者の貞操観念なんて曖昧なもんだから、くっ付いたり離れたり、男と女がいて性欲が枯れない限り変わらないと思うよ」
エリスが、何を思ったか男女混在チームの恋愛観について訊き出そうと企んでいた。
けたたましい汽笛を鳴らしガタゴトと激しく揺れる列車は一路、帝都を目指しているが、流石にシャグランダムール急行の乗り心地とは段違いだった。
(エリス、やめなって、興味本位で人様のプライバシーをほじくり返すのは可哀想だよ)
(でも、冒険者の男女の生態って今まで知らなかったし、それにこいつら人非人の匂いがするよ?)
すでに、エリスの誘導尋問は言霊に強制力を載せた魔術として、このありふれた冒険者一行を絡めとっていた。
「こんな商売だから、いつ死ぬかも分からない、請負ったオーダーで戦闘になる前は気持ちも昂る、俺達は互いの身体を慰め合って気持ちを鎮める」
「こう言うのも何だけど、生き残って高ランクに登った冒険者は何らかの凄絶な目に遭ってるんじゃないかな? それなりに誇りはあるけれど、割とやくざな商売には違いないと思うよ」
「そりゃあ色々とあるわよ、色々とね……今じゃあ貞節がどうのと言ってられるほど、清い身体じゃないし、お嬢ちゃんでもないわ」
「あたしは最初、ティモシーと番いだったが、婚姻したのはコナンだったし、リンティアは逆にコナンの女だったけど、ティモシーと一緒になった」
「最も、今でも元鞘同士で浮気のセックスを楽しむけどね」
「冒険者の方って、よく男女間の痴情で身を持ち崩す方が多いって聞きますけど、さぞや大変なんでしょうね?」
「そりゃ、長くやってれば悲惨な目に遭うこともあるし、廃業する者も多いけど、私達みたいに運良く生き延びれば上を目指すこともできる……悲しい傷は無くならないけれど、今が充実していれば過去は段々薄れていく」
「私はね、メイト公国っていう小国の出なの……」
リンティアという魔術師職の女は、請うてもいないのに勝手に自分の生い立ちを語り出す。完全にエリスの心理操作の術中だ。
「地元の魔術学院の修士課程を終えた私は、幼馴染みのケイトって格闘家志望の女の子と、剣士職として将来有望だったアキュラと一緒に地元のギルドで冒険者登録をして旅に出た」
「アキュラは、私の初体験の相手だった、なんとなく将来一緒になると思っていた、好きだったんだと思う」
Eランクのビスマス(蒼鉛)クラスの冒険者として、薬草採取や街の溝掃除などをして地道に日銭を稼ぎ、やっとギルドの有料初心者講座を受けれるようになる。訓練は厳しかったが、将来の為と歯を食いしばって耐えた。
特に実戦訓練の講師だったロマノフという退職冒険者が、何くれとなく親切にしてくれたが、他人の悪意に疎かった私は随分後になるまで、その下心に気がつかなかった。
ある日、選択授業の魔力操作の訓練を終え、ヘトヘトになって定宿にしていた木賃宿に戻ると、恋人だと思っていたアキュラとケイトが素っ裸で抱き合っていた。夢中で口を吸い合い、気持ちいいと互いに言い合っている。
目の前が真っ暗になった私は、二人の言い訳を聞く間も無く宿を飛び出していた。折り悪しくというか、後で考えると待ち受けていたロマノフ講師に道端で出会った。
完全に不幸のドン底のつもりでいる馬鹿な私に、ロマノフは語り掛けてきた。
何も彼もロマノフの筋書きなのに、一番頼りにしていた仲間に裏切られたことが頭からこびり付いて離れない私は、問われるままに見てしまった事実を吐露してしまった。
「後で知ったんだけど、ケイトは既にロマノフに犯されていたの、でも、まとわりつくようになったケイトが邪魔になって、アキュラを操ってケイトと関係を持たせた……何も知らないのは私だけ、笑えるでしょう?」
思えばこの頃から、ロマノフの裏スキル、チャームの魔術に取り込まれていたらしい。
この男の、復讐しなくちゃならないね、という悪魔の囁きが私の憎しみの燠火を煽り、燃え立たせた。
