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第二十五話 「緊張感」

 お姉さんの長い脚に踏みつけられたまま試験終了を告げられた。

 嘘だろ??まだ出来るっつーの!!


「まだ…出来ますよ……くっ……ぎゃふん!!」


 俺は両手両足に力をいれお姉さんの脚を背中で持ち上げる様に立ち上がろうと試みる、が、あえなく踏みつぶされ三度(みたび)地面に平伏す。

 ん~綺麗なお姉さんに踏みつけられるのも悪くないな……。いや!!違う違う!!


「さっき終了の合図があったの聞こえなかった?」


 え?!そんなのあった??全然気付かなかった。

 お姉さんが脚をどける。それはそれで寂しい様な……って違うだろ!


 俺はゆっくりと立ち上がり服の土埃を払う。


「終了って事は……?」


 恐る恐るお姉さんに聞く。


「私が試験終わらせた訳じゃないから分からないけど周りを見てみたら…?」


「えっと……」


 俺はブルーノ達の方を見る。


 ブルーノは頷き、デュークさんは親指を立てている。

 ランスさんは両手を挙げ、シンプソンさんは例の星が出そうなウインクと白い歯を見せたとびきりのスマイルだ。

 暇つぶしに来ていたであろう観客もほとんどが立ち上がり拍手をしてくれている、いわゆるスタンディングオベーションってヤツだ。


「と言う事は……?」


「さあ…?結果は審判団が決める事だけど、少なくとも私が今まで戦ったどの冒険者試験生より強かったのは確かね」


 お姉さんは変わらず微笑んでいるがその微笑みはエロいというより優しい表情だ。


「本当ですか?!」


「ええ、こう見えて私も腕には自信があって冒険者としてもそれなりに名を馳せたのよ?その私と同等に戦える5歳児なんてホント恐ろしいわ」


「いえ、完全に押されてましたけど……」


「ふふふ、そうかしら?私が試験官をやるなんてそうそう無いんだけど何で今回急に駆り出されたか分かった様な気がするわ」


「そうなんですか?ちなみに何でか聞いても?」


「あなたは強いからその強さにうぬぼれて早死にしない様、冒険者の厳しさを教えてやれって、そして全力をもってあなたを打ち負かして落とせって」


 う……!確かにうぬぼれない様にしようとは思いつつ、ついチートだとか高い身体能力にうぬぼれる時もあるな……。


「確かにそう言うところはありました、それに今回の試験で冒険者の厳しさも上には上がいる事も思い知らされました。それに最後は完全に背後取られたどころか踏みつぶされていましたから俺の負けです…」


 実際あそこで剣なり魔術なりでトドメ刺されてたら死んでたかもしれないし。


「その前に私の胸、掴んだでしょ?」


 お姉さんが自らそのデカメロンを掴みながら俺に聞く。


「え?い、いや、あれは、そ、その、け、決して、わざとじゃなくってですね……」


「ふふふ、子供のくせにませてるのねヴィンスは。でも言いたいのはそう言う事じゃないのよ?」

「え?と、と言いますと……?」


「私の胸を掴んだままヴィンスが躊躇せずに上級魔術使ってたらどうなってたと思う?」

「そ、それは……」


「私が死んでたでしょうね」

「…………」


 言えない……戦いの最中にデカメロンの感触に酔いしれていたなんて……言えない……。


「だからあの時点で終了の合図が鳴ったって訳」

「そうだったんですか、でも、終了の合図すら聞こえないくらい必死だったですし…何度か手加減してくれていたので敵いませんでした、完敗です」


「本当?ヴィンスったらやっぱり子供ね、嘘が下手よ」


 お姉さんは魔性の微笑で意味ありげに言う。


「え、嘘なんてついてませんが…?」


「本当?全力出した?何か隠してない?」


 そう俺に聞くお姉さんの目線は心を射貫くように鋭い。


「う…!?ななんの事だか……」


 何でバレてる?いやはったりか?でも、お姉さん相当の実力者っぽいし…。


「ふふふ、まぁ良いわ二人だけの秘密にしておいてあ・げ・る」


「ふははは…は…はは、あ、あざーっす…」


 完全に目が泳いでるだろうな…。


「ヴィンス・ギャレット!!」


 審判団から声が掛かる。


「は、はいっ!!」


 ヤッベ!緊張する!!


「結果は……」


 結果は……???


「冒険者ギルドにて3日後に掲示し告知する!!」


 へ??………そうなの??

 この場で分かるものじゃないの??

 不安じゃん……お姉さんの口ぶりや周りの反応見ると期待しちゃうけど、適正試験落とすのありきだって言うし。

 何しろ勝てなかったし最後は踏みつぶされて終わったしな……。


「3日後、冒険者ギルドへ確認しに参られよ!!」


「は、はいっ……!!」


 ちらりとお姉さんの方を見る。

 お姉さんも気付き俺にウインクをしてくれたがどういう意味だ??

