第三十一話 「恋心」
蜥蜴地竜に放った雷がスパークして不規則に放電する電気の流れ弾が入り乱れる中、カーラちゃんから唐突な質問が来た。
「ソフィー様の事は好きなんですよね?」
「え?ソ、ソフィー??」
放電する稲光に照らされるカーラちゃんが真っ直ぐに俺の目を見て聞いてくる。
「ぐわぁあぁあああ!!!」
カーラちゃんに気を取られる俺の背中に稲妻が走る…!!
自分で放った雷の流れ弾が自分に命中して堪らず倒れる。
カーラちゃんに助けを求める様に見上げるもカーラちゃんは冷たい目で見下ろしているだけだ。
すぐにカーラちゃんが俺から目を逸らし前を見る。
つられて俺もカーラちゃんと同じ方を見れば蜥蜴地竜が俺に向かってきている…!!
「ヴィンス様?どうなんです?」
「いや、って言うか今それどころじゃ……」
っ!?
何とか治癒魔術を自分で自分に施して転げる様に間一髪のところで何とか蜥蜴地竜から逃げる!!
転げまわる俺の脇を凄い地響きを立て蜥蜴地竜が駆け抜けた!!
ふぅ…あっぶな!!
何とか体勢を立て直し蜥蜴地竜を確認する。
勢い余った蜥蜴地竜は両手両足で踏ん張り石やら岩やらを飛び散らかしながら凄まじい土煙を上げ急ブレーキをかけていた。
背を向けてる今はチャンスだ!!
俺は一足飛びに蜥蜴地竜に向かって…
「んがっ!?」
飛び掛った俺の首根っこを誰かが掴んだ!!
誰かっつーかカーラちゃんだ。
「げほっげほっ…な、何してんスか?!カーラちゃん!?」
首がもげるかと思ったわ。
俺は喉を押さえむせながらカーラちゃんに聞く。
「私の質問の答えがまだです」
「それ?!ってゆーか今じゃなくて良くないですか?!ほら!!蜥蜴地竜が来た!!」
俺は息を整えるのにやっとの状態で何とかヤツの突進をかわし、カーラちゃんはひらりと余裕でかわす。
「ヴィンス様、私だって恥ずかしいのですから何度も言わせないで下さい」
「いや、だけど何で今?!」
蜥蜴地竜とカーラちゃんを交互に見ながら聞く。
「だって、なかなか2人になれる機会が無いから今が千載一遇のチャンスかと思いまして」
「だ、だからって……それは、えっと……あの……そ、そうですね…」
俺にとっては思いもよらない質問と地竜との戦いの最中でどう答えれば良いのか分からず適当な答え方になってしまった。
「そうですねとは好きと言う意味ですか?」
「え、ええ、まあ……そうです……」
……何だろ?やっぱ適当過ぎる答え方になったのがマズかったかな?
カーラちゃんはただ黙ってこっちを見ている。
そんな空気を蜥蜴地竜ごときが読める訳もなく突っ込んで来る!
「カーラちゃん!?」
「分かりました」
カーラちゃんは分かったと返事はしたけど変わらず俺の目を見つめ続けている。
「くっ…」
俺はカーラちゃんの視線から逃げる様に蜥蜴地竜へと向き合う。
蜥蜴地竜と目が合う。
何だか少し蜥蜴地竜に助けられた気にもなるが俺は八つ当たり気味にヤツに殺気を向ける。
っ!?
俺が蜥蜴地竜に殺気を向けた瞬間、俺の右側から大きな物体が高速で落下し蜥蜴地竜を押し潰した。
高速で落下して来た大きな物体とはカーラちゃんの大剣だった。
蜥蜴地竜はペッチャンコになり動きを止めた。
圧死したのだ。
俺は唖然としながらゆっくりカーラちゃんの方を見る。
「ふん」
カーラちゃんは冷めた目、そう、久しぶりに見る氷の様な眼差しで潰れた蜥蜴地竜を確認すると大剣を肩に背負い踵を返した。
っ!?
