07.蠱毒の世界見聞録
幾ら鍛えても、強くなっても、人の心は揺らぎ変転するものだと師匠は言う。
だが人としての感性を捨ててしまえば、それはただの機械、戦闘マシーンに成り下がって仕舞う。
だからこそ揺らがぬ心を、戦場での平常心を、ときには情に流されぬ冷徹な判断を持てるまで鍛えるのだと……
今更ながら、巻き髭導師が告白したことがひとつ。
師匠は私達の心理状態は言うに及ばず、リアルタイムで、今、何を考えているかまで、手に取るように分かるそうだ。
私達を鍛える上で、深層心理も含めたメンタルヘルスケアも健康管理の一環なのだとか……すべてが見透かされているのは気分が好いもんじゃないが、師匠の掌の上で、私達は丸裸も同然だった。
うんっ、知ってたよ! ……悔し紛れに強がって見せても、ちょっと滅入る。
「お前達がな、平凡な村の思い出を忘れて、色欲道に溺れたのもちょっとした心の隙間に付け入られたからだ」
「特に年頃の娘は、皆右へ倣えで快楽に囚われ易い……種の保存の為、子孫繁栄の本能的法則から生物学上の摂理でそうなってるかは別にしても、統計上のデータがそれを示している」
何処の統計だよ、と突っ込みたくなるが、凄惨な恥ずべき過去を背負った私達は顔を見合わせて唯苦笑するしかなかった。言い返せる筈もない。
決して、裏切りの過去が清算されることは無い、他ならぬ私達自身が鬼畜の罪を忘れられないからだ。
「誰にも負けない、何者にも惑わされない、強い心を作るのは大前提なんだが、一人ずつ対処療法もすることにした」
「エリス、お前には心の奥底に変身願望がある……」
「ずっと、此処ではない何処か、自分ではない何かへの漠然とした渇望がある筈だ、多分、それはエルフとして生まれついた種としての疎外感、違和感かもしれないし、長く優等生の仮面を被り続けて抑圧されたストレスの裏返しの、黯く深い破滅願望かもしれない」
「然すれば、卑怯で悪趣味な勇者の魅了にも容易くハマろうというものだ……」
想像してみたことも無かった。幼い頃から一緒だった遊び仲間だったのに、幼馴染みの仲良しだったのに、そんなに前から重い心の闇を抱えていたなんて。
夜間の魔術講座の息抜きに、師匠の魔宮殿にある私設図書館へ、借り出した本の返却と新たに借りる本の物色に来ていたが、師匠が少々重たい話を切り出した。
魂が幾ら強くなろうとも未だに思い出すのが辛い。日々の懺悔の祈りですら罪が軽くなることはない……無様な回顧を垣間見るのが苦しいのは同じ筈だった。ステラ姉と私だって決して許されることのない色畜生の外道地獄に堕ちた絶望を等しく歩んだが、エリスにはエリスだけの事情があるのだろうか?
本館棟4番ホールの12階で、本の背表紙やインデックスタグを見ながら、私達は円形回廊をそぞろ歩いていた。ジャミアスの一件があってから、スクロールを所蔵している一帯は立ち入り禁止になっていた。
あんな物の怪染みたものが、他にも居ると思うと図書館も物騒だ。だが、どうやらそれもこれも、何処にも安全地帯など無いと言う師匠の戒めのひとつらしい。
「エリス、お前……人間に戻れなくなっても大丈夫か?」
何をするつもりなのか、宙に浮きながらホールの巨大な吹き抜けに躍り出た師匠は、いつもの言語道断にして無謀無慈悲な訓練に誘うときと変わらぬ無表情でエリスに投げ掛けた……説明もないまま、下に向かい、何かを掻き回すように腕をくるくる交差する奇妙な仕草を始めながら。
「過去を踏み越えるのに必要なら、俺がお前の願望を叶える」
「これから世界線を渡る、行き着く先は、生けとし生けるものが変身し続ける稀なる世界、そこでは誰も彼もが己れの真の姿を見失った世界だ」
「己れを変えたいという願いが本物なら、飛び込め!」
いつの間にかホール下方に渦巻く異次元へと渡る混沌の竪坑が、大きく口を広げていた。いつもの強い意志を刷いた相貌を自信なさげな表情に変え、そしてその神秘的なエメラルド色の瞳を寂し気な眦へと変えたエリスは、おもむろに回廊の柵に登るや、躊躇いなくダイブする。
「愚図々々するな! 命ある限り、互いを見捨てないと誓った仲じゃないのか? 離される前に続けっ!」
「臆するのか? 決して挫けない強さと、これから先の贖罪に、生きる意味の答えを求めているんじゃないのか!」
師匠の叱声に我に返ったステラ姉と私は、遅れじと宙に身を躍らせる。
エリス、何処までも一緒だよ。
一度は仲違いして仕舞った私達だけれど、今は互いの為なら命を捨てても惜しくはないと思える。命に換えても、互いを守ると誓っていた。
