第二十七話 「冒険者試験(ケース オブ カーラ)」
カーラちゃんの冒険者試験当日を迎えた。
俺の見立てではおそらく合格するだろう。
カーラちゃんの実力は本物だ。
この3日間一緒に訓練してきたがその強さはハンパじゃなかった。
その力は一言で言える。
剛剣だ。
ランスさんも見かけによらず力で押し込む剛剣だが、カーラちゃんの場合はレベルが違う。
カーラちゃんの腕力は完全にチート能力と言える特殊能力だ。
もちろん俺みたいな転生チートではなく、この世界には規格外の力を持つ者と呼ばれる桁外れの力を持つものがごく稀にいるらしい。
その能力は人によって違うらしく何種類かの力があるらしいがまだ全貌は分かっていないとの事。
カーラちゃんのアウトスタンダー能力は腕力だ。
そう言ったこの世界の背景もあって俺の身体能力も魔量それ程騒がれないらしい。
とは言え、流石に第7属性の宙魔術を使えば世間を驚かす事になるだろう。
話をカーラちゃんに戻そう。
ちなみにカーラちゃんは魔術もほとんどの属性で中級まではこなせる。
本人曰く淑女としての嗜みらしい。
とは言え本人もその剛腕から繰り出す剣術が好きな様で極力剣術だけで押し込む。
まあ、アウトスタンダー能力を差っ引いても剣術の腕前は確かで、剣術だけなら俺は完全にカーラちゃんに太刀打ちできない程の実力だ。
またカーラちゃんが使う武器も特徴的でカーラちゃんの身長の倍はあろうかという長さで幅も通常の両刃の剣5~6本分はあるかなり幅広の大剣でパーティで一番大柄で力自慢のシンプソンさんでさえやっと持ち上がる程度だ。
俺のチート能力程度じゃほんの少し浮かすのがやっとだがカーラちゃんは棒っきれの如く振り回せるからやはりその能力には驚く。
~
冒険者ギルドに到着した。
2階の受付カウンターに行きカーラちゃんの冒険者試験受付をする。
「あら、ヴィンス今日は何?」
「こんにちはラファエラさん、今日はこのカーラちゃんが冒険者試験を受けるので応援に来ました」
そう、受付のお姉さんの名前はラファエラさんという。
「へぇ~ヴィンスも隅に置けないわね、ガールフレンド同伴でギルドに来るなんて、ふふ」
「ち、違いますよ!!僕達はそういう仲じゃなくて、ね、ねぇえ?カーラちゃん?」
「ヴィンス様ったらひどいっ!!そんなに強く否定しなくても……」
カーラちゃんが両手で顔を覆い塞ぐ。
「あわわわわわ、ちょちょカーラちゃん?そ、そういう意味じゃなくて…その……」
「なんてね、ビックリしました?」
カーラちゃんは顔を覆ってた両掌を開きけろっと笑う。
「なな、何だ…ビックリしましたよ」
「でもヴィンス様、確かに今はそう言う関係じゃないですけど私の気持ちはご存知のはず、必ず振り向かせて許婚の座を奪ってみせますから」
ビッと人差し指を俺にむけ差し宣言?をした、いや、された。
「あらぁ、ヴィンスったら許婚までいるのぉ?じゃあ私もその戦いに参戦しようかしら?」
「ちょちょちょ、ラファエラさんまで何言ってるんですか!?冗談も程々にして下さい!」
「えぇ?あながち冗談でも無いんだけど?」
「ふふふふ、ラファエラさんと言いましたね、望むところですわ」
「あわわわわわわ」
何なの!?この展開!?今までこんなの冗談でも無かったのに、これも転生チートかっ!?
