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第二十二話 「領主の画策」

 ~~カーラ目線~~


 いろいろ取り繕っている内に我が家に到着してしまったわ……。

 どうしましょう??

 このままお引取り願っちゃあ不自然よね?


 玄関も開けちゃってくれているし。


「さ、さあ……デューク様、ヴィンス様、ど、どうぞ……」

「ありがとうございます」

「悪いね、どうも」


 さて、どうしたものかしら……まさかブルーノ様とランス様がちょうどお父様と竜狩りについて協議している真っ最中だったりして!!


 それは困るわ……。


 どうしよ??


「……ラちゃん」


「…-ラちゃん?」


「おーい、カーラちゃん」


 っ!?


「え?あ、はい!?」


 呼ばれていたの?全然気付かなかった。


「そっち、庭じゃないの?」


「え?あ、ほ、本当だ!す、すみません…何かボーっとしちゃって…」


 完全に二人の事なんか上の空だったわ……。


「大丈夫ですか?もし疲れているなら僕らだけでも大丈夫ですよ?」

「ああ、もともとそのつもりだったしな」


「あ、いえいえいえいえ!!ここまでお連れしてそのまま放っておくなんて私のプライドに掛けてあり得ませんわ、おほほほほほ…」


 やだ!私ったら動揺の余りおばさんくさい笑い方になってるわ!!ヴィンス様が変に思ったらどうしましょ…!!


 いえ、そんな事より今よ!今をどう切り抜ける??

 とりあえず出たとこ勝負??


「い、今、お父様呼んで参りますのでこちらの部屋でお待ちを…」

「悪いね、いきなりお邪魔しちゃって」

「い、いえ…それではしばしお待ちを……」


 さて、どうしましょ?

 とりあえずお父様には会わなければならないわよね…?

 応接間にいるかしら?



「失礼します、お父様?」


 あれ?いない…。


 応接間でブルーノ様たちと打合せ中かと思ってここに来たけどいないか。


 と言う事はブルーノさん達はいない?

 じゃあ書斎かしら?



 書斎の扉をノックする。


「おう、開いてるぞ」


 いた!!


「ただ今戻りました、お父様」


 何となく恐る恐る扉を開け顔を覗き込む。


「おお、カーラか」

「あれ?お父様お一人ですか?ブルーノ様達は…?」

「おおブルーノ達なら先程、冒険者ギルドへ行くと言って出て行ったぞ」


「冒険者ギルド、ですか…」


 冒険者ギルドへ何しに…?まさかヴィンス様の適正試験申し込み??


「ところでどうした?何か用じゃねーのか?お前が学校から帰って俺の所へ直接来るなんてよ」

「あ、え、ええ、はい、実はデューク様とヴィンス様と帰り道一緒になりまして、お父様にお会いになりたいそうなんですが」

「おおそうか、それはちょうど良い、俺も奴等に用が会ったからな」


「用…ですか?お父様が?それはどの様なご用件か伺っても?」


 何か嫌な予感がするわ…こういう時の勘に限って当たるのよね……。


「ああ、構わねーが二度も説明するのは面倒だ、お前も同席すれば良いだろう」


「あ、は、はい…」


 ちっ、事前に聞ければ手の打ち様もあったかも知れないけど仕方ないわ、ここで変にこじらせて時間を喰っても変だし…。




 ~



「おう、デュークにヴィンス、よく来たな」

「おお旦那、昨日はごちそうさんでした!」

「いいって事よ、また飲もうぜ」


「ニコラウスさん、昨日はありがとうございました」

「おおヴィンス、毎日だって遊びに来てくれていいんだぜ?なあカーラ!」


「え、ええ、はい!」


 そんな挨拶はどうでも良いのよ、それよりお父様の話って何……?


「で?話があるって?」

「ああ、話って言うか、ブルーノの事なんだけどさ、何か俺とヴィンスに隠し事があるみたいで様子が変なんだけど旦那なら何か知ってるかな?と思ってさ」


 デューク様ったらいきなりズバリ聞くわね。


「別に隠し事って事もねーんだろうけど、竜については知ってるか?」

「ああ、猛角地竜(マッドブルドラゴン)だろ?それなんだよ、その竜の話して以来あいつ何か変なんだよな」


 お父様!?言葉を選んでよ…?!