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苦しい、呼吸が出来ない。ガボッと空気を吐く代わりに吸い込む大量の水に水中だと気付くが、パニックで天地の上下が分からない。
慌てて周囲を見回し、光の射してる方目掛け、親の仇のように必死で水を掻く。
「ハッハッハッハッハアッ、お前達は運が良い、こんな浅瀬の海に転移するなんて滅多に無いからなぁ」、高笑いする師匠は既にエリスの脇の下から腕を入れ、抱き上げるように半分水面から浮き上がっていた。
師匠は、空いた右手の人差し指を舐めると、風を読むように上にかざした。
「よしっ、一番近い陸地はこっちだ、掴まれ!」
そんなので、方向や地勢が分かる訳ないだろ!、浅い、浅いのか、水深数千尋はあるぞ?、他色々突っ込みどころ満載だったが、素早くエリスの腰に取り縋る。
ステラ姉はそんな私の背中におぶさるように、振り落とされまいとまるで首締めの要領でがっちりホールドした。その体勢は単純な絞め技じゃなくて、なんの拍子か完全にリア・ネイキッドチョークのフィギュア4だ。
ステラ姉、苦しい、苦しいよ。
真面に息出来ないってばっ!
エリスの太腿に獅噛つくのに必死で、ステラ姉の腕をタップ出来ない!
「「「ヒィイイイ――――ッ」」」
そんな私達のドジさ加減にはお構いなく、師匠は猛スピードで滑空しだした。
反射的に強化纏いの頸力で硬氣功を発気するが、間に合わず、風圧を諸に喰らった。そんな余裕は全然無かったが、異世界の潮風は意外と悪くない匂いがした。
「落ちるっ、落ちるからあっ!」「ぐるじっ、死んじゃうっ、首苦じい!」
「脱げちゃうっ、下脱げちゃううっ」
訓練を重ねるに従って、革鎧などライトアーマーを装備することも多くなっていたが、この日のエリスは寝間着代わりの臙脂色ジャージ姿だった。
掴まる私の所為で、パンツごと摺り下がるエリスは半ケツになっていたが、
……ご免、エリス、今そんな余裕無い。
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「ゼイ、ハア、ゼイ、ハア、……死ぬかと思った」
やっとのことで陸地に降り立った私達は、それぞれに這い蹲り、大の字に寝転がって無事だったことに感謝していた。
最後は殆どお尻丸出しだったエリスは、涙目で私を責めるように睨め付ける。
「なによっ、あたし達は四六時中発情した肉便器娼婦も顔負けのケダモノだったんだよっ、あんただって股座パックリ開いて見せつけるばかりかあっちこっちでズコバコしてたじゃない、お尻のひとつやふたつぐらい、どうってこと……」
「やなのおぉっ! もうヤらしいことなんかしたくないのぉっ、みっともなく裸を見せたり、誘ったりなんか絶対やりたくないのぉっ!」
「下腹が疼いたりなんかもしないのおおぉっ!」
「エリスはっ、エリスはそんな女なんかじゃっ!」
絶句だった。
望まぬ肉欲だったとは言え、この娘はこの娘で過去の淫らだった自分を断ち切りたいと考えている。エリスの潔癖は、どうしようもなく間違えて仕舞った私達の心の闇に射す希望の光のように尊く思えた。
「女の貞節はな、そんなことで価値を下げたりしない」
明後日の方向を見て髭を捩じっていた師匠は囁くような小声で、そう諭すとエリスに向き直り、私達の中では一番背の低いエリスの頭を、そのカメオ色の白い髪を撫ぜるようにして、形の良いエルフの耳が隠れないよう整えてやるのだった。
同時に私達にクリーンの魔法が掛かる。ビショビショに濡れた衣服と身体、髪の毛が洗われ、その潮気ごと取り払われる。
一瞬で身体が清められ、乾かされていた。
私達は3人で互いを抱きしめ合い、重く恥多き過去と決別する新たなる誓いを想って静かに泣いた。
巻き髭導師の大雑把さが招いた惨事(お尻丸出し)……と言えなくもない結果だと頭の片隅をよぎったが、それはそれで無かったことにしても好いなって誰も口にすることはなかった。
私達は唯黙したまま、自分達の心根、覚悟、友情、未来、正義、そして懺悔と贖罪、そんな想いに捕われていた。
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初めて踏む陸地は、遥か下方に小さな砂浜を抱いた断崖の上だったので、そのまま内陸へと進んだ。浜防風に似た何かの矮小な植物はやがてハマスゲなどに似た雑草に変わるが、何だろう、この違和感?