「かっかっか、もてもてだなぁヴィンス」
「う、うらやましいぞ…ヴィンス、ラファエラさんにそんな事言ってもらえるとは…」
「ちょ、デュークさんもシンプソンさんも何言ってんですか、いいから早くカーラちゃんの試験申し込みを!」
冷やかすデュークさんに羨ましがるシンプソンさん。
「ふふふふふ、それじゃあカーラちゃん、こっちの紙にサインして」
「あ、はい」
付き添いは例によって定職に就いていないこの2人だ、ブルーノとランスさんは街の防衛兼竜狩りの準備だしニコラウスは領主と言う立場もあって応援に来たくとも立場上来れない。
ニコラウス本人は来る気満々だったから朝から周りの人たちは説得に大変だったみたいだが…。
その後は滞りなく試験受付を済ませ試験会場へと移動した。
もしかして今回もラファエラさんが試験に試験官として出場するんじゃないと思い聞いたが本来ラファエラさんが試験に出る事は無いとの事で安心した。
試験官がラファエラさんじゃ具合が悪い、戦った本人が言うんだから間違い無い。
~
控え室は大部屋で今日受験するのはカーラちゃん含め5人で、カーラちゃん以外は皆大人だ。
受験者の中でカーラちゃんただ1人子供で後は大人だが子供がいること自体は珍しくは無いらしい。
ちなみに定期試験の順番は年齢順との事なのでカーラちゃんがトップバッターになる。
「カーラちゃん、ぼちぼち時間だが心の準備は大丈夫か?」
「ええ、デューク様、ここまで来たら全力を尽くすのみ!ですわよね」
「ああ、その通りだ、カーラちゃんなら行けるぜ、俺の保障付きだ」
そう言いながらデュークさんが座っているカーラちゃんの頭にポンッと手を乗せる。
「普段のデュークさんの保障は当てにならないなりませんが、戦いに関しましては信用に値しますよ、僕の保障付きです」
「けっ、ヴィンスも言う様になったな」
「デュークさんのおかげです」
「ま、そう言う事だからカーラちゃん深く考えずいつも通りやれば良いだけだかんな」
「現役冒険者の俺から見ても行けるぜ!思いっきりかましてやんな!」
「はいっ!デューク様、シンプソン様、それにヴィンス様もありがとうございます」
カーラちゃんのその笑顔から緊張や不安の類の色は見えない。
お世辞抜きにカーラちゃんは強いから、よっぽど何か無い限り受かると思うが油断は禁物だ。
「それではカーラ・オズバンド、会場へどうぞ」
ギルドの人が呼びに来た。
「はいっ!!」
カーラちゃんが力強く立ち上がる。
「カーラちゃん、シンプソン、ヴィンス、円陣組んで気合入れるぞ」
「はいっ!お願いします!」
やっぱやるんだな…カーラちゃんもその気だし…。
まぁ、いっか、俺の時も不安フラグ立った気がしたがそんなの気のせいだったしな。
単純に恥ずかしいだけだ。
俺とデュークさん、シンプソンさんで円陣を組みカーラちゃんが中心に入る。
「行くぞぉ!!絶対うかってみせる!!」
「おぉーーーー!!!」
周りの受験者達がくすくすと嘲笑っているが、実はやっぱりこの世界でも恥ずかしいのだろうか?
「おい、何かおかしいか?」
「ひっ…!!」
シンプソンさんが一番手前にいたくすくすと嘲笑ってる受験者に絡むもんだから嘲笑ってた受験者が一瞬にして凍る。
「やめとけよシンプソン」
「けっ、命拾いしたなテメーら、言っとくがこのカーラちゃんはテメーらなんかよりよっぽど強ぇからな」
どうやらシンプソンさんは仲間がなめられたのが気に入らない様で嘲笑ってた受験者達や付き添い全員にメンチを切っている。
「やめろって、そんなのカーラちゃんが魔族王子以来7歳で受かって見せれば自分達との力の差がイヤでもわかんだろうからよ」
「ふん、せいぜい見学して勉強しろ」
やっぱり、この世界では円陣がおかしいって事はなさそうだな。
それより周りが嘲笑ってのはカーラちゃんが女の子でしかもお嬢様オーラ全開なのに受験するって事を嘲笑ってたって事か。
しかし何だな、シンプソンさんの気持ちも分かるけど何で俺の周りはこう輩感の強い野郎が多いんだ?
