第三十三話 「再会」
デュークさんに攻撃をかけたダークエルフの陰に見える女の子は……まさか……あれって……
「ソフィー……?」
「え?ヴィンス……?」
ダークエルフの前に出てきた女の子は少し大人びた感じがするが、やっぱりソフィーだ。
っ!?
驚いている俺の脇を何かが疾風の様に過ぎ去った!
カーラちゃんだ!!
「ちょっと待って!!カーラちゃん!!」
慌てて俺はカーラちゃんを呼び止めるがカーラちゃんは止まらない!
カーラちゃんは高速でソフィーに迫りながら背中の大剣を抜く。
ソフィーもダークエルフも動じる事なくカーラちゃんを観ている。
「カーラちゃん待て!!そいつらは敵じゃない!!」
さっきまで雷矢で攻撃されていたデュークさんもカーラちゃんを止めようと叫ぶ。
チラリとカーラちゃんがデュークさんを一瞬見た様な気もしたが止まらない。
「よせ!!カーラちゃん!!」
俺の呼びかけも届かずカーラちゃんの大剣が上段から最前線にいるソフィー目掛け振り下ろされる!!
ドーンッと激しい音が響き地響きがして土煙が舞う。
ギリギリのところでソフィーは避けた様だ。
しかも地面に突き刺さったカーラちゃんの大剣を巨大な氷の塊で固めている。
「この力、規格外の力を持つ者ね…?」
先程までデュークさんに雷矢の連射攻撃をしていたダークエルフが腕を組み冷静に言う。
「ふん、これで勝ったつもりかしら?」
カーラちゃんも焦ってはいない。
っ!?
ソフィーとダークエルフが大きくバックステップしてその場を離れる。
カーラちゃんが氷の塊ごと地面から愛刀である大剣を抜き上げ次の攻撃に出たからだ。
「ストップ!ストップ!カーラちゃん!!」
デュークさんが一足飛びでカーラちゃんとソフィーの間に割って入り止める。
俺もデュークさんに続いて輪に加わる。
「……………」
目の前にデュークさんが立ち塞がるから流石にカーラちゃんも攻撃を止め抜き身の大剣を地面に下したまま立ち止まった。
カーラちゃんの表情は無表情だ。
「何故止めますの?デューク様、そいつらがいきなり攻撃してきたんじゃありませんか」
「いや、攻撃って言うか……まあ攻撃なんだが……俺にも攻撃される心当たりがある様な……ない様な……?」
無表情のカーラちゃんと自分の後ろに立つ女子3人組、特にダークエルフを気にするデュークさん。
そのダークエルフと言えば腕を組み冷めた目でデュークさんの対応を伺っている。
「カーラちゃん、その娘が前から話してた幼馴染のソフィー」
「…………」
気まずい雰囲気の中、俺がソフィーの紹介に割って入るがカーラちゃんは以前の様な氷の眼差しで俺を見るだけだ…。
「久しぶりに会ったって言うのに”幼馴染のソフィー”とは随分冷たいんじゃない?ヴィンス」
「え…?」
ソフィーが俺に言う。
「確かに幼馴染ではあるけど、ここは婚約者って言うべきじゃないの?」
「あ、ああ、そうですねソフィー……」
「それとも何かしら?私を婚約者って紹介できない理由でもあるの?」
「い、いやぁ、そんな事は無いですけど……」
そ、その通りだ、カーラちゃんにはソフィーの事は幼馴染で婚約者だって言ってあるしカーラちゃんと何かある訳でも無い。
無い、けど何故だ??
「ソフィーね……話は聞いていますわよ、数える程度ですけど」
「ちょっと?私の事ソフィーって呼べるのは限られた人だけなんだけど。気安くソフィーなんて呼ばないでくれる?」
「ふん、そんな事私の知った事じゃありませんしどうでも良いですわ」
カーラちゃんは抜き身の大剣を肩に担ぎ顎を上げ見下げる様にしている。
「で?そう言うあんたは何なの?」
腕を組んで一歩前に出るソフィー。
見えないが二人の視線と視線がぶつかるところに火花が散っている気がする。
例えるなら竜と虎だ。
この場合どっちが竜でどっちが虎だ?