目の前に見えている森の木々が蠢いていると言うか、その輪郭全体が見ている間にも刻々と変化している。やがて、その理由が分かったが、なんなんだこの常識外れの人外魔境は!
樹々も草花も何も彼もが、その形も有様も常に変容して留まることが無い!
松の木が南洋の椰子に似た何かになったかと思えば、何の脈絡も無く突然次には欅へと、樅類へと変転し、大きさも高さも枝振りも一様では無い。かと思えば下草や蔓性の植生も、時には野薔薇に、時には巨大なハイビスカスに似た何かに、ジャカランダ擬きに、その無軌道な一貫性の無い変容は地域や気候を一切無視して、時に目立た無い羊歯類に、また派手な色の野生の偽カトレアへと変転していく。
何かの呪いだろうか?
「師匠、なんなんですか、これ?」
「……言ったろう、この世界では何も彼もが、今では無い自分を求めて常に変身し続けている、草花、樹木とて例外ではない」
「何か意味あるんですか、それ?」
「見果てぬ変身願望の成れの果てかな……、より美しい何か、より逞しい何か、より賢い何かになりたかった者達の亡霊さ」
脚元を何か小動物が駆け抜けていく。それは兎に似た何かを追いかける、コヨーテに似た何かだったが、見る間に捕食関係が逆転する。
追われる兎は大鷲に似た何かに変身し、コヨーテはアルマジロに似た何かに変身していた。二転三転、アルマジロは今度は黒豹に似た何かに変身すると、大鷲に似た何かは空へと飛び去った。
「弱肉強食も通り一辺倒じゃない、見た通り、この世界では食物連鎖も複雑で、普通の常識は通用しない」
「呪術の一種に蠱毒という邪法があったのを覚えているか?」
「……確か、厭魅の害虫、害獣を壺などで飼育して共食いをさせ、強力な呪術核を生み出す外法だったかと」、勉強熱心なステラ姉が覚えていた。
「うん、その巫蠱術を世界で試そうとした者がいたのさ、最強の何か、至高の何かを生み出そうと試みて……禁呪の変身紋まで解放してな」
「成功したんですか?」
「さあなぁ、それを今から見にいくのさ、神が待つか、悪魔が出るのか?」
言うと、師匠は垂直に飛び上り遥か上空に浮き上がった。遅れじと私達も後を追う……離されれば、げに妖しき異世界の魔境に取り残されて仕舞う、それだけは出来るだけ避けたい。
「この星の頂上と言うか中心に当たる因果の聖域に、生命の頂点たる最強の獣達が徘徊し、跳梁跋扈する守られた場所がある」
「今から、そこに転移するが……ドロシー、与えたクロノメーターは持ってきてるか?」、導師に貸し与えらた魔力の籠る懐中天測器を取り出して見せる。
「よしっ、この星の惑星系の恒星は……まっ、どのぐらい離れているかは自分で調べてみろ、絶対指標“ブルガ”を基点に真北に向かって角度34.78942度、黄分儀解析コード99875672地点に転移する、自力でついて来い、今は正午近い、正確な時間はクロノメーターが教えてくれる、ちゃんと来いよ」
そして私達は、置いてきぼりにされた。
「巻っきぃヒゲエエエ―――――ッ!」
「ね、ねぇ、本当にここであってるの?」、私の後ろに隠れるように背を縮込ませたステラ姉が続いている。エリスは後方警戒だ。
「何度も皆んなで確認したし、間違いないよ、そりゃ誤差は出るけどさ」
言ってる私も、あまり自信は無い。
密林だった。しかも四方八方が伸縮して迫ってくる。下手をすると行手の道が塞がれて仕舞うのも度々だった。大型四足歩行の猛獣と言うか、何だろう、魔力は無いけど魔獣みたいな変なのもチラチラ視認出来る。
なるべく感知の網を広げているが、地形と言うか樹林が刻々と変化するので、直前の脅威じゃないと中々補足出来ない。
「何か大きいのがいるよ、半端じゃないよ!」
樹々の切れ目に垣間見えたのは、マンモスともティラノザウルスとも見紛う何かの巨獣だ。遠目で良く分からないが、50メートルを越すんじゃないだろうか?