二人が裸で愛し合っていた現場を目撃してから3日目の朝、私は覚えたての風魔法で二人を切り刻んだ。
子供の頃から幾年かを一緒に過ごした、大切な幼馴染みだった筈の同郷の二人を、この手で殺した。
犯してしまった罪に何も考えられなくなった私は、ロマノフに抱かれた。ロマノフという男は、女の身体を責め苛むのが好きだった。
不祥事がバレてギルドを追われた性犯罪の常習者は、薬漬けにした私を連れ回すだけ連れ回し、飽きると奴隷商人に私を売った。性奴隷として変態の金持ちの間を転々として、ようやっと正気を取り戻した私は逃亡した。
今も正式な身分は、多分逃亡奴隷だろう。
身体が癒えても、心は癒えることはない。訪れた教会の告解室で、罪の誤ちを告白するのに、まず手に掛けてしまった幼馴染みのご両親に謝罪すべきだという諭しに従って、何年振りかで国許に帰郷した。
「覚悟はしていたけど、自分の子を殺された親御さん、私の両親から非難轟々、結局私は親子の縁を切られ、泣き叫ぶ彼等は私の顔と身体を切り刻んで怨みを晴らした……」
「私の本当の名前はティア・イスライール、家名を名乗ることは許されていないけれど、私の村の風習でね、墓石に掘る死人の戒名には頭に“リン”を付けるの」
「今名乗ってるリンティアっていうのは、ほんとはね、“死んでしまったティア”っていう意味よ」
親達は切り刻むだけで、私を殺めようとはしなかった。殺してしまえば、お前がうちの娘、息子にした仕打ちと同罪だと言って、薄く皮膚一枚、浅く刃先1cmほどの傷を付ける。
回復魔法を使えばそんなものは治ってしまう傷だが、それでも三日三晩続けば気力は根刮ぎ奪われてしまう。各家族が交代で切り裂くものだから、今も消えない傷が残ってしまった。
身動きできなくなった私は、両親の手で村外れの崖から放り投げられた。不甲斐ない馬鹿娘への、激しい両親の怒りを知った。
当然の罰かと思えば、涙も出なかった。
「そのまま死んでしまっても良かったけど、全ての元凶、ロマノフだけは生かしてはおけなかった、探し出し残酷に殺す復讐の旅で私は最初の旦那、コナンと知り合ったの」
結局、故郷への贖罪は死を持って償うことなく、今ものうのうと生きている。
「俺の場合は、逆に殺してもいいだけの甚振りを故郷の幼馴染みに受けた……女だけどな」
リーダーの剣士が話し出した。何なんだこいつら、揃いも揃って幼馴染み不幸自慢かよ?
「ところで、あまり楽しい話じゃない、お嬢ちゃんみたいな子供は聞かない方がいいんじゃないか?」
キキを気遣った厳つい男に、ニッコリ笑ってうちの子は返した。
「全く大丈夫ですっ、心配頂いてすいません」
“全く”を必要以上に強調しないように気を使っていた。
「……そうかい、ならいいんだけど」
鑑定眼を使って無害なのを確認しそのままにしたが、男は雑嚢から蜜柑を取り出して、キキに差し出した。
お行儀良くお礼を言うこの子に、殺伐とした人相を笑顔に変えて頷くと、身の上話の続きが語られる。
「俺の生まれ育ったのはカムランの森の近くの村だ、カムランと言うのは俺達の地元で小手毬とか鈴懸のことだ」
隣りに住んでいた同い年の娘と、正に手を取り合って近くの町まで行き、田舎道場での稽古に励んだのが10歳からだから、かれこれミーナとは5年ぐらい同じ釜の飯を喰った。
成人を迎えると同時に、俺とミーナは一旗揚げるべく村を出た。
俺は次男だし、ミーナの家は貧乏だった。実は剣をやろうと思ったのも、冒険者になるためだった。
「ミーナは笑窪の似合う可愛らしい娘で、俺は惚れていた」
最初は二人でお決まりの採取や遺跡発掘の依頼をこなしていたが、懇意になった退役冒険者の勧めで有力なパーティに入って経験値を上げようと思った。
その頃の俺は今と違ってひょろっとしていてな、膂力でミーナに負けるほどだった。