俺だけはせいぜいそう言う大人にだけはならない様、気をつけよう。
「よし!!行くぞ!!」
「試験官があの嘲笑ってたヤツ等だと思って叩きのめしてやれ!!」
「カーラちゃん、しっかり応援しますから頑張って下さい!」
「はいっ!!」
俺達は意気揚々と控え室を後にし試験会場へと赴く。
俺が適正試験受けた時と同じく短い廊下を抜け試験会場へと出るが、この感じ…何かワクワクするな。
しかしアレだよな、カーラちゃんも役者だ。
大きな剣を自在に振り回せるクセに力ない振りしてわざわざ引き摺ってるもんな。
ちなみに今もっている剣は複製品で刃がついていない。
何でも剣や槍の類は体を切り落としちゃったり、真っ二つにしちゃって即死したら、いくら上級治癒魔術でも蘇らせる事は不可能だからギルド専属の神級魔術師が本人持参の武器と寸分変わらない精度で刃だけは落とした複製品を土魔術で造るんだとか。
そりゃそうだよな、キズなら治癒魔術で治せても一発死亡じゃあ治し様ないもんな。
だけど大丈夫かな、俺はあんまり拘り無いけど人によっちゃ使い慣れたものじゃないとダメとかよくあるじゃん?いくら見た目や重さが同じでも。
ま、本人がさっき大丈夫だって言ってたから大丈夫か。
そんな事を考えている間にカーラちゃんは試験会場の中心部に辿り着き試験官の登場を待っている。
周りは小さい女の子が体に合わない大きな剣を引き摺って登場するもんだから笑い声や歓声で盛り上がっている。
カーラちゃんと言えば、そんな外野の声は何処吹く風だ。と言うより肩で息してる演技までしてるよ。
対戦相手の試験官が登場してきた。
年は20代半ばと言った感じでなかなかの男前だ。中肉中背で二刀流剣士でカーラちゃんと同じく土魔術で造られた剣を両手に持っている。
しかしアレだな、この世界と来たら美男美女基準がおかしいな、普通に美男美女多すぎでしょ。
「ねぇ君、武器、本当にそれで良いのかい?まともに使えなさそうだけど……」
「え、ええ、だ、だいじょう…ぶ…ですわ…」
「ギルドの魔術師が失敗したんなら取り替えた方が良いんじゃないか?」
「いえ…間違えて、いま…せん…わ、私…これ位大きい武器の方が…安心…するんです…」
「そ、そうなの?な、なら良いけど…知らないよ?」
「お気づかい…ありがとう、ござい…ます…」
本当に役者だな、ここまで来ると笑えるよカーラちゃん。
「それではカーラ・オズバンドの冒険者試験を開始する」
観客達は笑ったり、飲み食いをして完全に余興を楽しんでいると言った感じでまるで緊張感が無い、そりゃそうか。
「はじめぇえぇぇぇ!!!」
審判員の開始の声が響く。
「ほい」
カーラちゃんは一瞬にして試験官との距離をつめその大きな剣を横にして上段から軽々と振り下ろし試験官を潰した。べちゃと。
試験官は潰された蛙の様に地面に突っ伏している。
「……………………」
会場はシーンと静まり返っている。
水を打った様に静まり返るとはこう言う現象の事なんだろうなと思う位静かだ。
カーラちゃんは大きい剣を軽々と肩に担ぎ戻ってくる。
すたすたと。
何事も無かった様に。
「きゅ、救急班!!!」
審判団の誰かが叫んだ。
慌てて救急班の人と言うか魔術師が上級治癒魔術を潰れた試験官に施す。
「…ぷはぁあぁあ!!!」
試験官が復活した。ああ良かった。
「お疲れさん」
「思ったよりあっけなかったな」
「まあ、でもカーラちゃんの作戦勝ちですね」
「ありがとうございました」
カーラちゃんは剣を肩に担いだまま頭を下げる。
「んじゃ帰るか」
「はい!」
試験官に勝利し試験合格を確信した俺達は試験会場を後にする。
「ちょっと待ったぁあぁぁぁあ!!!」
「ん??」
誰かが、いや、復活した試験官が待ったをかける。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
試験官は息を荒げ前傾姿勢になりこちらを睨んでいる。
「えっとぉ……何か?」
カーラちゃんが不思議そうに聞く。
「何かもクソもあるか!!何だ今のは!!完全な不意打ちじゃねーか!!」