「その竜なんだがな、実に困っててな、ブルーノに退治してもらう思ってヤツに親方を任せたんだ」

「ああ、それも知ってる。でさ、俺とヴィンスも一緒に竜狩りに行きてーつったら何だか知んねーけど慌てちゃてさー」


 どうするの!?お父様!!


「ああ、初めは連れて行く予定じゃなかったからあいつも断るのに必死だったみてーだな」


 っ!?


「あの…!!お父様…?連れて行く予定じゃなかったからって…?まさか連れて行かれるのですか??」


「ああ、連れて行きゃあ良いじゃねーかってさっき言った」

「はぁあ??何言ってんの??親父!?」


「カ、カーラちゃん…??」


 ヤバッ!!素…じゃなくって、黒い方の私が出ちゃったわ…!!


「し、失礼しました、お、お父様??昨日の話では子供は連れて行かないという話ではなかったでしょうか?」


「ああ、そうなんだがよ…色々あってな…」

「な、何ですの?その色々って言うのは…??」


 ふぅ、ふぅ…私自身の感情を押し殺すのに必死だわ…。


「いやな、ヴィンスがどうしても竜狩りに行きたいみたいでな、それなら仕方ねーんじゃねーかって言う…」

「ああ?!仕方ない??…し、失礼……え、えーっとどうしたらそうなるのでしょうか…??」


 ふぅふぅふぅ…落ち着け私……


「ああ、そこで今度は俺からヴィンスに話があるんだが…」

「え?あ、はい、何でしょうか?ニコラウスさん」


 ヴィンス様が姿勢を正す、私も落ち着くのよ、ヴィンス様の姿勢を見なさい。


「お前、竜狩りに参加したいんだって?」

「はい」


「なら竜狩りに行く条件も知ってるよな?」

「はい、冒険者でなければならない」


「で?冒険者適正試験を受けたい?」

「はい」


「もし適正試験に落ちた場合は知ってるのか?」

「はい、規定より2年後の9歳になるまで再試験は受けれません」


「それでも受けんのか?適正試験」

「はい」


「過去に例はねーぞ?あの魔族王子だって7歳だった、言ってみりゃあ適性とか何とかって言って落とす為のデキレースだぜ」

「でも実力が伴えば受かるんですよね?」


「ああ」

「ならチャレンジしたいです」


 ヴィンス様ってばなんて凛々しいの……そうじゃない!今はそんなこと言っている場合じゃない!!


 お父様?お父様は何を考えてるの?


 お父様はしばらく黙ってヴィンス様を見つめてるけど。


「そこまで覚悟があんだったら気の済む様にしたら良いんじゃねーか?」

「ありがとうございます」


 え?何??つーか、お父様が私にウインクしている…きもっ…じゃなかった……はっ!

 ははぁん……そう言う事…。


 いくらヴィンス様が優秀な子供だとしても5歳で適正試験に受かる訳はないと!


 そういう事ね?お父様。


 確かに魔族の王子でさえ7歳よ、その記録を塗り替える事はあり得ないわ。


 ともすればヴィンス様は試験を受けて結果落ちたなら納得。


 私としてはヴィンス様には悪いけど竜狩りに行かせない、その上、圧力で阻止した事実も無くなり得をする。


 ききき、なるほどぉ……流石お父様、考えたものね…。


 はっ!!

 いけない私ったら、お父様みたいな極悪面になるところだったわ!!


「旦那、良いかい?」


 さっきまで黙って聞いていたデューク様が口を開いた。


「何だ?デューク」

「旦那は一つ見誤ってるぜ?ヴィンスの実力をな」


 デューク様が片目を瞑りながらニヤついた表情でお父様に挑発的に言う。


「がっはっは、そうかそうか!ヴィンスは5歳でも冒険者になれると言うか!」

「ああ、俺は間違いなく受かると思うぜ」


 デューク様は腕を組み両目を瞑り頷いている。


「それならそれで結構じゃねーか、なあカーラ」


「え、ええ、まあ…」


 何?このデュークさんの余裕は何?