もう名前も思い出したくない7人組のパーティに迎え入れられた時は、小躍りして喜んだものだが、とんだお人好しだった。
一月にも満たないうちにミーナが余所余所しくなった。環境の違いで戸惑っているのかと思ったが、この時には既にボスとできていたんだろう。
ここに至るまで全く気がつかなかったが、ミーナはどうしようもなく好色な女だった。
パーティの7人の男全員に抱かれていた。
俺がお払い箱になる晩に、現場を見せられた。ミーナはパーティの男全員と絡み合って、俺を嘲笑いながらくぐもる嬌声で淫らに雄叫んでいた。快楽に歪む顔は、俺の知っている笑窪の似合うミーナのものではなかった。
怒りに沸騰した俺は掴み掛かっていったが当然返り討ちになった。用無しになった俺は手の指十本を全て折られ、唾を吐き掛けられた。
ミーナも俺の指を折り、唾を吐き掛けた。生まれた時から一緒に育ち、こいつといつ迄も一緒だと思っていた脳天気な俺の人生は決定的に終わった。平気で俺を裏切るこの幼馴染の薄汚さを見抜けなかった自分を、俺は呪った。
ミーナは最低の女だった。
全てに絶望した俺は、必ずや復讐を成し遂げると誓った。
「一年だ、一年俺は必死で己れを鍛え直した、悪魔に魂を売ってもいいとさえ思った俺は、怪しげな薬や運動能力強化の呪具……金で買えるスキルがあると聞けば盗みや犯罪で対価を用意したりと、兎に角何でもやった」
復讐のために罠を張った。撒き餌のダンジョンに食い付いた嘗てのパーティを残忍に殺した。なるべく屈辱的な方法で、苦痛の長引く殺し方をしたが、ミーナだけは生け捕りにして帰った。しばらく見ぬ間にしどけない格好をする淫売に、ミーナは堕ちていた。
俺は全財産を叩いてポーションを買えるだけ買い漁った。
幽閉したミーナを痛振れるだけ痛振った。死ぬ前にポーションで復活させながら、そんなことを一週間は繰り返した。
泣いて許しを請うミーナに、唾を吐きかけるのは爽快だった。
謝るぐらいなら最初から裏切るなよ、と言ってやったら“気の迷いだった”と吐かしやがる。どの口が言うんだと、焼き鏝を口に突っ込んでやったら小便を漏らして気絶しやがった。
俺は全ての過去と決別するために掻き切ったミーナの首を持って、ミーナの実家に行った。
ミーナと言う最低の裏切り女を生んだのがこいつの親のせいなのかどうかは分からなかったが、これが復讐のけじめだと思った。寝静まった親の家にあらかじめ切り取ったボスの陰嚢を口に突っ込んだ首を投げ入れ、もう二度と帰らないと決めた故郷を後にした。
「何度も根気よく通ってな、指の治療に治癒術士に幾ら払ったか忘れたが、右手の小指だけは、いまだに曲がらなくて、剣を握るのに柄に工夫した……冒険者を続けていくのなら、握力に不安があるといざと言うときにしくじりそうだ」
「あたしは皆んなと違って、最初から冒険者だった訳じゃない」
「出身はボロディン共和国の難民キャンプだ、当時、国の政府は移民施策に失敗して、あたし達ライカンスロープのコミュニティを山岳地帯に閉じ込めて弾圧した」
「口減らしに、あたしは幼いうちに娼館に売られた、牛や馬並みの端金だったと思う、禿の頃から房中術を仕込まれて、見世に出たのが初潮がきて何年もしないうちだったんじゃないかな」
遠い目をして語り出すピアッシング、仲間内では通称ピアスと呼ばれるこの女弓使いに依れば、今でも房中術の腕前は五斗米道系の陰と陽を操る氣功技で相手を極楽浄土に誘えると豪語する。
女の相手もできるらしいが……勝手に喋ってくれるので素性を探りもしなかったが、それにしてもライカンスロープだったとは。
丙午の年の中秋の満月の晩、狼女の身体は突如として盗賊系のスキルに目覚めた。
一族の係累にはよくあることで、後天的に発現するスキル取得があるのだが、一族の秘密とされていた。
こっそり試してみると、かなり使える能力だった。