「くっさ!!」
潰れた蜥蜴地竜の口から血が流れ出して来たから異臭が漂って来た。
「ヴィンス!!早く蜥蜴地竜の血を凍らせろ!!」
岩に座り休んでいたデュークさんが立ち上がって教えてくれている。
俺は口と鼻を塞ぎながら蜥蜴地竜の死骸と血に向け氷魔術を放つ。
すると死骸は凍らなかったが血は凍った。
なるほど氷属性耐性があるとは言え死んでしまった血はただの液体って訳か。
凍った血が蓋がわりになり蜥蜴地竜の口を塞ぎ異臭を閉じ込める事に成功した。
カーラちゃんは振り返る事も無くデュークさんの方へと行く。
よくよく考えてみればカーラちゃんが本気を出した力なら蜥蜴地竜を潰す位出来るか。
「おい、ヴィンス!早いとこ土魔術で穴掘ってそいつ埋めねーと大変な事になるぞ!」
「え?あ、はい…!」
そんなデュークさんの指示より俺はカーラちゃんの様子が気になって仕方ない。
カーラちゃんはデュークさんから少し離れた岩に座り膝に肘をやり頬づえをついてソッポを向きながら遠くを見ている。
どう言う事だろ?怒ってる?何で?
俺に許嫁がいるから?
どうしてそれで怒る?
まさか妬いてる!?
バカ言うなって、あのカーラちゃんが俺を?!
じゃああのタイミングでの質問と態度は?
でも前世と違ってこの世界の俺はそこそこ悪くは無いと思うから……って、何自惚れてんだ俺?!
客観的に見てどうなんだよ、一体!
このまま鈍感気取りか?いや、そもそも鈍感もクソも無いか!?
ああ……!!言ってて自分でも訳分かんないな……。
「おいヴィンス、穴はそれ位でもう十分だろ!」
「え?穴…??」
「ああ、穴だよ穴、蜥蜴地竜何匹埋めるつもりだ?」
気が付けば無意識に土魔術をかけ続けていた様で直径15m、深さ30m程の穴が開いていた。
「ところで蜥蜴地竜はどうやって焼却するんです?」
「蜥蜴地竜はそのまま埋めときゃ大丈夫だ!自らの死んだ血で骨も肉溶けていくからゾンビ系にはならねー、それよりさっさと埋めねーと溶け始めるぞ」
「分かりました!じゃあ落として埋めておきます」
そう言って俺は蜥蜴地竜の下から土魔術でその残骸を持ち上げ穴へ転げ落とすとあの硬かった鱗がペリペリと剥がれ始めブスブスと肉体が泡立ち異臭を放ち出したので俺は慌てて穴を埋め戻した。
二人の方を見ればデュークさんがカーラちゃんに話しかけているとこだ。
きっとお疲れ様みたいなこと言ってんだろうけどカーラちゃんの表情はどこか固い。
「ヴィンスもお疲れさんな!」
「いえ、僕は後処理しただけですから」
空気を読まないデュークさんが羨ましい。
~~カーラ目線~~
聞かなきゃ良かった……。
どんな答えを期待していたのかしら私。
ああやって聞いて「嫌いだよ」って言う訳ないし、「好きだよ」って言われれば、ああやっぱりと落ち込むだけなのに。
それとも「今となっては何とも思ってないよ」とか「親が勝手に決めた許嫁だから」とかヴィンス様に好きな人がいない事を期待していたのかしら。
そんな都合の良い答えを期待して聞いた訳じゃない。
もうすぐそのソフィー様に会ってしまう事に焦ってつい聞いてしまっただけで何かを期待していた訳じゃない、けどやっぱり聞いて後悔だけが残った。
ヴィンス様の心の内を知りたかったのは本音だけど何もあの場面で聞く事はなかったし、ヴィンス様も戦いに集中していて気の利いた答え方なんて出来る筈も無いもの。
ああ、またヴィンス様に期待している…。
気の利いた答えって何?
本当に自分で自分がいやになる。
「そうだよな」
え?な、何…??そうだよなって…?