何て呑気なこと言ってる場合ぢゃない!
「あ、え、えーとソフィー、紹介しますねこちら僕が移住したチコレットでパーティ組んでいるカーラちゃん」
「ふーん、ただのパーティ仲間ね」
口角をあげ、勝ったみたいな表情のソフィー。
「ふん、どうかしら?ただのパーティ仲間だと思うならどうぞ?ふふふ」
同じく口角をあげ何も知らないでお気の毒みたいな表情で答えるカーラちゃん。
つーか、何も無いじゃん!カーラちゃん!?
「どういう事?ヴィンス」
「え!?ど、どうもこうも……」
慌てる俺、迫るソフィー。
「ふふふ、ごめんなさい。冗談が過ぎましたソフィア様」
穏やかに微笑みながらカーラちゃんが頭を下げる。
「え?な、何?!きゅ、急に…!?」
手のひらを返した様なカーラちゃんの態度にソフィーも思わずたじろぐ。
「ヴィンス様とは何もありません、ソフィア様のおっしゃる通りただのパーティの仲間です、今は」
氷の様な眼差しを解き柔和な表情で本当の事を言うカーラちゃん。
「……ホント?ヴィンス」
「え、ええ、本当です、はい」
何故かほっとしながら答える俺。
「でも今はって最後言ってなかった?」
「ええ、言いましたわ今はって。ただ誤解しないで欲しいのですけど私はソフィア様と喧嘩する気はございませんの」
「じゃあどういう事?」
「それは私もソフィア様と同じく、いいえソフィア様以上にヴィンス様をお慕い申し上げていると言う事といずれは私もヴィンス様を振り向かせて見せますと言う事です」
しれっと言うカーラちゃん、いや心の中はしれっとじゃないのかもな。
「つまり私からヴィンスを奪ってみせるって言う宣戦布告かしら?」
「いいえ違います、ソフィア様から奪うとか誰かから奪うとかでは無く好きな人を振り向かせる為の努力をし続けると言う事を現在ダントツ1位のソフィア様に宣言したかっただけですわ」
そう言うカーラちゃんの顔に敵意は無い。
「ふん、つまり私を上回ると?」
「いいえ、ソフィア様を上回るとか誰かを上回るのではありませんわ、ソフィア様とか誰かを上回ろうとしてもそれは敵いません」
「よく分からないわね」
「ある人言われましたの、ソフィア様に勝とうとしても無理だって。何故なら私は私でソフィア様じゃないから。なら、私は私を磨き上げるしかないって、だからこそ同じ人を愛するソフィア様には宣言しておきたかったという事です」
いつしかその大剣を背中の鞘にしまって話すカーラちゃん、対するソフィーは腕を組んだままだ。
「……ふふ、いいわその宣言、確かに受け取ったわ、でも私も私でぼんやりしてないからそう簡単に私を上回らせないからね、これが私からあなたに対する宣言よ」
「私も確かにソフィア様の宣言受け取りましたわ」
笑顔で答えるカーラちゃん、ソフィーは変わらず腕を組んで硬い表情だ。
「それから、私の事はソフィーって呼んでも良いわ、どうでもいいかも知れないけど」
「え?そう呼ばせるのは限られた人だけでは無いのでは?」
突然の申し出に戸惑うカーラちゃん。
「そんな堂々と宣言する人は好きよ、恋敵って言う敵なら言い換えれば同志だしね」
そんな少しクサい事を自分で言って顔を赤くしながらカーラちゃんから顔を逸らしながらも右手を差し出すソフィー。
「ソフィア様、じゃなかったソフィー……はいっ!こちらこそよろしくお願いします!」
差し出されたソフィーの手を笑顔で握り返すカーラちゃん。
よかった、良い意味で想定外の展開になったな。
ソフィーとカーラちゃんが握手する脇を静かに、そう、気づいたらと言う感じでゆっくりと抜けこちらに来るダークエルフ。
その表情と立ち振る舞いに殺気は感じられない。
「よ、よう……アステリア……元気だったか?って言うより元気そうで何より…だな……なは、なはははは……」
右手を上げダークエルフに名前で話しかけるデュークさん。
