第一話 「異世界転生は激痛」
痛っでぇぇぇええええ!!!
何コレ!?
何なん??
え??え??
ちょ、えぇっ?
あ痛だだだだだだ……!!
な、何だっけ!?
ま、まずは落ち着け!!
お、落ち着くんだ俺!!
落ち着いて考えろ!
………………
……っ!!そうだ!!転生したんだ!!
って事は、や、やっぱ少女姿の神様との話は夢じゃなかったんだ…。
つ、つーか、こ、この痛み…ゆゆ夢な訳無ーし!!
それにしてもとんでもなく…激しい痛みで目覚めさせられたもんだな。
いや、とんでもなく激しい痛みなんてもんじゃないぞこれ…。
あまりの痛みに、こ、このまま普通に死ねるでしょ…。
で、一体何がどうなってるんだ!?
何でこんな痛い目に遭ってんだ??
えーと……えーと…
そうだ!!
た、確か、この体の前の持ち主は不幸な事故で亡くなるとかって言ってたな。
と言う事は、その不幸な事故にあって亡くなったトコか!?
ど、ど、どうりで死ぬ程痛いわけだ……。
と、とりあえず俺は、今どうなってる??
…どうやら俺はうつ伏せに倒れているみたいだな。
頭から流血してるな……痛てーし…寒みーし…寒いのは血が出過ぎで貧血なのか…?
と、とにかく起き上がって状況を確認しなきゃ…
つーか…体中痛くて思う様に動かない…。
あ、あまりの痛みに…気が…遠…く…なって…
…………
…いかんっ!!いかんっ!!
このまま落ちたら死ぬぞ!俺!!
よ、よし、先ずは指先から動かそう……。
ダ、ダメだ……ピクリと動かすのがやっとだ……。
や、やっぱ……ダメ…か…も…………
……………
…わわわわわ!?また落ちるとこだった…!
中途半端に指先からとかやってるからダメなんだ!!
い、今こそ、き、気合だ…!!
3つ数えて何とか体勢を仰向けにしよう…行くぞ…1…2…の…3っ!!
「……んがあぁあ!!」
よ、よ、ようし…き、気合いと根性で何とか仰向けになったぞ…。
「「「ひぃいぃぃ…!!!」」」
ん?
おお…この世界の初村人!!ってててて……。
そ、それにしても人の事をまるで幽霊でも見た様に驚いてるな……。
お、俺も初村人の驚いてはいるけどま、まずは状況を把握しなければ………えーっと……
怯えた子供達以外に確認出来るのは…高さ20m程の切り立つ崖と吊り橋だ。
と言う事は俺はあの橋から転落して死んだと考えるのが妥当だろうな。
いずれにしてもダメージ大でHPが限りなく0に近いから子供とは言え近くに人がいたのが不幸中の幸いか…。
「お、お〜い…!ぼ、僕達ぃ〜痛ててててててて」
っ!?
俺今、何語で喋った?!
つか、喋るだけで全身に激痛が走るな……。
「ヴィ、ヴィンス……?」
「オ、オバケじゃない…?」
「よ、止せよ……!」
子供達も知らない言語で喋ってる…!
つーか、何で知らない言葉なのに理解出来んだ?
頭の中で考えているのは日本語だけど口にすると自然と知らない言語で喋れるし。
ん〜……こうゆうのって転生者あるあるなんだろうか?
…考えられるとしたら、この体の前の持ち主が意識せずともしていた事はそのまま引き継いだって事か?
例えるならウ〇コが垂れ流しにならない様に無意識に括約筋が働いてる、みたいな。
まあ、転生して言語の壁にブチ当たらないのはラッキーだけど、チートっ程でも無いか。
「……ィンス!」
「…ーい!!」
「…ヴィンス!!」
ん?
ヴィンス…って俺の事??