 少なくともシンプソンさんのシューティングスターウインクより色っぽく見惚れたが。


「じゃあまた3日後ね、ヴィンス」


 お姉さんはそう言いながらウインクと投げキッスをし入場してきた方へ踵を返し戻って行った。


「あ、ありがとうございました!!色々学べました!!」


 お姉さんは振り向かずそのまま背中越しに手を振り応えてくれた。


 その姿を確認すると俺も入場してきた方へ戻り退場する。


 退場口ではブルーノ達が出迎えてくれる。


「凄いな!!ヴィンス!!」

「ブルーノとデュークが自信満々だったのも始まってスグに理解したぜ!」


 ランスさんとシンプソンさんが真っ先に駆け寄り褒めてくれる。


「更にレベル上がったみたいだなヴィンス」

「父様、でも勝てませんでした…」


 俺は頭を下げる。


「何言ってんだよヴィンス!試験は勝ち負けじゃないんだぜ」


「そうなんですか?じゃあ勝てなくとも合格って事も有り得るんですか?」


 勝ち負けじゃないって言葉に俺は一筋の希望を感じ顔をあげた。


「まあ一番確かなのは試験官に勝つ事だが、ほとんどの受験者は大人でも勝つ方が稀だし、負けても合格するやつは合格するしな」

「私が試験を見ている限りここ最近じゃ一番の戦いだったよヴィンス」

「俺もヴィンスと戦ったら一筋縄じゃいかねーと思うぜ」


「そうですか?!」


 皆の声にそう悲観的になる事も無い気がしてきた!


「それにしてもヴィンス、よくあの飛翔術できたな!ありゃあ魔族、その魔族の中でも限られたヤツにしかできない技だぞ?それをいとも簡単にこの戦いの最中に出来ちまうなんてよ、一体どうなってんだお前ってヤツは!?」

「え?そうなんですか?!デュークさんでも出来ないんですか?!」


「あ、ああ、残念ながら出来ねーな……つーかここにいるヤツ観客、審判含めてお前とあの姉ちゃんだけだぞ、あんなの出来んのよ!」


「悔しいがデュークの言う通り俺も出来ねーな」

「私も無理ですね、そもそも手のひら以外から魔術は出ないですからね」

「俺も色んなとこ色んなヤツにあったが人族で飛翔術使う奴なんて見た事ねーな」


「そ、そうなんですか?」


 そう言うもんなのか?!って言う事は知らぬが仏で変な先入観がないからできたのかな??