攻撃される心当たりがある様な無い様なって言ってたし冒険者時代か何かで知り合いなんだろうけど、デュークさんの表情と冷や汗からして後ろめたい何かがあるのだろうな。
「デュークも元気そうじゃない?」
「お、お陰様でな……だ、だけどいきなりの攻撃とは、ご、ご挨拶じゃねーか…?ま、まあ良いんだけどよ……」
デュークさんの目の前まで来て対峙する格好の二人。
変わらず冷めた表情のダークエルフもといアステリアさん。
対照的に狼狽してペラペラと喋るデュークさん。
「ねえ、今カーラって娘が言ってたある人ってデューク、貴方の事でしょ?」
「あ、ああ……ま、まぁな……」
デュークさんの肩に手をやるアステリアさん。
自分の腰に手をやり余裕ぶって見せているが警戒度MAXのデュークさん。
「あなたって昔から飄々としているけどたまに良い事言うのよね」
「そ、そうか…な…?」
デュークさんの肩にまわした手の指先でデュークさんの頬をいじるアステリアさん。
う~ん…何かエロいな……。デュークさんは固まっているけど。
「でも女心は分かってないで、しょ!!」
「あぎゃあぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
アステリアさんがそう言った直後デュークさんの肩に回した手から放電した!!
感電したデュークさんは漫画みたいにビリビリと黄色い放電を放っていて、見えはしないが骸骨姿に見えそうな位だ。
「あがががががががががが!!!!!」
白目をむいて感電し続けるデュークさん。
「ちょ!アステリア!!やり過ぎじゃ…!?」
「ヴィンス様も助けてあげては……??」
流石に見るに見かねてソフィーとカーラちゃんが止めに入る。
「う~ん……でもまだ死にはしなそうだし……もう少し様子を見た方が良い様な気がしますけど?」
「ちょ、何呑気な事言ってるの?ヴィンス!?」
「そうですわよ?流石のデューク様も死んじゃいますよ?!」
「流石ソフィーの許嫁ね、分かってるじゃない?」
余裕の表情で俺を見るアステリアさん。
そう、派手な放電に見せてるけど電圧自体は低そうなんだよな。とは言え痺れるとかじゃなく痛そうだけど。
「アステリアも!いい加減良いんじゃないの!?」
「ヴィンス様も止めて下さい!?」
ソフィーとカーラちゃんは本気で心配している様だ。
「でも、何があったか知りませんけどアステリアさんも積年の恨みがありそうですし、こういったのは一度すっきりさせてあげた方が後々遺恨が残らなくて良いかと……」
そろそろ限界かな?つーかデュークさんだって逃れようと思えば逃れられるだろうに。
と言う事は甘んじて受けざるを得ない心当たりがあるのだろう。
「ふふふ、ホントにソフィーが言ってた通りいい男ねヴィンス。小さいのに色んな事が分かってるのね、良いわヴィンスに免じてこの辺で勘弁してあげる」
言葉の通りアステリアさんが放電を止める。
「……がっ…が……が……………」
デュークがゾンビみたいなポーズで固まり全身から煙を立ち昇らせながら一瞬止まり、次の瞬間仰向けに倒れた。
「師匠!!」
「デュークさん!!」
ソフィーとカーラちゃんが慌ててデュークさんのもとに駆け寄りソフィーが治癒魔術をかける。
「中級治癒魔術!!」
「かっ…は…!」
デュークさんが復活した。
この世界は治癒魔術があるから大抵のケガはその場で治せるから安心な反面、こうした拷問?みたいな事も手軽に行われるから恐ろしくもある……。
「サ、サンキュー……ソフィー」
「大丈夫ですか?師匠」
「ああ、お蔭さんでバッチリだ」
そう言うと実際、デュークさんはスッと立ち上がった。
「まあ、この子たちに免じてこれでチャラとは言わないけどとりあえず今日の所は勘弁してあげるわ」
アステリアさんは腕を組んだまま見下ろす様にデュークさんに声をかける。
「あれ?そう言えばもう一人女の子いませんでした?」
アステリアさんの後ろにソフィーの他にもう一人黒髪の娘がいたはずだが…?