いや、激痛の中、転生した事を受け入れながら考え事していたから呼ばれてんの気付かなかったよ。
それより早いとこ助けてもらわにゃ……。
「お、お〜い…!誰か大人の人…い、いてててて…よ、呼んできてくれないかな…?」
ん?子供達はさっきまでの驚きの表情から一転、明らかに不思議そうな顔に変わったぞ。
どうでも良いけど早く助けてくれ。
「お、お〜い…聞こえたか〜い?誰か大人の人呼んできて!ね!お願いだから」
『…ヴィンスの奴、何か変じゃない?』
『う、うん。髪の毛の色と言い、あのおじさんっぽい喋り方と言い、普通じゃないよ』
『頭打っておかしくなったかな?』
何やら子供達がひそひそと密談しているな。
何でもいいからとにかく早く誰か助けを呼んでくれ…!
こちとら喋るだけでも死にそうなんだから。
「ね、ねぇ!僕達ぃ!き、聞こえてたら手ぇ振ってくれるかな?」
『…………………』
「お〜い!頼むよ…!」
聞こえてないのかな?
『ガスラン、どうする?』
『…とりあえず死んでなかったから放っておく?』
『とりあえず死んでなかっただけで、このまま放っておいたらヴィンスのヤツ死んじゃうだろ』
何をひそひそ話してるんだ?頼むよぉ…子供たち…。
『そうしたら、やっぱり僕達刑務所行きになっちゃう!?』
『じゃあ助ける?』
『いや、助けたら助けたで俺達のせいで橋から落ちてケガしたのバレちゃうぞ』
『それはヤダよ!』
『助けても見捨てても僕達刑務所行きなの?!』
『………いや、待てよ。
ヴィンスの奴さっきから何かおかしいだろ?
あれってもしかしたら、きおくそうしつって病気になってるのかも知れないぞ』
あぁ……気が遠くなっていく……何をごちゃごちゃ話してんだ?いいから助けてくれ……。
『あ!僕それ聞いた事ある!全部忘れちゃう病気でしょ!?』
『っていう事は俺達の事も忘れてる?だったら助けても僕達のせいで橋から落ちたって事も忘れちゃってるって事!?』
『そういう事だ。だから今から確かめてみようぜ』
お?子供のうち一人がこっちを覗き込んできたぞ…!
子供達の秘密会談は終わったか?
終わったなら早いトコ助けを呼びに行ってくれ…。
「お〜い!ヴィンス!」
「お、おぉ!き、聞こえてたか!早く誰か大人の人を呼んできて…くれ…!」
ふむふむ、やっぱり俺の名前はヴィンスっていうみたいだな。
「その前にお前に聞きたい事がある!」
「何だ?そ、そんな事より早く助けを呼びに…」
「ダメだ!お前さっきから何か怪しいからテストをする!」
何なんだよ…テストって…いいから早く助けを呼びに行けっていうの。
いだだだだだ……こっちは死にそうなんだから……つーか転生失敗でもう普通に死ぬよ?
「ヴィンス!俺の名前を言ってみろ!」
え!?
このチビッコの名前??分からねーつーか知らねーし。
ジャ〇じゃなかった、ケンシ〇ウって言えば正解か?
「どうしたんだよ!早く言えよ!」
ん〜困った…まったく分からん!
適当に言うか?
いや、的外れな事言って外れるより正直に分からないと言った方がマシだろう。
「え、えーっと、分かりません…」
「ほら!ガスラン、やっぱり!」
やっぱりって何だ?
「まだだ!次はお前の父ちゃんの名前を言ってみろ!」
「…分かりません」
「この街の名前は?」
「…分かりません」
「こいつの名前は?」
「…分かりません」
「こいつは?」
「…分かりません」
やばい……完全に怪しい印象を与えてる。
やっぱり適当に答えた方が良かったか?
いや、適当に言って外れた方が怪しい上に嘘つきだと思われる。
「…最後に、お前は何でそこで寝ている?!」
「多分、その橋から落ちたんじゃないかと…」
「……ちょっと待ってろ!」
そういうと子供達は再び俺からは見えない位置に移動した。
怪しいから放って帰られちゃったかな?
もう一回呼ぶか?