試験官は鼻息荒く息巻いている。
まぁ観衆の面前で小さな女の子に瞬殺されたんだから感情的にもなるしその気持ちは分かるが…。
「不意打ちと言うか、作戦勝ち?かと思っていますけど」
カーラちゃんはしれっと言う。
「不意打ちも作戦勝ちもあるか!!」
試験官は相当トサカに来ている感じだ。
「カーラ・オズバンド、試験会場中央へ戻られよ」
審判団からも呼び止められる、と言うか呼び戻される。
カーラちゃんは訳が分からないと言った感じだが指示に従い試験会場に戻る。
試験開始時と同じ場所に立ち試験官とカーラちゃんが向き合う中、審判団から再試験のアナウンスが流れる。
「只今の試験は実戦であれば有効な作戦ではあるが、これは冒険者としての資質を確認する為の試験である、よって只今の戦法は無効であり再試験とする」
確かに、そりゃそうか。
「そう簡単にはいかねーか」
「まぁ、まともに戦ってもカーラちゃんなら大丈夫だろ」
デュークさんらも苦笑いしている。
「分かりました、それでは再試験宜しくお願い致します」
カーラちゃんは肩に担いだ大剣をズドンと地面に下ろし頭を下げる。
「もう容赦しねーからな」
試験官は先程までの紳士的態度はどこへやら目の色を変えて、と言うか殺気が籠っている様にさえ見えるのは気のせいじゃないだろうな。
「正々堂々と試験に臨む様に!両者とも良いか?それではカーラ・オズバンドの再試験を行う、始めぇええ!!!」
「火複数弾!!」
開始の合図と同時に試験官が火複数弾を繰り出す。あれは正々堂々と、なんだろうか?
「これはご丁寧に魔術名を教えて頂きありがとうございます」
カーラちゃんは慌てる事なく、複数の火弾を大剣で弾く。
弾く方向は魔術を射出した試験官に向けて、だ。
「くっ!水複数弾!!」
試験官は自分に向けて返ってくる火弾に対し水複数弾で迎撃する。
火と水が衝突した衝撃で水蒸気と水飛沫で一瞬視界が遮られた。
その水飛沫からカーラちゃんが飛び出してくる!!
弾き返した火弾の後を追従していたのだ。
「はぁあ!!」
カーラちゃんが大剣を振り下ろす!
「うおっ!?」
一瞬視界を遮られる形で油断していた試験官は間一髪のところで避ける!
「雷矢!」
火や水、土ならカーラちゃんの大剣で捌かれると悟った試験官は雷属性を使った。
確かに雷属性なら打ち返せない!!
「それっ!!」
カーラちゃんは大剣を試験官に向け投げる!
大剣はブンブンと音を立てながら回転し試験官、と言うより試験官から射出された雷矢に向かって回転しながら迫る!
投げ放たれた大剣は避雷針となり雷矢を受ける!!
試験官とカーラちゃんの間で大剣に避雷した雷矢はショートし青白く激しい光と音で辺りを照らし響く!!
「二度も喰らうか!!」
試験官は先程みたいにカーラちゃんの二の矢を警戒しショートし未だ閃光残る場所へ土槍をいっぺんに5本撃ち込む!!
が、5本の土槍は閃光の中を擦り抜けそのままに反対の壁まで達した。
っ!?
次の瞬間、試験官が横にすっ飛ぶ!!!
カーラちゃんが左側から飛んできて蹴っ飛ばしたからだ!!
「ぐお…!?」
「逃がしませんよ?」
横にすっ飛ぶ試験官の足をカーラちゃんが捉える!
足を掴んだカーラちゃんは踏ん張り試験官がすっ飛んでいこうとする力を強制的に止める!!
「がっ…!!」
試験官は飛んで行こうとする力と止められた力との相反する力関係に体が引き裂かれそうになり堪らず声をあげた!!
カーラちゃんは更に追い打ちとばかりに試験官を逆の方向、つまりカーラちゃんが背負投げする形で反対側へと叩きつける!!
その慣性を無視した力と遠心力の力と常人離れした力とで地面へと叩き付けられた試験官は再び潰されたカエルの様に地面に平伏し潰された。
試験官が潰されたカエルスタイルで地面に突っ伏したのを確認したカーラちゃんは上空に向けジャンプする!!
トドメを刺す気だ…!!
「ストーーーップ!!!!ストップストップ!!!」
審判団から試験終了と言うか攻撃中止の声が掛かる!!
カーラちゃんも声のする方を空中で確認しているから聞こえたはずだ。
ドンっと激しい着地音がした!!