客の寝物語に聞いたことがあったが、ダンジョン探索系の冒険者には結構、重宝がられるスキルだったのを思い出し、他の生き方が出来るかもしれないと、独り苦界を足抜けした。
娼妓の年季奉公など、どうせ端金の前借だが、当時上玉になりつつあったピアスは妓楼にとっても見逃せない金蔓なので追っ手を差し向ける。忘八の男衆が執拗なのは知っていた。
ライカンスロープの人相は変えにくい。例え、整形術をしたところで遺伝子がもとの造作を覚えている。
不死身の肉体再生能力と共に、整形した顔も戻ってしまう。
身体を報酬に、闇医者の間を転々とし、何度も顔を変えた。
お蔭で今でも手術痕が残ってしまう面相になった。怪しげな顔だったが、不必要に追及はされない。
「やがて偽の身分を手に入れたあたしは、晴れて冒険者ギルドに登録した、逃亡生活一年後だった」
暫くして知り合ったメンバーとパーティを組むようになる。今と同じ男女四人の混成チームで、成り行きからリーダーの男とわりない仲になった。
遊びのつもりだったがリーダーはどうやら本気のようで、結婚を迫るようになる。家庭を持つなど当時はどうでもいいことだったので、自分の過去、自分の正体をリーダーの男に打ち明けた。
諦めて貰う心算だったが、逆上したパーティリーダーは、忘れていたが、お貴族の三男様だった。
謀ったとして、謂われのない報復の奸計に嵌まった。
混濁の劇薬を飲まされ、薬漬けにされ、ドサ回りの見世物小屋に売り払われた。
見世物小屋では捕獲されてきたホブゴブリンの相手をさせられた。体毛が濃かったことから“狼女の交尾”と銘打って巡業をするのに、正気を取り戻したのは半年後だった。
「普通だったら月の満ち欠けで状態異常から復活できるのに、あたしを売った男は、ご丁寧に弱点の銀の首輪であたしを縛り、理性を失う劇薬を与え続けるよう売却先に仕向けた、お蔭であたしは獣のように檻の中で寝起きする暮らしだった」
初めてのパーティ、初めての冒険者活動、割と気に入っていた。
別に憧れていた訳でもないけれど、最初から手酷い洗礼を受けてしまったお返しに、人知れず復讐を成し遂げた後、
「あたしは、ティモシーと知り合った」
「私は幼馴染とかのしがらみはありませんね、生来孤独でした、私の術の師匠が男色家でね、随分お世話をさせられました、人嫌いになったのもそのためだと思います」
人が信用できず、人を寄せ付けない、ソロの冒険者だったが、随分と心に傷を負った風情のピアッシングという女が、同類相哀れむと言うか何だか妙に気に掛かる。
尊師との蔭間の呪縛を逃れてからこっち、汚れた身体を洗い清めるようにして色街で女を抱き捲った。だが、分かってはいたが決して心が癒されることはなかった。
ピアッシングという女は何か、自分と同じ不幸な匂いがして、目が離せなくなった。
女の方から抱かれにやってきて、そのまま離れられなくなった。
回を重ねるごとに、もっと深く結びつきたくて普通じゃないことも沢山やった。応えてくれるピアッシングを深く愛していた。
「あたしとティモシー、リンティアとコナンのカップルが偶然出会って、似た者同士、同族の匂いを嗅ぎ当てたら、自然と四人で活動するようになった」
「そのうち雑魚寝の野営で相手を交換するようになって、ねちっこい愛撫の好きな私がティモシーとくっつき、乱暴にされるのが好きなピアスがコナンと一緒になったの、ちゃんと入籍もしたのよ」
「もう相手に裏切られるのはご免だが、相手を満足させていれば大丈夫かなって安心感はある、俺は技巧派じゃない、だから夜は必要以上に頑張る方かな……」
厭きれ返るが、身に抓まされる話だ。
冒険者というのも、見た目の派手さほど楽な商売でも、綺麗事を言ってられる商売でもなさそうだった。
幼馴染を裏切るということは、相手にとっては相当に臓腑が煮え繰り返ることなのだろう。
想像もできないが、あの虫も殺さなかったソランも人格に障害を起こしたりしてるのだろうか?