 そんなに自信があるって事?


 お父様は楽観的にそれならそれで結構とか言ってるけど…。


 はったり…?いいえ、ここでお父様や私にハッタリをかます意味は無いわ。

 じゃあ何そのニヤついた余裕は…。


「じゃあさっそく適正試験を申し込みに行って参ります!」

「んじゃ俺も付いて行ってやるか!」


「それじゃあカーラちゃん、ありがとございました!今度は遊びに来ます!!」


「え、ええ、お待ち申し上げますわ、ヴィ、ヴィンス様…」


 ヴィンス様も一点の曇りも無いわ。やっぱり相当の実力者なの??ヴィンス様は!?


「冒険者ギルドには連絡入れてあるから話はスムーズにつく筈だ」

「お?流石気が利くねぇ旦那!」


「なあに、気にすんな」


「それじゃ、失礼します!」


「おう、頑張れよ!」


 ヴィンス様とデューク様は颯爽と部屋を後にして行った。



「……お父様、話が違うじゃありません?」


「そうか?だが結果は見えてるじゃねーか、ヴィンスには悪いが適正試験は受からねーさ」

「でも、ヴィンス様とデューク様の余裕は?相当自信ありそうでしたけど?」


「今言ったろ?冒険者ギルドには話をつけてあるって……」


 ニヤリとするお父様、悪気は無いにしても完全に悪いヤツの顔だわ…いえ、この場合悪意はあるか……。


「っ!?それって……もしかして……ギルドに…」


「ああ、万が一は無ぇと思うが、念には念を押してある、落ちるデキレースだと言ったろ?ヴィンスは良いヤツだ、俺はああ言うヤツぁ好きだ、だからこそお前の心配に乗っかってヴィンスを竜狩りに狩り出さなくても良いだろうと思った、ヤツの夢を少し先延ばしにしちまうが命あってのモノダネってヤツだ。つーより普通に考えて5歳の子供が、しかも人族の子供が5歳やそこらで冒険者試験に受かると思うか?」


「そ、そうですわよね……普通に考えたら受かる訳無いですわよね…」

「ああ、結果一番良い形で丸く収まったじゃねーか」


 お父様は完全に落ちると思っているみたいだけど大丈夫かしら……?




 ~~デューク目線~~



 ったくみんな分かってないね~、ヴィンスの実力をよ。

 まあ良いっか、あんまり目立つのもアレだしな。


 でも、やっぱみんなを驚かしてーって欲が出てきちまうよな。

 何しろ俺の一番弟子、いや一番弟子はソフィーか、二番弟子だしな。


「よう、ヴィンス、今更だけど適正試験やっぱ受けるんだよな?」

「ええ、もちろん!その為に今こうして冒険者ギルドへ向かってるんじゃないですか?」


 こいつ、俺以上にあっけらかんとしいるな。


「しっかし人って分からんよな~、ついこの前まで内気で人前に出るのも嫌がってたお前がまさか史上最年少の冒険者になろうとするだなんてなぁ」

「いやぁ、自分もこんな積極的になれるだなんて考えられなかったですよ」


「…考えられなかったって、お前…もしかして記憶が戻ったのか?!」

「い、いえ、そうじゃなくって、た、単純に自分でも積極的だよなぁて思っただけですよ…」


「あ、ああ、そういう事か…」


 しかし何だろうな……5歳児らしからぬ雰囲気と喋り方。むしろ年上に感じる時もある。


 もしかしてあの事故の時、分かっていない何かがあったのか?


 何かって何だ?考えられるのは脳の回路がイカれて急に目覚めた?


 何に?