「まぁ、それについては追々また教えてもらうとして、いずれにしても良くやったヴィンス!後は結果を待つばかりだ」

「父様」


 ブルーノがその厳つい手で俺の頭をくしゃくしゃと撫でる、その力強さに受かる気がしてくる。

 この安心感を与えるのが父親の威厳ってヤツなんだろうな。


「それにしてもあのお姉ちゃん強ぇな、あんなの冒険者試験に出てくる強さじゃねーぞ」

「ええ、私も驚きましたギルドの受付があんなに強いなんて」


 デュークさんとランスさんもあのお姉さんの強さに驚いている。やっぱ相当の実力者だったんだな、お姉さん。


「それもそうだけどよ、その強ぇ姉ちゃんと互角に渡り合う5歳児の方が驚いたぜ俺ぁ」

「あのお姉さんも久々に全力を出したって試合後言ってました」


「まあ魔族だからな魔術の使い方は長けてるけど、それにしても強いぞあのお姉ちゃんは」


 俺を含め試験会場の方、つまりお姉さんの方を見るがお姉さんは会場を後にした様で姿は見えなかった。


「よし!んじゃヴィンス合格の前祝と行くか!!」


 デュークさんが手をあげ呼びかける。


「お!良いなデューク!たまには良い事言うな!」


 すぐさまそれに乗っかるシンプソンさん。


「それでは私がそのお祝いを持ちましょう」


 紳士らしい振る舞いのランスさん。


「良いのか?ランス、こいつ等にそんな事言ったら破産するぞ?」


 ブルーノがランスさんのも申し出を心配する。


「あっと……それじゃあ…ヴィンスの分だけと言う事で…」

「何だよランス!!男が一回言った事取り下げんのか?!」


「おめーみたいのがいるからランスも取り下げたんだろ?シンプソンよう」

「あ?デューク!てめーにだきゃ言われたくねーな!」


 やばいな……フラグっぽくね?前祝とかこの良い感じの絡み合いって…。


「あ、あのぅ…やっぱりこういう事って…受かってからにしません…?」

「は?何言ってんだよヴィンス、もう受かったも同然だろ?大丈夫大丈夫、かっかっか」


 やめろぉ…完全アウトのフラグだろ、それ……。


「あの戦い見て落とすなんて事は無い、観客と言う証人も大勢いたし落とす理由が無い」


 そ、そうなのかな……?でもヤバいんじゃないか?そう言う風な外堀埋めるもの…なんか落ちるフラグの様な…。


「お金の事なら冗談だからヴィンスが気にする事じゃないよ?」


「い、いえ…そういう事では無いのですが……」


「あんだけ強ぇのになかなか心配性なんだなヴィンスは」


「や…まあ……そうなんですが……」


 ダメだ、この前と同じ流れだ……こいつ等聞く耳持たずだな……。




 そんなこんなで適正試験終了後その足で酒場に流れた…。

 まあ…結論から言うと前祝と称した宴会は楽しかったけどさ。

 フラグ的不安は残るよな………。





 ~~3日後~~



 朝から仕事のブルーノとランスさんを除いたデュークさん、シンプソンさん、俺の3人で冒険者ギルドに来た。


 やっぱ緊張するよな………こういう発表とかって。


 何しろ結果発表の今日まで3日もあったから、あの時ああすれば良かったとか、何でああしたんだとか反省する時間があったもんだから不安の方が強くなってきちゃったからな。


 そんなこんなで緊張して尻込みする俺を他所にデュークさん、シンプソンさんがギルドへ入っていく。


「ちょちょちょ、待って下さいよ、2人とも!」

「あ?何やってんだよヴィンス、早くしろって、モタモタしてっと先に見ちまうぞ」


「いや……ちょっと、心の準備が……」

「本当に心配性だな、ヴィンスは、大丈夫だって」

「シンプソンさんまでそんな無責任な……」


 喋りながらもこの2人は止まらないので心の準備もクソも無くギルドに入るとギルド1階がざわついた。


『おい、あれって…』

『ヴィンスってのあいつか…?』

『デュークとシンプソンの連れか』

『まだガキじゃねーか』


 などとざわざわしている。


 これって受かってる感じのやり取りだよね?


 これで落ちてるってあるか?


 いや、あるな。


 試験は良かったって噂だったが落ちたってよ、って繋がらなくもない。


 デュークさんとシンプソンさんは意気揚々とギルド中央部を進み2階へと歩を進める。


「あ、ちょっとぉ…待って下さいってば」


 色々と考えていると置いて行かれてしまう。

 俺は小走りで2人に追いつき階段を上る。


 2階に上がっても同じくざわざわとなる。

 俺を含む3人を通す様に冒険者達が道を譲る形で受付まで一直線に開く。


「あらヴィンス」


 一直線に開いた先にはカウンターがあり受付のお姉さんが俺に気付いた。


「あ、せ、先日はどうも……」


 なんとも言えぬ緊張感の中、知っている顔を見てちょっと緊張が緩むのと同時にお姉さんの顔色を伺い合否を探る。


 お姉さんのあの表情はどっちだ??


「合格おめでとう」


 おめでとうか……う~ん……どっちだ…??

 え??今合格とか言った??

 受かったの??


「やっぱな、言ったとおりだろヴィンス」

「当然の結果だな」


 え??ええ??ちょ…こう言うのってなんて言うの?

 やっぱ合格発表の紙を恐る恐る見るって言うのも醍醐味の一つじゃん…。

 さっきまでの緊張は一体全体なんなん??


 俺はもう何の緊張感も無く小走りで発表の掲示板まで行き結果を見る。

 そう、何のためらいも緊張感も無く、なんだったら少しキレ気味に。

 うん、合格って書いてありましたよ、ええ、知ってますよ。

 2階に上がった途端、不意打ちに知らされましたから!


 つーか、ギルドに入った時点で冒険者達がざわつくから薄々は分かってましたがね。

 それでもやっぱ、あえてドキドキしたい、そんな感情あるやん…。


「あ、合格って言うのは適性試験もそうだけど冒険者試験も免除で合格だって意味よ」

「え?」


 お姉さんの言葉に意味がよく分からない……。

 どういう事?一気に冒険者にまでなったって事か??


「おお、良かったなヴィンス、手間が省けたじゃねーか」


 いや、手間が省けたとかって以前にサラリとし過ぎじゃない?


「だけど何で適性試験受けて合格しただけで冒険者にまでなれたんだ?」


 おお、ナイス質問!シンプソンさん!そう、それだよそれ!


「何でもこの3日間でギルドとして協議した結果ぁ、私より強い冒険者試験官はいないから今更?冒険者試験受けても意味ないだろ、って事になったみたいよ」

「ああ、なるほどな」


 ああ、なるほどなって……シンプソンさんもあっさり納得してるけどホントか?!

 ドッキリかなんかじゃないの?


「よし、んじゃ帰るか」

「ぅおーーい!!デューク!!」


 俺は思わずコントばりに突っ込んだ。


「な、何だよヴィンス、急に大きな声出して?」


 もうちょっと感傷に浸ったりとか無いのかね?この人たちは。

 一応史上最年少記録だよ?