いや、待ってろって言ってたから何かまた作戦会議いや、民事裁判をしてるのかも知んないな。
『どうする?』
『あの調子だと、やっぱりきおくそうしつじゃない?』
『うん。嘘ついてる感じには見えないしな』
『でも、あの喋り方と髪の毛の色は?やっぱり別の意味で怪しいよ』
『え?見かけはヴィンスだけど、実はオバケって事?!』
『ばか!よく分かんないけどヴィンスのヤツやっぱりきおくそうしつで全部忘れてるっぽいから、放っといて死なれるより助けた方が刑務所行きじゃ無くなるんじゃないかな?』
『う、うん。そうだね…』
『このまま放っておいて死んだら髪の毛の色はともかくヴィンスって事はバレるから犯人探しが始まっちゃうよ!そしたらいずれ僕達捕まっちゃうんじゃない?』
『よ、よし!じゃあ僕達で大人を呼びに行こう!そうすればオバケだとしても大人が何とかしてくれるだろうし、僕達は助けに行ったから刑務所行きじゃなくなるし上手くいけば人を助けたってひょうしょうされるかもな』
『そ、そうしよ!』
『流石、ガスラン!ズルい事にはあったまいい!…って、痛ってー!!何で頭殴るんだよ!?』
『バカ!ズルい事だけじゃないだろ!僕は頭がいいんだ!』
『だからって殴らなくてもいいだろ!』
『うるさい!もう1発いくぞ!』
『わ、わかった、分かったよ…』
『分かればいいんだ、じゃあお前らは誰か大人の人を助けに呼んでこい。いいか?余計な事を言うなよ、僕達がたまたま橋を通りかかったらヴィンスが橋の下に落ちて助けを呼んでいたんだからな!いいな!』
『わ、分かってるよ…』
『ガスランは?』
『僕はここでヴィンスの様子を見てる』
『分かった、じゃあ大人の人探してくる』
『うん。早くな』
『『うん!』』
お!?や、やっと来たか…。正直死にかけてたぞ……。
「待たせたな、ヴィンスよ!」
ん?何やら偉そうな態度のお子ちゃまだが、まあいいか。
早く助けてくれ。
いや、助けてくれないのか?
「えーっと…裁判の結果は如何だったのでしょうか…?」
「うむ。裁判の結果は申つ、し、もうしつ、た、たま、つ…」
「申し伝える?」
「そ、そうだ!」
何だ?何だか裁判の判決を待つ被告人になった気分だな…。
「……ゴクリ」
何なんだよこの沈黙は!!子供相手に緊張して固唾を飲んでしまったじゃないか!いやこの子達の気分如何で本当に死ぬ可能性あるからな、緊張するわ。
「裁判の結果、ヴィンスは無罪とする!」
「…ほっ。ああ、良かった〜」
ん?何で無罪なんだ?俺何か悪い事したのか?
しかも何でお子ちゃまが助けを呼びに行くだけでこんなにホッとしてんだ俺?
まあ、いい。
今は助かる事が先だ。
~
「おお、本当にヴィンスじゃないか!?今助けるから待ってろよ!」
お子ちゃま達が助けを呼びに行って10分位だろうか、ようやく大人が助けに来てくれた。
でも大人とはいえ3人で俺をこの谷底から助けられんの?
大人2人とお子ちゃま3人が崖の上でロープを持つ形で1人の大人がロープを腰に巻きゆっくりと崖を降りてくる。
「っと、ようし!ヴィンス!待たせたな!」
谷底まで降りてきてくれて俺の事をヴィンスって親しげに呼ぶこの大人はなかなか興味深い格好だな。
深い赤の布地で出来た服に銅だか鉄だかで出来た胸当てと茶色いズボン、革のベルトを巻き、ベルトには短剣より少し長い剣とナイフをぶら下げている。
慣れた感じでロープを使い崖を降りてきたり、いかにも!な服装からして冒険者か何かなんだろうか?
まあ、この助けに来てくれた冒険者の素性は良いとして今は助けてもらう事が最優先課題には違いない。
相変わらず体中がコナゴナになった様な痛みだがようやく助けられる。
だけどどうやって俺を崖の上まで運ぶの?