 分からねー……分からねーけどヴィンスはヴィンスだ。


 魔物や霊的な何かに乗っ取られているとは思えない。


 少し大人っぽいっつーかオッサンくさいがヴィンスだ。


「なあヴィンス、さっきのニコラウスの旦那じゃねーけど万が一試験に落ちちまったらどうすんだ?」


「そうですね……そうならない様に頑張ります、ま、落ちたら落ちたでまた4年後に受ければ良いだけです」


 ん~やっぱ生まれ変わったんだな、こんな前向きな事言うぐれーだかんな。


「そうだな!何も永久に冒険者になれない訳じゃねーしな」

「そうですよ、落ちても命までは取られないでしょ」


「まあ確かに試験で死ぬ事は稀だな」

「え?稀に死ぬんですか??聞いてないよ!」


「いやぁ本当、稀だから大丈夫だろ?試験には神級の魔術師が立ち会うから大丈夫大丈夫、なははは」


「大丈夫かな…何かデュークさんの大丈夫ほど大丈夫じゃないものは無い気がしてきた…」


 う!?完全に疑われている…。


「死ぬとか何とかって話しておいて何だけどよ、(そら)魔術、出来るならアレは使わない方が良いな」

「やっぱりそうですかね、僕も出来れば人前で使いたくは無いんですよ」

「ああ、まだ世間じゃ知られていない魔術だからな、そんなのヴィンスみたいな子供が公の場で使うのはあんま上手くない気がするし、お前の力なら(そら)魔術無しでもイケんだろ?」

「分かりました、それじゃあ試験は(そら)魔術無しでいきます」


 ま、ヴィンスの実力なら剣術に魔術織り交ぜれば心配ないだろう。




 ~~ブルーノ目線~~


「ところで今日はデュークとヴィンスはどうしているのです?」


 冒険者ギルドへの道中、ランスが聞いてくる。


「さぁな、今朝はヴィンスに問い詰められて逃げる形でさっさと家を後にしたからな」


 そうだ、あいつ等今日は何するつもりなんだろうな?

 まさかニコラウスんトコへ行って直談判しに行ったりしてないだろうな?


 ん~あり得るな……。


 まぁそれならそれでニコラウスから適正試験受けろって言われているだろうから特に問題は無いとしてだ。


 気がかりだとすればニコラウスからカーラ様への説明が問題なく出来るかどうかだな。


「今頃、ニコラウス様のところへ行ってるんじゃないですか?」

「ああ、俺も今そう考えていたところだ、だがそれならそれで問題ないし話も早い」

「そうですね、問題はカーラ様、ですよね?」


「ああ、そこを危惧してが、なぁにニコラウス様から上手くカーラ様へは伝えてくれるだろう」


「だと良いのですが…」


 ランスは空を仰ぐようにして溜め息にも似た返事をした。


「また明日、カーラ様の状況を教えてくれ」

「はい、ヴィンスの事も共有しておきましょう」

「そうだな、逐一情報は共有しといた方が良さそうだな」

「はい」


 そんな話をしている間に冒険者ギルドが見えてきた。


「ところでブルーノさん、冒険者ギルドへはどれ位ぶりなんです?」


「どうだろうな、冒険者引退してからというもの行ってないからな…3、4年は行ってないな」


「ブルーノさんって今おいくつなんですか?」


「俺か?俺は今年で25だ」

「え?!25?!」


「何だ、その反応?」


「いや、自分より年下だったのかとビックリしちゃいまして」


「え?お前はいくつなんだ?」


「自分は今年28歳になります」


 何だよ、年上だったのか、俺ぁてっきり20代前半かと思っていたぜ…。

 自分で言うのも何だが俺の方が貫禄ある様に見えるのは何故だ…?

 コイツの方が若々しく見えるし、さっきから気にはなっていたがこいつのファンらしき女性が結構いるみたいだぞ。


 見た目だけなら俺も引けは取らないと思うんだがな……。


「あ、あ、ところでランスは、あ、いやランスさんは結婚はしてるのか?」

「ははは、やめて下さいよブルーノさん、ランスさんだなんて今まで通りランスで良いですよ、その方が私も落ち着きますし冒険者時代の恩義もあるんですから年なんて関係ないですよ、ちなみに結婚はしておりません」


「そ、そうか、結婚はまだなのか、ラ、ランスは」


 そうか、ここだ!