振り向くとデューク様がにこやかに微笑み立っている。
どう言う事…??
心の中を読む魔術でもあるの??
「カーラちゃんに初めっから引っ叩いて貰えば楽勝だったな」
「…え?あ、ああ、そ、そうですね…」
な、何だ、そう言う事か…。
ビ、ビックリした…そ、そうよね、いくら何でも人の心までは読めないわよね。
私の返事を聞いてからデューク様はヴィンス様の元へ歩いていく。
はぁ……これからどうしよ……?
まだサンクルーズへは時間が掛かるだろうし…。
気まずいなぁ……。
ヴィンス様も私のこと気にして下さりチラチラ私を見て下さるけどとてもじゃないけどまともにヴィンス様の顔なんて見れない。
「ほら、カーラちゃん行くぞ!」
デューク様とヴィンス様が先に立ちデューク様が振り返り私を手招きしている。
「は、はい」
先にどうぞって言いかけて飲み込んだ。
ここで変に孤立したがる様な真似すれば流石のデューク様でも私とヴィンス様の不穏な空気を読み取り詮索されるでしょうからここはあえてそう言わず私から少し下がって行けば良いだけよ。
~
「はぁあっ!!」
紫色の毛に覆われた背丈5mはあろうかと言う巨大な熊みたいな魔物が木の葉の様に舞いながら地に沈む。
「おぉ…」
「流石ですね、カーラちゃん!」
デューク様が感心して下さりヴィンス様も褒めてくれるけど……そう言う事じゃない。
ただ気まずさをごまかす為に率先して魔物を狩りまくってるだけ。
だってデューク様が魔物を狩りに行っちゃったらヴィンス様と2人きりになっちゃうし、それより何より1人で魔物と戦っている時だけ後悔を忘れられるから。
「そろそろカーラちゃん休んだらどうだ?おいヴィンス、お前変わってやれよ」
「え?え、ええ、もちろん、カ、カーラちゃん休んでいて下さい、次は僕が狩りますから」
デューク様がヴィンス様に促す。
するとヴィンス様は頬をポリポリと掻きながら上目遣いに照れくさそうにしながらも快諾して下さった。
「そ、それではお願い致します。私は少し疲れたので少し1人にして下さると助かります」
私は助かったとばかりに1人にしてもらうべく無理やり疲れにこじつけた。
「おう、さっきっから1人で狩りまくってたもんな、後はヴィンスに任せてゆっくり休みな」
「そう言うデュークさんはずっと休みっぱなしじゃないですか?」
「な!?お、俺はだな、アレだ、その、監督役としてだな…」
「はいはい、分かりましたよ」
何気ない会話だし、私もついさっきまでああやって話をしてたのに……そう思うと羨ましくて何だか息苦しい。
~
「ほら、ヴィンス!森ん中、魔物4匹いるぞ、1人でイケるか!?」
「はい!問題ありません、行ってきます!」
私が後方に下がってから最初の魔物が現れた。
現れたって言うか発見した感じだけど。
ヴィンス様は風魔術を巧みに操れる様になり文字通り飛ぶ様にして渓谷から森へと入っていった。
流石に魔物達も気付いてヴィンス様を迎え撃つ姿勢になる。
猿の魔物達は背中から蝙蝠みたいな翼を大きく広げると再び閉じた。体と言うか翼を動かしやすくする為のストレッチかしら?
「キシャーーーーッ!!!」
っ!?
速いっ!!
猿の魔物は翼を畳んだままヴィンス様目掛け突っ込んできた!!
1匹は真っ直ぐヴィンス様に、2匹は左右から、もう1匹は上から!
完全に連携した動きだわ!!
ヴィンス様っ!!
「もっと気楽にすりゃいいんじゃねーか?」
デューク様に声を掛けられ両手を力強く握り締めている事にハッと気付く、だけど……
「あの魔物達完全に連携して攻撃してきてます…!」
デューク様ときたら呑気な事おっしゃってるけどあの魔物達なかなかの手練れじゃないの?
