ネロのパーソンテージ
パーセンテージじゃないよん!
「ちなみに、1位と800万位以外の神もいろいろな役職についたり、新しい神がランキングに入ってきたりするからシャッフルって言われているのね。」
「しかし、800万位以外は1神も人間社会に来ないのか?」
「そうよ。100年にたった1神だけが人間社会に行けるの。それはそれで、名誉なことだし、人間社会に行って偉人になった先輩神たちも沢山いるの。だけど、私は絶対嫌だね。」
どうやらネロは頑固な性格のようだ。なのにいつまでも800万位っていうのはやる気がないにも程がある。
「なんで、人間界が嫌なんだ?」
「そりゃあ、ゆうまを天から面倒見てたら分かるでしょ。人間界はやらなきゃいけない事が沢山あって、ストレスは溜まるし、プレッシャーに押しつぶされるし、人間関係に苦労するし、事故で死ぬかもしれないし、ましては70億以上もいる中でどうやって活躍しろと言うのよ。だいたいゆうまみたいな変態が沢山いるんでしょ。そんな世界絶対いやーーーー。」
どうやらネロはワガママ、駄々っ子のようだ。というか、俺が部屋で1人でオナニーしてるところも見られてたのか!神だから見られてるのは仕方ないけど、「見ました」って報告されてるような感じがすると、すげー恥ずかしくて気まずい。俺は変態とは言っても"人並み”の変態なはずだ。俺が"世界一”みたいな言い方をされては困る。
「おい、ネロはもっと変態な男とやらを見てこなかったのか!俺なんかが世界一だと誤解していないか?俺は普通の変態であって、世界にはもっとスーパーな変態男子がたくさんいるんだぞ。」
俺は必死も必死で弁解を試みた。しかし、ネロは予想外の反応を見せた。
「私はあなたの面倒しか見てないの。だから他の人のことは分からないわ。」
( ´∀`)ハハハみたいな顔でかるーく言うネロ。ってこれは大問題だろ。今の世界人口が75億、まぁ約80億と考えて、神が800万だから1神あたり1000人は従えていないと釣り合わない。俺が計算で出した結果を呼んだかのようにネロが説明を加えてくれた。
「今、頭の中で、なんで私が1人しか従えていないのかを考えたでしょ。」
「う、うん。」
「なぜか教えてあげる。昔は人間はほとんど平等に与えられていたの。というかその時代は1神あたり100人いないほどだったの。だからみんなしっかり運を分け与えたりしていたんだけど、数百年前から人間界で人口爆発が起き始めて、1神あたりの担当する人間が1000人ほどまでに膨れ上がって、しっかり面倒を見ずに、放置する奴らが沢山現れたの。それで、当時のマザーゴッドが面倒を見れるヤツが沢山人間を従えていいというルールを作ったの。そしたら神界のバランスは崩れ始めた。」
なかなか残酷な時代が到来しているようだ。人口爆発は神界にまで影響を与えていたのか。
「それで、もちろんGPにも影響が出るの。だからゆうま1人しか見てない私はいつまでも世界最下位なの。あと、従えている人間の多さを"パーソンテージ”って言うので表すんだけど、そっちでも私は98年連続最下位を記録したわ。」
「でも、俺98年も生きてないから、前にも見てた人がいたのか?」
「いたわよ。すごーぃ歳をとったおばあちゃんで、82年間ずーっと見守ってたんだけど、ある日癌でなくなってしまった。そのあと何とかとることができたのがゆうまだった。」
なんか難しい話だなと思っていたら、いつの間にか本来の目的地に着いていた。
「さあ、今から神格証明書を作りに行くよー。入ってきて!」
と言って先に教会のような建物にネロは入って行った。後ろ姿を見て、スタイルもいいんだなと思った。初対面でこんなこと考えてる俺ってやっぱ変態かな。
それにしても、あんな笑顔で言ってるけど、ほんとはすごい深刻な状況なんだよな。
どうしてあんなに余裕そうなんだろう。
神のプライドかな。
神のプライドねー