魔力量が半端じゃない。
特異な重金属があるとも思えぬこの星の質量で何か多少身体が重いけど、天測して判明した半径のこの星の重力じゃ、おそらくこんな生命進化は考えられない。矢張り人為的な何かが関与しているのは確実だった。
「巨体種は……」
「ウヒィッ、気配を消して急に現れるのはやめてくださいヨッ、師匠!」
いつの間にか、私達を置き去りにした薄情な導師がすぐ側に佇んでいた。本当に心臓に悪い人だ。曲がりなりにも、予知や未来透視、気配解析も使えるようになった私達の裏を掻いてくる。
「未熟な奴らだ、……巨体種はな、幾つかの個体の複合体がほとんどなんだが、中には単体で巨体になった本当の強壮種がいる」
「えぇっ、合体してるってことですか? 気味悪い、じゃあ、どうやって繁殖するんですか? 無性生殖で増えるとか……」
「何言ってるんだ、どう見たって哺乳類だろう、亜人系が多いが奴らが、この星の霊長類だ、普通に生殖行為で子孫を増やす……結婚って概念は無いが、子育ての間は雄と雌とで所属する群体を離れる、見てろ」
いつの間にか師匠の手には、師匠愛用のウォーハンマー“黄金の天誅”が握られていた。握り手は両手剣の柄より少し長く、シャフトは撓うよう女神の細腕のように細く2ヤード程、槌頭はウイスキー瓶程の大きさで鋭いピックと八角掛矢のツーヘッド、師匠曰く三千世界で最も硬いゴールドデン・ダイヤと言う唯一無二の希少鉱物を更に特殊な方法で圧縮して出来ている。
とにかく格好良い、美しい。
一目見たときから虜になった。戦場を駆け巡り続ける戦士の得物とは斯くあるべきと思える逸品だった。
まだ見たことはないが、インパクトには7種の爆裂属性と3種の空間属性を使い分けられるとか………
「天っ撞いぃ―――――っ!」、バッコオオォォォ――ンッ!!
突然、瞬動で目の前から掻き消えたと思った師匠のウォークライと打撃音を伴って、遥か前方より盛大な破裂光が射すと、遅れてやってくる爆風が引き千切られた低木類や、巻き込まれた鳥や齧歯類などの小動物も一緒くたに吹き飛ばされて、叩き付けてきた。
「何だろう? 人間?」、一様に顔を庇いながら前方を注視していたが、エリスが先に気がついた。
わらわらと、爆発のあった方から獣人のような一団が逃げてくる。体表の一部は獣毛に覆われているが、男も女も皆、裸だ。
(XXXXXXX!)、(XXXXXXXX!)、(XXXXXXXX!)、
(XXXXXXXXX!)、
(XXXXXXXX!)、
口々に何かを叫んでいるが、私達には唸り声にしか聞こえない。
それより飛び交う思念の方が煩瑣い程なのだが、恐慌を来たしている所為か意味を為さず、これも理解不能だ。
概して知能は未発達なのかもしれない。四足歩行の者さえいる始末だ。
見てる間に、ある者は馬のような何かに、ある者は翼竜に似た何かに、逃げ足の早い形態に変身していくようだ。個々にも、微量ながら魔力を感じる。
師匠の狼藉に何処かに隠れていた現地人が逃げ惑っているのだろうか? いや、直感が違うと告げている。
「もしかして、この人達がさっきのマンモス・ティラノもどき?」
師匠のインパクトの瞬間、雲を突くような巨大種が細かく分裂して、崩れていくような気がしたのだ。
「正解だっ」、大声で答える方を見やると、紙巻き煙草を咥えながら、黄金に照り映える戦鎚を肩に担ぎ上げ、ゆっくりと戻ってくる師匠が居た。
何故か右手にジタバタ暴れる小さな獣人を吊り下げていた。首根っこの皮を掴まれた女の子だった。見え隠れする股間はそうだったが、もっともそれは彼らの存在が私らの知ってる雌雄染色体ならの話だが………
文中、何処だったが忘れましたが女性蔑視のような発言が御座います(本作品のあちらこちらに散見されると思いますが)、飽くまで架空の世界のお話です
決して現世、現代社会の日本のことではありませんので、ご承知おきください