「いんや、そうじゃなくって」
デューク様は両手を頭の後ろで組みヴィンス様の方を見ながら言う。
「え?そうじゃないって?」
どう言う事?魔物の話じゃないの?
「カーラちゃん自身の事だよ」
「わ、私!?」
両手を頭の後ろに組んだまま片目を閉じてウインクする様にしてもう片方の目で私を見る。
その片目が私の目と合い慌てて目を逸らす。
「ヴィンスの事、好きだってとっくに本人にも言ってるし周りだって知ってるし何を今更って感じだが?」
デューク様気付いていた?
「そ、それは……」
確かにそうなんだけれど、この2年間で私も少しはモノゴト考えるようになったと言うか…。
「おおかたサンクルーズへ着いちまうからソフィーとの対面に焦ったってとこか?」
「は、はい…」
空気を読まないタイプだと思っていたデューク様は意外と、って言ったら失礼かもしれないけど大人だった。
「……実は蜥蜴地竜との戦いの最中につい焦ってヴィンス様を問い詰める様な聞き方でソフィー様への気持ちを聞いてしまったのです」
「で?ヴィンスは何だって?」
「ソフィー様の事……好きだと……」
自分で言ったが、やはり言葉にすると辛い。
「だろうな」
「……ですよね」
デューク様の言葉が冷たく心に刺さる。
「って言うのはさ、ヴィンスにとってソフィーは初恋の相手かも知れねーが、何つーのかな?幼馴染でもあるけど姉ちゃんみたいな存在でもあるんだよ」
「お姉ちゃん…?」
デューク様はヴィンス様の方を見たままで話してくれる。
「あいつさ、金髪じゃん?あれって事故に遭って死に掛けて金髪になったんだけど、それまではまぁ見事なまでの銀髪でな、いっつもそれを近所のガキにおじいちゃんおじいちゃんって言われてからかわれていじめられてたんだよ」
「あのヴィンス様が??」
魔術はもとより剣術、身体能力も長けているヴィンス様が?
「で、2つ年上、つまりカーラちゃんと同い年のソフィーがいっつもヴィンスを庇ってくれて一緒に魔術や剣術も稽古して面倒を見てくれてたんだよ、って言ってもまだ銀髪の頃のヴィンスはそれを鬱陶しく思っていたかも知れなかったがな」
デューク様が話しながら見つめる先のヴィンス様の方を私も見る。
「そんでさっき言った事故、まぁ事故って言ってもいじめてたガキ共が度を過ぎてヴィンスを殺しかけちまったんだがな、それを巧妙に隠蔽しようとしたのを暴いたのもソフィーだったし、仕返しをしようと、いや違うな仕返しはしてないな、仕返しするどころかそいつらを更生させちまってヴィンスに詫び入れさせてたしな」
「…そんな人達を更生って、何でです?だってソフィー様はヴィンス様の味方なんですよね?」
「詳しい事情は話してくんなかったが誰かと戦って新しい友達が出来て自分を律したとか何とか言ってたけど要は言葉じゃなく態度でそのガキ共に示したんじゃねーかな」
「……よく分かりません」
こう言うとこがデューク様のダメなとこなのよね、肝心な事が分からないじゃないの。
「ただ分かるのはソフィーは、じゃなーな、ソフィーも頑なまでに一途って事かな?何しろその戦いで出来た傷な、名誉と戒めの為に残すとか言って女の子なのにバッチリ頬に刀傷残しちまってさぁ」
デューク様は自分の頬に人差し指で斜めに線を書く様な仕草で笑っている。
私は笑えない……。
「スゴイ人なんですねソフィー様は……。私と同じ年なのに全然敵わない」
ソフィー様の事を知れば知るほどにやりきれない気持になる。
「ああ、スゲーなソフィーは」
あっけらかんと言うデューク様に何だか怒りみたいな気持ちすら覚える。
「だけどよ、ソフィーとカーラちゃんは違うんだぜ?」
「…………?」
「ソフィーが凄くてカーラちゃんが凄くないって事じゃない、これが同じ性格、同じ顔、同じ生い立ちだったら甲乙つけられるかも知れねーけど2人はまったく違う人間だ、それぞれに良い所もあれば嫌な所もあるだろう」