 もうちょっと何かないのかね…?


 はぁ……いいや、こっちも拍子抜けしたのも事実だし。


「いえ何でも……帰りますか」


「じゃあさ、何か食ってかねーか?俺腹減っちまってよ」

「そうだな、少し昼には早ぇが一杯やってくか」


 ダメだこりゃ。

 こいつらに緊張感を求めちゃあ…。


「あ、ヴィンスは残ってね」


 お姉さんが俺を引きとめる、何でも冒険者登録の手続きがあるとか。


「じゃあ、ヴィンスまた後でな」

「この前の酒場にいるから終わったら来いよ、待ってるからな」


 だよね、この人達ときたらそうだよね。


「はい…。それじゃあ後で」


 この後、俺はギルドの所長と面談して正式に冒険者登録カードを発行してもらいギルド公認冒険者となった。


 何かドタバタとなってあまり実感ないけれど……。


 まぁ、とりあえずは目標であった冒険者にはなれたからこれで堂々と竜を狩りに行けるから良いんだけどね。


 まぁ何はともあれ無事、冒険者になる事が出来た。


 これで晴れて竜狩りにいけると思うとオラ、ワクワクすっぞ!!

 つーか前世じゃ自分から危険な目に遭いにいくのにワクワクするとかって考えられなかったな。


 しかし何だな、そう思うと前世での痛い目に遭う事を避けに避けて来たのってどうだったんだろ?


 痛い事や嫌な事から逃げてきた生き方に嫌気が差したりもしたけど、それでも痛い目とか嫌な事に遭わない様に遭わない様に逃げて後悔、また逃げて後悔って繰り返してたけど。


 確かに転生して身体能力に優れた体になったとか、魔量が多いとか、特別な魔術が使えるとか何だかんだでチート能力なんだろうけど、この世界でも強いヤツは多いし痛い目にも遭う事あるけど思っていたより痛い目って痛くないって言うかアドレナリンなのか何なのか戦いの最中って夢中だしな。


 痛い目も嫌な事も乗り越えた先に達成感にも似た爽快感と言うか。


 ま、偉そうにそんな事言えるのも治癒魔術がある安心感からなんだろうけどね。


 冒険者ギルドを出てデュークさん達行きつけの酒場へ向かっている。


 5歳児が1人で大人が待っているとは言え昼間っから酒場へ向かうって、これも前世じゃ考えられないな。


 まあ、せっかく得た転生チャンスだ、細かいことは置いといて目一杯生きようじゃないか!!


 そう考えると顔を上げ胸を張り足早になってくる。


 なんだか良い事がありそうな気がする!



 ~



 ここだ、『(ふくろう)(くちばし)亭』


 冒険者ギルドからチコレット市門方面に向かい比較的冒険者やら旅人やらが多い雑多な地域にある宿屋だが宿屋の中で上級な方だ。


 宿屋には飯屋兼酒場が併設されている事が多く、冒険者や旅人の情報交換の場になっていてまあ酒も入れば喧嘩もあったりするが色んな意味で社交場の意味合いが強い。


 開けっ放しの入り口から入ると左手に宿の受付、右手が広く開いていてレストランと言うか居酒屋と言うか複数のテーブルがあり賑わっている。


 人は多いがシンプソンさんの大きい体とピンクのモヒカンでスグに見つけることが出来た。


「おう、ヴィンス、無事冒険者登録できたか?」


 デュークさんも俺に気が付いた。


「はい、あの後チコレット冒険者ギルドの所長サムエルさんと面談して無事、冒険者登録カードを発行して貰いました」


 そう言いながらポケットから出来たてほやほやの冒険者カードを見せる。


「お、ホントだ、なかなか男前に写ってるじゃねーか」

「そうですか?僕ってこんなに子供ですかね?」

「ああ、よく出来てるぜ」


 そう、冒険者カードには写真と言うか無表情の顔が印刷と言うか描かれている。

 何でも複製や偽造が出来ない様に神級の魔法陣が刻印されていて、そこに本人の魔力を流し込む事で反応して出来あがるこの世に2つと無い本人限定の代物らしい。


「そうとなりゃブルーノんとこ行って早くヴィンスの冒険者になった事も知らせねーとな」


 冒険者カードを俺に返しながらデュークさんが言う。


「ああ、竜狩りについても早ぇとこ決めねーといけなーしな」


 シンプソンさんはビールっぽい飲み物を飲んでいる。


「じゃあこの後、ニコラウスさんへの報告と併せて父様の所へ行きましょうか?」

「そうだな、そうすっか」



 その後、簡単な食事と俺はソフトドリンクで昼食を済ませ『梟の嘴亭』を後にしニコラウス邸に向かうのであった。

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