私達が原因とは言え、急に心配になった。私達がソランにしたのはもっと非道いことだったような気がする。思い出しても胸を掻き毟られるほどなのだから、きっとソランの方は何倍も惨めな気持ちだったのではないか?
(ステラ姉……、ソランは大丈夫だと思うか? やっぱり一度見に行った方がよくないか?)
(問題無い、ソランは大丈夫な筈、ソランは大丈夫、ソランは大丈夫、ソランはだいじょうぶ……)
ステラ姉が大丈夫じゃなかった。
「お盛んで羨ましいですね、いつまでも仲睦まじく、お幸せに」
適当に社交辞令を言っておく。どうせ、この遣り取りは彼等の記憶には深く残らない。私達の姿さえ、地味な中年で肥満気味の巡礼女に見えている筈だ。
(ねぇ、冒険者って、皆んなこんな奴らばっかなのかな?)
自分から仕掛けておきながら、エリスは心底憤慨していた。エリスの貞操観念は鉄のパンツのように固い。まるで犬、猫のようにくっついたり離れたりといった冒険者事情は、とても容認できるものではないだろう。
(あたしは、もっと悲惨な宿業と罪を背負って仕舞った人達を知っている)
キキが私の手を握ってくる。
(……誰のことを言ってるのか、分かる気がするけれど、あまり嬉しかないねえ、不幸自慢を褒めそやしてもねえ)
キキの母親になるにつけては、私達の過去の過ちを包み隠さず教えている。
何も知らぬ存ぜぬで聖人君子面のまま、人の親になるのは卑怯と思ったからだ。
「どうも歌姫様は、いつかは魔王を自分の手でと、叶わぬ野望を秘めていたんじゃないかって思われてる、……そんな節がある」
「そうそう、それでどうやら何百年振りか、何千年振りかで魔王が討ち取られたって聞いたもんだから、もう大変よ」
「直々、対魔族連合軍の本拠に乗り込んでいったみたいよっ」
「盟主のユーゲント・サミュエルに捻じ込んで訊き出したのが、“3人の御使い”の話よ」
(あのジジイ、やっぱ殺っときゃ良かった……)
お~い、エリス、遠い目になってるぞぉ。
聖シャグランダムール中央駅を降りて、庁舎街を東に進んでいた。
それなりに風格のある建物が多い。
キキが物珍しくて、キョロキョロしている。この位の年頃は何を見ても新鮮だろうな……穢く濁る醜い人々の心の中さえ覗かなければ。
ほらほら、屋台のクレープ屋は寄らないよ。
(指はくわえない! 行儀悪いぞっ)
私達は普段はゴミ屋ギルドでお仕事を頂いてるが、帝都では下水掃除が結構金になると聞いたので、下水道の管轄の冒険者ギルドで鑑札を頂きたい……程度の理由で一緒の道行きをしていた。
「戦神ドロシーっていうのが、“3人の御使い”の中で一番の無茶振りをするらしいのよ」
「何でも悪辣なウォーハンマーの使い手で、闘いに逆上せると敵も味方も見境無いらしいぜ」
「本当なんですかぁ? だって、根も葉も無い噂なんでしょう? 味方までやっつけちゃうなんて非道い話ですねぇ」
まぁ、何を言われようと覚悟はしていたが、外道みたいな扱われようだ。
「まったくだわ、冒険者ギルドに属さない戦士なんて所詮モグリも良いとこよね、剣士職の風上にも置けない……協会長のハバネラ様の爪の垢でも煎じて欲しいわ!」
どうも冒険者って奴等は、下積みから這い上がってくるせいか、自分らが一番優れてるっていう手前勝手な自尊心を持つ手合いが多くて困る。何故か実力も自分達の物差しで測りがちだ。
「ハバネラ様って、帝国ギルド協会のトップなんでしょう?」
「そうよ、西ゴート冒険者ギルド協会連盟は“3人の御使い”をペルソナ・ノン・グラータに指定して、身柄拘束と国外強制退去の対象にした、一応協会議決の体裁になってるけど、全てはハバネラ協会長の差配よ」
「話してるうちに着いたわね、ここが帝都シャグランダムールのギルド協会本部、“守護獅子神殿”だ」
何かを祀っているという訳ではないが、それは正しく神殿と呼んでいいほど荘厳な建物だった。広大なメイン・ファサードの階段は建物一階分ぐらいの高低差はあるんじゃないか?