「もう大丈夫だからな!後少し頑張るんだぞ」
そういうと助けに来てくれた冒険者は跪く様にしてしゃがみ俺に向けて両手をかざした。
「中級治癒魔術」
え!?今、治癒魔術って言った!?
魔法??
そう思った瞬間、冒険者の手が淡く光り、その光は優しく俺を包んだ。
「っ!?
何これ!?魔法??」
まだ体のあちこちが痛いがさっきまでの痛みに比べたら雲泥の差だ。
何とか立ち上がれる位までは復活した。
「魔法??とは失礼だな、俺だって中級治癒魔術位なら使えるの知ってるだろ!?それよりどうだ?少しは良くなったか?」
心配そうに俺を見る冒険者、つーかこの人かなりのイケメンだな。
「え?あ、ええ、だ、大分良くなりました、何とか立ち上がれる位にはなったと思います」
「そうか、とりあえずは良かった。俺は治癒系の魔術があんまり得意な方じゃないからな、ホントだったら高度治癒魔術が使えればもっと楽だったろうけどな」
「いえ、ホント助かりまし……た……?」
お礼を言いながら立ち上がろうとした時、異変に気付いた。
何という事でしょう…!?
生前は身長175cm、体重80kgの中年メタボ構成員だった俺が崖の上にいたお子ちゃま達位の大きさになってるじゃありませんか…。
身長1mちょっと?体重もまあ、軽いだろう。
助けてくれた大人を完全に見上げている。
……そうか、転生してお子ちゃまになったのか!?
「それにしてもガスラン君達の言ってた通り、ヴィンスの髪の毛が銀から金に変わったってのは本当だったなんだなぁ…って今はそれどころじゃねーか、ワリーワリー!」
「あ、いえ………」
髪の毛の色が変わったのか?今銀から金って言ったよな?例の金色の魂とやらが銀色の肉体に入ったって事か?
だとしたら匿名希望の神様が言ってた通りだし、転生は成功って事か?
「とりあえず上まで登んなきゃな、よし!乗んな!」
ん?冒険者が膝をつきしゃがんでる、背中乗れという事か?
「あ、はい…すみません…」
俺は好意に甘える形で背中におんぶされる様にしがみついた。
「しっかり捕まってろよ」
そういいながら冒険者は俺をおぶったまま立ち上がり、降りてきたロープを器用にたすき掛けにしたり脇の下を通したりと完璧に自分と俺とを密着させた。
「よし!そんじゃ行くか」
冒険者は上を見ながらロープを2回ちょんちょんと引き上に合図する。
「いいか!?引き上げるぞ!!」
「おう!!頼むぜ!!ゆっくりな!治癒したと言え応急処置程度だからな!!」
「分かってる!!お前の下手な治癒魔術だからな!!」
「っるせー!!早く引き上げろ!!」
「おう!!いいか、お前たち!行くぞ!せーのっ!!」
皆のおかげで俺は何とか地上に戻る事が出来た。
「おお!!良かった良かった!!」
「ったく、ヴィンスはしょうがねーなー!何とか助かったから良かったものの気をつけんだぞ」
大人達が手放しに俺の帰還を喜んでくれる中、子供達はどこかよそよそしいな。
何だったら今すぐにでも帰りたさそうだ。
「ありがとうございました。皆さん!皆さんのおかげで助かりました。何とお礼を言ったらいいか…」
「礼だったらガスラン君達に言うんだな、何しろ血相変えて俺達に助けを求めに来たんだからな」
そうだな、何だか呼びに行ってくれるまで時間がかかってたけど何とか無事助かったから感謝しなきゃな。
「はい!本当にありがとうございました!皆さんが助けを呼びに行ってくれたおかげでこうして無事戻れました。ありがとうございます!」
「な、ぼ、ぼ、僕達は…別に…」
「そ、そそ、そうだよ、な、なぁ?ガスラン?」
「いや。ヴィンス、俺達はお前の命の恩人だからな!感謝しろよ!」
「な!?ガスラン!!」
「ちょっと…それは…」
