1.
初投稿です!爽快感出すのが今後の流れの目標です!
黒いものに包まれている。何なんだろう。
少し、痛い?
目が?開かない。何にも、見えない。
ここから先へ進まない。進めない。目を開けようと力を入れてみる。
・・・開いた!けど、どういう状況だ、これ。
見えたけども、決して快適とはいえないな、この状況。草と泥にまみれて寝ている。木々はざわざわと揺れていて、なかなかにうるさい。ちなみに石が当たって地味に痛い。
体は動かせないらしい。いや、正確には動いているものの頭が重く、加えて手足が思うようにならないのだ。
もぞもぞと時間をかけて確かめていく。手足は小さく、全体的に丸みを感じさせる。髪はほとんどないな。
股間にモノが・・・ある!!そんな感じはしてたが、男なんだな?じゃあ゛俺 ゛としよう。
声は出せるだろうか?
「っ・・・っん!・・・っあ!あうぅ。」
・・・あー、とか、うー、としか言えないなぁ・・・。視界は暗いし、なんも見えないから多少怖くは感じる。
俺は赤ん坊になっているようだ。
なぜ!?しかも、赤ん坊でここまで考えることができるってどういうことだ!?
「うう。」
誰がこんなことになるのを想像できただろうか。まともに動けないからなのか、赤ん坊になっているからなのか頭が上手く回らない。
そして、そもそも゛俺 ゛という自我はないはずだ。状況が飲み込めず混乱する。
俺は、どうして、ここにいるのだろうか。
俺は、確かに、世界を循環していた、はずで。
いやいや、何を言って!!───
『───かつて天使の化身とされた聖女と悪魔の化身とされた魔女がいて───』
は!?なんだ、これ!?
「あう、あ、う、あ、、うああああ!!!!」
『グリフィーノ王国では・・・』
『・・・は大樹の輝きによって・・・
・・・には13番目・・・人の・・・』
『天使と・・・・・・
悪魔・・・・・・・・・』
っ・・・・・・吐きそうだ。でも、なんとなくわかってきた。
なるほど、そうか。俺は今、この地に生まれたのか。
大体の事情は、都合がいいことに頭に入ってきた。便利だなと、少し遠い目をした。
・・・・・・え、そうすると俺って歴史上二番目の゛魔女 ゛になるのか?性別関係ねーのかよ。迷惑極まりねぇな。
それに、こんな役割を生まれたとたんに背負わされてさ。まったく。
疲れたと感じて目を閉じると、第二波がやってきた。
「うっ!あう、あああ!!!!」
容赦ねぇな!!
その後も、俺の意思関係なく、どしどしと情報を流し込まれた。正直つらい。いったい、どれだけの情報を流し込むつもりだ!
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ようやく終わったのか静かになった。まだ息が上がっている。
しかし、自身の存在が何であるかを知ることができた。
簡単にいうと俺は、生まれたてホヤホヤの、魔女で、危険な、・・・悪魔らしい。
他にもあるが、情報が多すぎて整理しきれていない。後でゆっくり時間を取った方がいいだろう。
自身の容姿は、鏡も何もないので当然ながらわからない。もし、わかったとしても赤ん坊であることくらいしか理解できないだろう。
もしかしたら絶世の美男子かもしれない、なんて自身の容姿に思いを馳せてみる。
・・・・・・悪くないな。
悪魔なのだから、危ない色気を出していてもおかしくない。
「・・・っ!!」
いきなり背筋にぞくっと感じた。
嫌な汗が流れる。今までの情報が流れ込むのとは違う。この感覚は初めてだ。
なんだこれ、悪魔の本能ってやつか?
何が起きるんだよ、震えが止まらない。
・・・ちょっと待て。こんなに震えるもんなのか?
ドクンと心臓が大きく脈打つ。
うまく息が、できない!
「っ!!!!」
体が波打つように跳ねる。苦しいっ!!
それでも、なんとか意識を保とうとする。
くそっ!
こんな得体の知れない、理不尽な感覚に殺されるなんて真っ平だ!
近くの草を小さな手で限界まで握りしめて、落ち着くのを待つ。
・・・落ち着け。
・・・落ち着け。
・・・俺は、大丈夫だ。
・・・・・・よし、大丈夫だ。
・・・・・・。
・・・とうとう生まれたらしいな。
俺が悪魔なら反対もいるってもんだ。
俺と同じく、歴史上二番目となる゛聖女 ゛さまの誕生だ。
感覚でわかる。向こうもこっちの存在くらいはわかるんじゃないだろうか。
相反する者なのだから。
遠くの方で何か自分とは違う、異なるものが生まれたのだ。鳥肌が立つ。
ひとまず、体の安定は取り戻したのだから良かった。短い時間の間に色んなことがありすぎて参ってしまう。死ぬかと思ったぁ・・・。
俺は赤ん坊形態なので、せめて幼児形態くらいに変えようと思った。なんたって悪魔なのだ。なんでもできる。
入れ込まれた情報にも゛魔女は自身の年齢を操り・・・ ゛のような文言があった気がする。
さっきみたいなことが赤ん坊の体で何度もあってはたまらない・・・。思い出すだけで気が吹っ飛びそうだ・・・。
気を取り直して!!
・・・幼児くらいを目指そうかな?
目をつむり、年相応の体をイメージする。そうして俺は意識を集中した。体が黒く光り、成長を促進させる。
ここだと思うところで成長を止め、目を開ける。
「・・・大丈夫かな?」
大分、いい具合に調整できたと思う。初めての試みだったが、これでひと安心というところだろう。
それに幼児へ変化し、だいぶ動きやすくなった。赤ん坊より何倍もいい。
なぜ幼児の姿なのかって?別に成人になれないわけじゃない。力が足りないとか、そういう問題でもない。本当に個人的な問題ではあるのだが、重要な問題なのだ。
この地に、この身一つで、生まれたのだ。
つまりは、全裸である。
主人公はこれから、どんどんチートを身につけていく予定です!