「え?あれ?ベルリネッタ??」
ソフィーが辺りをキョロキョロと見回すが見当たらない。
ソフィーに続き皆が辺りを見回すが見当たらない。
「ソフィー!アステリア!」
俺たちがキョロキョロとしている中、上から女の子の声がした。
声がする方を見ると道から少し外れた木の上にその娘は立っていた。
つーか、宙魔術か?あれ、針葉樹の先っぽの上に向かって生えている細い枝先に立っているが枝がしなっていない。
「私は用があるからここで別れる!また近い内に会いに来る!」
「え?そ、そうなの?急ね」
黒髪の女の子とソフィーがやり取りしている中、デュークさんが口を挟んできた。
「お、おい、ソフィー、あの娘って……」
そう聞くデュークさんの顔は驚き表情だ。カーラちゃんも同様の表情をしている。
「ええ、多分師匠の思っている通りだと思います」
「そ、そうなのか?」
誰なんだろ?有名人のかな??
そんな疑問符を浮かべる俺の事をさっきから有名人さんがずっと見ている気がする。
いや目と目が合っているんだから気がするじゃなくて見ているんだろう。
離れていても分かるその眼の色。
濃い青だけど彩度が高いと言うか不思議な青色の眼だ。
怖いという感情は無いけど何だろ?見透かされていると言うか心の中を見られている様なこの感覚。
目を逸らしたい気持ちの反面、見ていたい様な不思議な感覚。
「……フリーディ」
っ!?
「え?今、何て……」
そう聞きかけた瞬間、その娘が一瞬ぶれたと思った途端消えた。
「ヴィンス、知ってるのか?」
「い、いえ、知りません」
デュークさんが俺に聞いてくるが初対面だ、初対面のはずだ…。
「最後、確かフリーディとか何とか言ってなかったか?」
「え?あ、そうなんですか?僕はよく聞き取れなかったですけど……」
やっぱりあの娘は俺にフリーディって言ったんだ。
「そうなのか?何だかヴィンスに向かってフリーディって言ってたみたいだけど…」
「え?ぼ、僕に…?そ、そうでした……?」
悪いがここはすっとぼけるしかない。
「俺の勘違いか?まあ、それよりソフィー、アステリア、あの娘って…もしや……死神…か?」
「ええ、師匠」
あの匿名希望の神様の正体は死神だったのか?!
「でも何でまた死神と一緒だったんだ?まさかお前らに何か不吉な事が起きるんじゃねーだろうな」
「いや、そうじゃないのよデューク、私とソフィーはしにが…いえベルリネッタとは友達なの」
「何!?死神と友達だと!?」
「ええ?!」
死神と友達と言う事にデュークとカーラちゃんが驚愕している。
「…え、ぇええ?」
俺はよく分かっていないけどとりあえず驚いた振りをして合わせておく。
「師匠、昔ヴィンスの事でガスラン達に謝らせた時に友達が出来たって話覚えてます?」
「ああ、その頬の傷作った時だろ?」
「はい。その時出来た友達って言うのがベルリネッタです」
デュークは点と点とが結び付いた様だが複雑な表情をしている。
「だけど死神と友達って……友達以前にそもそも会わない確率の方が高い存在だし会った時は死ぬ時だぞ?」
「デューク、私も初めは信じられなかったけどソフィーは本当にベルリネッタと友達なの、もっともベルリネッタにとっては初めて出来た友達だって言ってたけどね」
「そりゃそうだろうよ、死神に友達がいるなんて聞いた事ねーし」
アステリアさんがフォローするがデュークが納得するには至らない。
「ベルリネッタは本当に良い人、じゃなかった良い神様なんです。それとも死神が友達じゃ何か問題でもあります?」
「いや、問題は無いけどよ…その、何だ…あまりにも唐突過ぎて信じられないって言うか…」