ガスランと呼ばれているお子ちゃまだけはやけに偉そうだが残りの2人は何やらドギマギしている感じだな。
「ガ、ガスラン…!も、もう僕達、か、帰ろうよ」
「そそ、そうだよ、帰ろう…?!」
「うるさいな、お前達。おい!ヴィンス!お前、本当に何も覚えてないのか?」
帰りたがる2人とは別にガスラン君と言う子供は俺と話をしたそうだな。
「あ、はい。何にも覚えてないです」
「ん?どういう事だ?ガスラン君」
「えーと…ヴィンスの奴、橋から落ちて怪我してきおくそうしつになったみたいなんだ」
「は?記憶喪失!?…記憶喪失かぁ……なるほど、さっきから何やら雰囲気違うなと思ってたんだが…髪の色が変わったせいかとも思ったけど、そうか記憶喪失になっちまったって言う訳か。それで喋り方も変わったのか?」
記憶喪失と言えばその通りなんだけど正確には死んで違う魂が転生してきたから前のヴィンス君の記憶が無くなったって事だけど…。
「あ、はい。自分が誰でここが何処なのか?まったく分からないんです」
「そうか……記憶喪失だけはいくら治癒魔術でも治せないしな、ん~まあ、とりあえずヴィンスの家まで送って行くから、今日のところは家でゆっくり体を休める事だ」
崖下まで下りてきてくれた冒険者が俺を家まで送ってくれるのか、それは助かるな。
何しろ道も家も分からないからな。
「クラリスなら高度治癒魔術使えるから少なくとも傷は完治するだろうしな」
さっきの治癒魔術より高度な治癒魔術があるみたいだな、で、クラリスさんって人がその魔術を使えるって事か。
「クラリスさんって医者か何かですか?」
「いしゃって何だ?いしゃってのはよく分からないがクラリスはヴィンスの母ちゃんじゃねーか…こりゃ本当に記憶喪失なんだな」
そうか、治癒魔術があるこの世界では医者は要らないのか、で、クラリスさんは俺の母親なのか。
『きおくそうしつは大丈夫そうだね』
『でも高度治癒魔術かけられたら直っちゃわないかな?』
『いや、さっききおくそうしつは治癒魔術でも治らないって言ってたから大丈夫だ』
何やらまた子供達がヒソヒソと話し合っている。
「お、おい!ヴィンス!!も、もし記憶が戻ったら真っ先に僕の所に来るんだぞ!!分かったな!!ぜったいだぞ!!」
「え?あ、あー、命の恩人ですもんね、分かりました」
少し恩着せがましくも思うが、まあ命の恩人だ、仕方ないな。
『流石ガスラン、ズルい事にはホント頭いいね』
『ホントホント!だけどこれでもしもヴィンスが記憶戻っても何とかなりそうだね、ガスランのズル賢さで言いくるめちゃえばいいしね』
『『いってーー!!』』
『お前ら、いい加減にしろよ!』
『それはこっちのセリフだよ!』
『そうだ!いちいち殴らなくていいじゃん!』
『うるせー!もう1発いくか!?』
『わ、分かったよ…!』
子供達が何やら内輪揉めしているが、今は家路を急ぐとしよう。
また礼は改めて来るからな、子供達よ。
「それじゃあ僕は帰ります。助けてくれて本当にありがとうございました!」
「あ、ああ。どう致しましまし…て」
「き、気をつけてな…」
「いいな、ヴィンス!何か思い出したら俺んトコにまず来るんだぞ!」
「ええ、分かりました。それじゃあ…あ、それから!」
「な、なな、何だ…!?」
「また遊んで下さいね!」
「「「あ、あ…ああ…」」」
「さあヴィンス、そろそろ行くぞ。ガスラン君達も暗くなる前に早く帰るんだぞ」
「それじゃあ、サヨナラ!」
俺は助けてくれた大人たちと一緒に家へと向かう。
「「「さ、さようなら…ハハハ…」」」
何か子供達はぎこちない挨拶だったが、まあ無理も無いだろう。
死んだと思った人間が生き返ったんだからな。
まあ、いずれにしても人脈、特に友達はどこの世界に行っても必要だ。
早く体力回復させてこの世界に馴染まなきゃな。