「でも、私にはソフィー様のみたいにヴィンス様に誇れる何かはありません」
デューク様が言っている事は理解できる、けどそれでも敵う気がしない。
「本当にそうか?ここまでヴィンスの事、思える気持ちは誇れないか?」
「っ!?そ、それは……」
言いかけて思わず言葉を飲み込む。
「ここからは多分って話になるから適当に聞いてくれりゃ良いんだけどさ、知っての通り俺には姉ちゃんがいるじゃん?ヴィンスの母親クラリス、やっぱり姉ちゃんって敵わねーなって思う場面が多いのよ、何だかんだ言って。敵わねーと思いながらもやっぱり好きでさ、流石に姉弟だから異性として見る事は無-けどやっぱ落ち着くんだ」
デューク様はいつも優しいけど今お姉さん、つまりヴィンス様の母親クラリスさんの事を話すデューク様はいつもに増して優しい表情で話してくれている。
「だからつまりさ、上手く言えねーけどヴィンスがソフィーの事を好きって気持ちは当然異性として好きなんだろうけど、どこか姉ちゃんに憧れるじゃねーけどそれに似た気持ちもある好きだと思うんだ」
「……………」
気付けば両手を胸の前で強く握り締めデューク様の言葉に耳を傾けている。
「それに対しカーラちゃんはヴィンスにとって初めて対等な気持ちで心許せる存在だと思うんだ、そこから先の気持ちは本人じゃなきゃ分からないから俺が軽はずみな事は言えねーけどな。但し、これだけは言える事がある」
「何ですか?」
より一層握りしめた手に力が入るのが分かる。
「カーラちゃんはソフィーとは違う存在でありヴィンスにとってはかけがえの無い存在である事は間違い無い!それは俺が保障する!だからカーラちゃんはカーラちゃんらしく今までみたい自分に正直に生きてヴィンスと共に成長すれば良いと俺は思う、俺も陰ながら応援してるぜ」
「デューク様……」
優しく暖かい笑顔のデューク様に言われると力が沸いてきて前向きになれる。
そうだ、私は私でソフィー様になりたい訳じゃなかった、ヴィンス様を振り向かせられる私になりたかったんだ!!
やっと答えが出た!!
「デューク様、ありがとうございます!!お陰で答えが見つかりました!!」
「そうか?そんなら良かった」
目の前が晴れて見える!今なら何でも出来る気がする!!
「ぅおーーーい!!誰かぁ~~~、手伝ってぇーー……!!」
森の中からヴィンス様の声がしたので見てみると4匹の魔物に手間取っている様だった。
って言うか忘れてた。ごめんなさいヴィンス様。
「今、私が行きます!!ヴィンス様!!」
「カーラちゃん!!早く来て下さ~い!!」
今ならヴィンス様の顔をまともにはっきりと見ることが出来る!!
「はい!ヴィンス様!!」
今すぐにヴィンス様に元へ駆け出そうとして留まる。
「もう一つお聞かせ願えますか?デューク様」
立ち止まって振り返りデューク様に聞く。
「んあ?何だ?カーラちゃん」
相変わらず頭の後ろで手を組んだ格好のデューク様が優しく微笑みながら聞いてくれる。
「デューク様はそこまで女心が分かるのに何故いまだに独身なんですか?」
「な!?う、うるせー!!余計なお世話だ!早く愛しのヴィンス様の助太刀に行って来い!!」
意外な質問だったかしら?デューク様が狼狽して私を急かす。
「ふふふふ、ありがとうございます!デューク様!!」
頬にキスでもしたい気持ちだったけどこれはヴィンス様に取っておかないとね!
私はとっても暖かい気持ちになりヴィンス様の元へと駆け出した!
「待ってましたよ!カーラちゃん!!」
「お待たせしてすみません!ヴィンス様!さぁ一緒にやっつけましょう!!」
「はい!!」
こうして気まずい空気も気持ちも晴らしサンクルーズへ向かうのでした。