メンタルヘルスケア=メンタルヘルスは精神面における健康のことで精神的健康、心の健康、精神保健、精神衛生などと称され、主に精神的な疲労、ストレス、悩みなどの軽減や緩和とそれへのサポート、メンタルヘルス対策、あるいは精神保健医療のように精神障害の予防と回復を目的とした場面で使われる/世界保健機関〈WHO〉によって障害調整生命年〈DALY〉のうち、精神障害が占める割合が大きいことが報告されて以来、その対策の必要性が大きく唱えられることとなった/精神的な健康は著しい苦痛や生活の機能において障害をもたらす段階になった場合、精神障害であると診断されうる/各国は、精神科医や臨床心理士、精神保健福祉士といった精神保健専門家を育成する仕組みを持ち、その対策にあたっている/例えば世界保健機関による人権に根差したメンタルヘルスケアに関する「精神保健ケア法10原則」は、言い換えると精神保健福祉法は基本的人権として精神的な健康の増進があり、そのための治療も人権に配慮すべきであるという原則をまとめたものである
リア・ネイキッドチョーク=相手の背後からの裸絞で腕の組み方は方法は主に二つあり、ひとつは受の首に片腕を回してもう一方の片腕の肘の裏もしくは上腕のあたりを掴み、もう一方の手で相手の後頭部を押してそのまま絞める「フィギュア4」と呼ばれる方法である
浜防風=海岸の砂地に自生する海岸性の多年草で、山菜として食用にする他に漢方薬・民間療法薬として利用される、八百屋防風と呼ばれることもあるが名称の由来は中国産の防風と根の効用が似ており浜辺に自生することからであり海岸防風林とは関係がない
ハマスゲ=乾地に生える単子葉植物カヤツリグサの1種で雑草としてよく見かけられ、また薬草として利用される
乾燥に強く陽射しの強い乾いた地によく成育するので砂浜にも出現し、名前もこれによるものであるが実際には雑草として庭や道端で見かけることの方が多い
ハイビスカス=アオイ目アオイ科の下位分類フヨウ属ヒビスクムのこと/またそこに含まれる植物の総称でヒビスクムまたはヒビスクスは古いラテン語でタチアオイの仲間を指す言葉であったが、近代に入りタチアオイ属と同じアオイ科に属する別の仲間=フヨウ属を指す学名へと転用された/日本ではそのなかでも熱帯および亜熱帯性のいくつかの種がとくに「ハイビスカス」と呼ばれ、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれている
ジャカランダ=熱帯地方の乾期に花が咲く樹高15m以上になるノウゼンカズラ科の落葉高木、初夏に青紫色の花を咲かせ葉は鳥の羽のような繊細な形状をしている
ジャカランダは世界3大花木のひとつとされ鳳凰木、火炎木と共に紫雲木とも呼ばれる
カトレヤ=中南米原産のラン科植物のひとつの属、あるいはその近縁属との交配品種を含む一群の植物/美しい花を咲かせることからよく栽培され、最も有名な洋ランで洋ランの女王とも言われる/現在では多くの交配種があり栽培されているが、切り花としては華麗さと高級感を演出する/名前はこの属の最初の収集者で最初に栽培で花を咲かせたWilliam Cattleyにちなみ、属の名前として献名されたものである/もともと彼が南米から送ってもらった植物の梱包材として使われていたこの着生植物に興味を持ち、栽培してみたところ予想もしなかった見事な花をつけたため、イギリスの著名な植物学者、ジョン・リンドリーが記載して献名したという逸話が伝わっている/和名としては C. labiata に対してヒノデランというのが牧野富太郎によって与えられている/花の美しさを日の出に見立てたとのこと
カトレヤは着生植物であり、匍匐茎の節から出る白くて太いうどん状の根で樹皮に張り付くようにして生活する/根の表面は白いスポンジ状の死細胞からなる組織で覆われ、雨水や着生した樹木の樹皮を伝って落ちてきた水をすばやく吸収し、その後でゆっくりと内側の生きた組織で吸収する/根の生きた組織は葉緑体を持ち、光合成の能力を持つ/そのため表面のスポンジ状の組織が水を吸って光の乱反射が起こらなくなると生きた組織が透けて見え、根全体が緑色に見える
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感想や批判もお待ちしております
私、漢字が苦手なもので誤字脱字報告もありましたらお願いします
別口でエッセイも載せましたので、ご興味のある方は一度ひやかしてみてください
短めですのでスマホで読むには最適かと……是非、通勤・通学のお供にどうぞ、一応R15です
https://ncode.syosetu.com/n9580he/
全編改稿作業で修正 2024.09.16