間に合わなかったか!?
激しい着地で土煙が待っていてカーラちゃんの着地点が確認できない。
会場は静まり返っている。
土煙が晴れてきた。
カーラちゃんは試験官を跨ぐ格好で着地している。
「……………」
とりあえず試験官は無事って言うか最悪の結果にはならなかった様だ。
カーラちゃんは静かに足を退け試験官から踵を返しその場から退く。
カーラちゃんと入れ替える様にギルド魔術師が駆け寄りながら治癒魔術を施す。
「………っがぁああああ!!」
試験官が意識を取り戻しうつ伏せの姿勢から仰向けに体を返す。
その様子をカーラちゃんも確認し俺たちの方へと戻ってきた。
「ようし!今度は文句無しだな!」
親指を立てグッドサインをして迎え入れるデュークさん。
「ヴィンスと言いカーラと言い最近の若いもんはどうなってんだ」
シンプソンさんも感心しきりだ。
「お疲れ様でした!」
俺達は試験を終えたカーラちゃんを迎え入れた。
「やり過ぎでしたでしょうか?」
カーラちゃんは背中越しに試験官の様子を見ながら聞いてくる。
誰にと言う訳でもないが多分デュークさんに聞いているのだろう。
「まぁ大丈夫だろう、試験官も冒険者だし危険な事や痛い目に遭う事は慣れっこだろうしよ」
「ああ、あいつはポールっつってあれでタフな野郎だから問題ねーさ」
どうやらシンプソンさんは試験官を知っている様だ。
それならこの後のフォローもシンプソンさんに入れておいてもらって遺恨が残らない様にして貰いたいもんだな。
「カーラ・オズバンド試験終了!!」
審判団から試験終了のアナウンスが流れる。
後は全受験者が終わってから冒険者ギルドに合格者の名前が掲示されるといった流れだ。
「んじゃ戻るか」
「はい!」
デュークさん、カーラちゃん、そして俺とシンプソンさんの順できた道を戻り大部屋の控え室に戻る。
カーラちゃんが部屋に入りると順番を待って控えていた他の受験者と付き添いの連中が揃って道を開ける。
「ふん、テメーら思い知ったか?」
シンプソンさんはさっきまで嘲笑していた奴らが言葉も出ないで道を譲る姿に満足げだ。
その後はカーラちゃんも特に汗をかいた訳でもないし汚れた訳でもないので、特段する事もなく雑談をして過ごし全受験者が終わるのを待った。
結局他の受験者はどうやら負けて帰って来た様子だった。
まあ、試験は勝ち負けがすべてじゃないって誰かが言っていたから絶望視する事もないと思うが、どうなんだろ?
今日の試験が全て終わって1時間くらい経った頃だろうかようやくギルド掲示板に合格者発表の紙が張り出された。
そこに書いてあった名前は、カーラちゃんただ一人だった。
「あ!ありました!!」
「やったな!カーラちゃん!」
一番に祝福したのはデュークさんだった。
「流石だなカーラ!これであの魔族王子に並ぶ記録達成だな」
自分の事の様に喜ぶシンプソンさん。
「おめでとうございます!カーラちゃん!」
俺達はカーラちゃんを取り囲み喜びを分かち合う。
「ありがとうございます!皆さん!」
カーラちゃんも嬉しそうだ。
「よし!じゃ早速ニコラウスの旦那んとこ戻って結果報告だな!」
「はいっ!!」
そうして俺達はニコラウス邸に戻りニコラウスさんにカーラちゃんの魔族王子に並ぶ記録で冒険者登録出来た事を報告した。
もちろんカーラちゃん口からである事は言うまでも無い。
ブルーノとランスさんもその場に同席していたから同時に知る事となった。
余談ではあるがニコラウスと何故かブルーノまで涙を流していた。
まぁ二人ともその事実は認めなかったが。
まぁ何はともあれこうしてカーラちゃんも冒険者になった事で晴れて我らデザートフォックスの一員となり竜狩りに同行する事となった。
ここまで連日投稿を続けてきましたが次話投稿はGW明けの5月7日(火)19時を予定しています。次話はようやく?竜を狩りに行き、そこで予想外(自分としては)の展開になりますので是非ともチェックしてみて下さい。引き続き宜しくお願い致します。