 俺との渋みの差は、俺は結婚し一児の子供を持つ父親で大黒柱、かたやランスやデュークみたいな独身貴族達は何処かチャラチャラとして落ち着きがねーんだよな。


「私も早くブルーノさんトコみたいな素敵な家庭を持ちたいですよ」

「そ、そうか?な、なら早いとこ落ち着くべきだな…!」

「はい、そうしたいのですがなかなか…」


「ま、まあそう焦る事でもないしな、あっはっは……」


 何だろ?何か負けた感があるのは…。


 まあ、気を取り直して人材確保だ!


 久しぶりに冒険者ギルドへ足を踏み入れるが何ら変わんねーな、この雰囲気。

 独特の土臭さというか酒場にも似た様な匂いと粗野な感じ、嫌いじゃねーけどな。


 とりあえず1階にたむろしている奴等を品定めする。


「どうです?ブルーノさん」


「うむ、そうだな……」


 2階へと続く階段に向かいながら左右のテーブルや壁際で談笑している冒険者達を見ながらフロア中央をゆっくり進む。


「お、ランス中隊長じゃねーか?それにもしかして…そっちはブルーノ?」


「ん?」


 俺の名前を知っているのか?誰だ?


 そいつはピンク色のモヒカンの大柄な男だった。


「シンプソン、ブルーノさんを知っているのか?」


 思い出した、昔コンジェット渓谷の迷宮で緋目地竜(ルビーアイドラゴン)を狩った時に一緒に潜ったベアーフッドにいたシンプソンだ。


「ああ、もちろん知ってるぜ、昨日デュークの野郎にも会ったしな」


「久し振りじゃねーかシンプソン、コンジェット迷宮以来だな、元気そうじゃねーか」

「お!さっすがブルーノ、覚えていてくれたかよ、デュークの野郎はすっかり忘れてやがったけどな!」


「普通忘れねーがな、迷宮で竜相手に一緒に戦ったヤツの事で、しかもそんな目立つなりのヤツの事ぁ」


「俺もそう思うぜ…だがあの野郎はそうじゃねーみてーだがな、まあそれはそれでアイツらしいっちゃアイツらしいけどな」


 確かにデュークらしいな……。


「そういやぁ昨日お前の息子にも会ったぜ、クラリス似で良かったな!」

「何処がクラリス似だ、完全に俺似だろ?」


「「……………」」


 ん?シンプソンとランスまでもが魂抜かれた様な面構えになったぞ?何でだ??


「……で、で、きょ、今日は例の猛角地竜(マッドブルドラゴン)の件で来たのか…?」


「あ、ああ、そうなんだ、実はな今度ブルーノさんを親方に竜狩りのパーティーを作る事になってな、その件でここへ来たって訳なんだ」


 竜狩りについては当然、冒険者たちは興味津々と言った所だな。さっきっから俺とランスをチラチラと遠巻きに見ていた奴等もこっちへ視線を向けている。


「正式にはギルド経由で領主案件の竜狩りパーティー参加者募集を掲示するんだが目ぼしいヤツがいたら直接ヘッドハントするかと思ってな依頼掲示がてら来たって訳よ」


「だったらちょうど良いじゃねーか、俺ぁ参加するぜ!昨日デュークの野郎にも言ったんだがな」


「ああ、お前なら合格だな、実績もあるし頼めるか?」

「あたぼーよ!!」


 シンプソンはその厳つい二の腕に力を入れ筋肉を誇示する様にしながら笑顔で答える。


「他に参加してーヤツぁいるか?」


 俺はメンドクセーからこの場で参加希望者を募る。


 が、目を逸らすヤツばっかだ…。


「いねーみてーだな、なら依頼を出すから気が変わったヤツ、もしくはここにいねーヤツで心当たりあるヤツがいたら声掛けてくれよな」


 そう言いながらランス、シンプソンと共に2階へと上がり、受付に領主案件として依頼を提出した。


 提出必要事項もランスが進めてくれ滞りなく済ませ帰ろうと1階に下りると2人組が入り口から入ってきた。


 逆光で分かりづらかったがシルエットで分かる。


 ヴィンスとデュークだ。

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