守護ライオンの立ち姿の巨大な銅像が、階段を登りきったエントランスの両側にあったが7基ある大きな回転扉を隔てているので、その間は50メートル以上あった。
入り口をくぐると、ここも巨大なアプローチスペースとして冒険者と思われる人々でごった返している。剣士、魔法職、斥候、盗賊、回復役、運び屋、拳闘士、盾役、重騎士、弓使い、アサシン、狙撃兵、風水師、ティマー、ネクロマンサー、退魔士、有りとあらゆるジョブの冒険者だ。
我が強く、剥き出しの俺様属性の者ばかりだ。通常人より主張の強いものが参集しているので(中には屑もいて)、渦巻く醜い心が反吐を吐きそうなほどだった。
「他の国の大規模ギルドでは、効率を考えた番号札や専門窓口制にしているのに、わが国の中央ギルドは頑なに順番待ちをする仕組みを変えようとしない、唯一不満な点だ……Aランクのクエストをこなしてきた我々も、同じように並ばなければならない」
在来線駅のダイナーで知り合ったA級パーティは、列の最後尾に並ぼうとしていた。
「どうした? ゴミ拾いの仕事を貰うにしても冒険者登録はしなくちゃならんぞ、一緒に並ばんのか?」
リーダーの剣聖スキル認可持ち、鼻に古傷のあるコナンが親切に教えてくれようとする。
「そうですね、ちょっと、面倒ですね……露払いしましょうか?」
私の声はもうほとんど素のままだったので、同道した4人の怪しげな視線を集めてしまう。
私は本来気が短い。認識疎外の術式を解除していた。
黙って順番待ちするのは、どうしてもと言う場合に限られる。
騙すつもりで騙していた訳じゃないが、道案内の4人は私の真の姿を認めた。巡礼の白緞子のマントこそ着ていたが、プラチナ色の曇りひとつ無い甲冑を纏い、高電圧の雷雲の如く武張る闘神の姿だ。
真の強者だけが持つ破格のオーラに、危険な気配に鋭い冒険者共、ここにいる一律全員が何事が起こったのかと振り返るが、見てはいけないものを見てしまった反応で、皆が皆蒼い顔で後退る。
「楽しかったよ、親切に案内してくれてありがとっ、また何処かで会おうね、“金獅子クルセイダーズ”の皆んな!」
人見知りする昔のエリスは何処に行ったのか、知り合って、秘密を暴き出してしまったパーティに気軽に声を掛けていた。
多分、エリスの術中に捕われなければ話すこと漏らすこともなかったろうが、法の枠さえ逸脱した彼等の罪は他人に知られていいものではなかった。
本当のエリスの姿を見たA級パーティは、その絶世の美女振りとビキニ・アーマーから垣間見える変転する真層呪装の異様さに、一様に魂を持っていかれていた。一様に怖気を震い、その人外の美しさに慄いていた。
どうやら私達がくだんの“3人の御使い”と気が付いたようだ。
「………言葉も無いな、一緒にいてもまるで気が付かなかった」
「夢を見ていたの? そういえば、過去の秘密をぺらぺら喋っていたような気がする………」
「嘘だろ、見たこともねえ天上人の如き神々しさに掛け値無しに涙が出そうだぜっ!」
「これが、“3人の御使い”かっ、善き者なのか悪しき者なのか以前に次元が違う……まるで戦女神が降臨しているようだ、リーダー、あたし余りにも神聖な闘気に跪きそうだよ」
唖然とするパーティを尻目に、一歩を踏み出すとまるで潮が引くように人垣が割れていった。気圧されていると分かっていても、踏み止まれないようだ。
辺りを気にもせず、真っ直ぐカウンターに進む。
「取り次いではくれまいか? 約束通り、旅行者が顔を出したと」