デュークさんも反対しているわけじゃなく信じられないと言った感じだ。
「でもデューク様、死神って話に聞く程、邪悪で恐ろしいと言った感じはしませんでしたね?もしかして本当は死神ではないのでは?」
「あ、ああ、そうだな…驚きはしたが恐怖で動けないって感じじゃなかったな」
カーラちゃんの言葉にデュークさんも共感している。
「師匠、それはベルリネッタの畏怖免除効果だと思います」
「何だそりゃ?そんな効果があるのか?」
死神じゃないのかもと言う事で納得しかけたデュークさんが一転、また分からなくなったと言う表情になる。
「カーラと言ったわねあなた、カーラは私を見てどう思う?」
「どうって…言われても…奇麗な人だなとか……」
唐突に聞くアステリアさんにきょとんとした表情のカーラちゃん。
「ね、デューク、こういう事よ?」
「た、確かに、ダークエルフのお前には悪いがダークエルフを初めて見る人間の感想じゃないな、っていう事はお前もその畏怖免除?とやら効果があるのか?」
「そう、私もソフィーのお陰でアステリアと友達になってね、その証にベルリネッタが私にくれた加護なの」
「そ、そうのか?神様から贈られた加護とはスゲーな、そりゃ効果ありそうだ」
デュークさんもようやく納得できた様だがカーラちゃんは今一つっぽい。
「カーラちゃん、ダークエルフってどんなイメージだ?」
「ダークエルフと言えばエルフと正反対で邪悪な魔法使い種……あ!!」
「アステリアにそんなイメージあるか?」
「いえ!全然!!」
カーラちゃんも気づいた様だ、その効果と意味に。
「まあダークエルフって言っても本当はイメージとは違う全然普通の種族なんだがな、つまり人はそんだけ先入観でモノを見るって事なんだがな」
「つまり死神も先入観抜きで見れば意外と普通なのかも?って事ですか?」
「かもな」
デュークさん、カーラちゃん共に納得したみたいだ、俺は恐怖とかそんなのは無かったがそんな事より気になる事がある。
「普通どころかさっきも言ったけど良い神様よ」
「そう言うソフィーはどんな加護があるんだ?」
「私は加護じゃなくて賦与を与えてもらいました、氷魔術の才能ですほら」
そういった瞬間に切れ味が凄そうな氷の剣を出してみせてくれた。
「す、すげーな……」
「はい、氷魔術に関しましてはベルリネッタと同様に使えるそうです」
「死神と同じレベルって……」
一度は納得したデュークさんだが再び驚いている、そりゃそうだ俺も驚いている。
「と、ところで、ソフィー、ベルリネッタさんは何かこう人の心を読むとかそう言う能力もあるんですか?」
「え?そんな能力があるとは聞いた事ないけど……何でそう思うの?ヴィンス」
「い、いや……さっき見つめられた時、何かあの瞳で見つめられて心の中が見透かされている様な気になっちゃて」
「ああ、それでフリーディとかってベルリネッタが言ってたの?」
「いやいや、それは僕には関係ないと思うけど、何て言うか、あの目がそんな気がしただけで、そういう能力が無いなら無いで良いんだけど……」
「…ふーん」
皆が俺の事を懐疑的に見ている…。
「そ、それより早く入学試験に行かないと!遅刻しちゃいますよ!」
「そうですねヴィンス様、ソフィーも受けるんですよね?急ぎましょ」
「え、ええ、そうね、とりあえず学校へ急ぎましょうか」
ふぅ…何とか誤魔化せたか…?
それにしてもベルリネッタさんか……あの娘が匿名希望ちゃんの正体か、それとも心の中でも読める能力がある匿名希望ちゃんが言うところの敵対勢力か?
気になって試験どころじゃないけど……大丈夫かな?俺……。