予想したように受付嬢は、あらかじめ言い使っているのだろう。気の毒なぐらい必死に頷き続けた。
悪気は無かったが職員用の通用口を使うも業腹で、案内を請うも請わぬもどちらでも良かったが、待たされるのだけは願い下げだった。
虐めるつもりは更々ないので、ごく優しくお願いした。
「あまり我慢強くないので、出来るだけ早くお願いしたい」
ヒッと呻いた妙齢の受付嬢は、その場で泣き出すとバタバタと走り去った。泣かせる気は無かったんだがな……
中世の甲冑など調べていると割と格好良いので、ディティールを書き込みたくなるのですが、どうも細部がわかりません
資料を買うべきか迷いますね
A○azonでポチッとしたくなるんですが、後で奥さんに怒られます
山窩=定住することなく狩猟採集によって生活する民族/箕を生産することでも知られ、交易のために村々を訪れることもあった/職業の区別もあり「ポン」と呼ばれるサンカは川漁、副業的な位置として竹細工などをしていた/また「ミナオシ」「テンバ」と呼ばれるサンカは箕、かたわらささら、箒の製造、行商、修繕を主な収入源としていたとされる
トレイン・シェッド=鉄道駅においてプラットホームと線路を同時に覆う大きな屋根であり、トレイン・シェッドの下の空間を駅構内ホール〈ドイツ語: Bahnhalle〉とも呼ぶ
実用的な目的としては旅客を雨や風、直射日光などから保護することにあるが、それだけであれば各ホームごとに設けられた上屋でもある程度の機能を果たすことができる、トレイン・シェッドでは都市の景観や旅客の心理に与える影響も重視されている/特に19世紀のヨーロッパや北アメリカの大都市の主要駅では、巨大なトレイン・シェッドが競うように建設された
タパス=スペイン料理の様々なアペタイザーであり、冷製料理〈オリーブとチーズ混ぜ合わせ等〉または温製料理〈小イカフライ等〉がある
タパスは小皿料理なので会話をしながら食事をするのに向いており、またタパスを立食とする習慣がある国もある/スペインではバルによって無料で出すところもあり、店によってさまざまなものがある
スペインでは夕食は午後9時から11時の間で、夜中の12時を過ぎることもあり、仕事が終わってから夕食までの時間が長く、このためスペイン人は仕事を終えるとディナーの前まで「バルのはしご」〈スペイン語で「タパスに行く」、lr de tapas〉をしてタパスを食べる
バーや小さなレストランでは、通常ガラスの仕切りで覆われた保温機能のあるトレーに8〜12種類のタパスが用意され、タパスは通常ニンニク、唐辛子やパプリカ、クミン、塩、コショウ、サフランと、ときにたっぷりのオリーブ・オイルで濃く味付けされる/通常、アンチョビ、サーディンやサバのオリーブ・オイル漬け、しばしば赤または青トウガラシやその他の調味料で味付けされたイカ等のトマトソース煮などから成るマリスコス〈mariscos:魚介類〉が1皿以上ある/ほとんどの場合、タパスにはマンサニージャ種やアルベキーナ種など1、2種類のオリーブが含まれ、ソースベースのタパスには通常数種のパンが添えられる
アイスバイン=塩漬けの豚脛肉を、玉葱、セロリなどの香味野菜やクローブなどの香辛料とともに数時間煮込んで作るドイツ料理を代表する家庭料理であり、ベルリンの名物
ザワークラウトやジャガイモとともに供されることが多く、マスタードをつけて食べるのが一般的
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