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美少女になりてえよなぁ  作者: 釜蔵
へちまくれの流浪少女
138/181

本を読み耽る知的な美少女も悪くない

すみません仕事が入ってしまったのでまた短いです。

年末ぐらいまでこんな調子ですが、その分手が空いたら更新を増やしたいですね(願望)


2022/12/11

書く時間が取れなかった為、更新日を12/18へと変更します。

申し訳ありません。


2023/4/20

後半を改稿しました。

主にハナの内情です。書庫へ向かう気満々でしたが、一考して保留にしています。


 それから少しして、夕食の時間となる。宿自体が広いので、飯を食べる場所があるのは助かるな。

 道中の宿は部屋で食べてたし、一汁一菜が良い方の簡易的な食事だったけど、ここは本格的だ。

 


「おお……お雑煮みたい」

「餅っぽいけど、これ肉なんだぜ」

「そうなんだ。餅にしか見えん」



 餅みたいな肉が入った汁物が出てきた。

 頂いてみるとこれまた餅っぽい。でも肉。不思議過ぎる……。ダイナは既に食べた事があるらしいが、未だに慣れないそうだ。



「何の肉なんです?」

「この辺で取れる魔物の肉。マポイフって名前の魔物」



 ガーベラが答えながら、美味しそうに肉へとがっついている。こう言う所は犬っぽい。



「可愛い名前ですね」

「名前だけはな。見た目はゴツい牛みたいだから可愛さなんて皆無だぞ」



 むしゃむしゃと豪快に食べながらシーラが答えた。

 牛か。牛肉にしてはもっちりしてるが悪くない。異世界ならではの感触を新しく学ばせてもらったぞ。


 物の流通が減ったせいで宿主のおばちゃんは「普段はもっと色とりどりなんだけどねぇ」と不満を漏らしていたが、俺としてはこれで十分新鮮に感じる。



「美味いかボタン」

「もちもち」



 感触が面白い様で、珍しく味わいながら食べている。スライムだから食感とか無いと思うんだが。



「さあ、たんと食べて下さい。食べなきゃ大きくなれないですよ」

「何故この人は私に食べさせてくるですか」

「庇護欲の暴走じゃな」

「傍迷惑すぎる」



 ケイカの庇護対象がボタンからルーファに移ったようだ。アイツ痩せてるからな、多少は肉をつけた方が良いとは思う。

 そんな騒がしく飯を食べていると、ダイナから話しかけられる。



「明日はルーファを連れていくって言ってたけど、何処に行くんだ?」

「街を色々見て回るだけだぞ」

「そうか。実は、火竜劇団の人にハナを紹介してくれって言われたんだ」


 

 ダイナ曰く、魔物使いなのとフロクスの知り合いという事で挨拶したいらしい。

 フロクスには世話になったし、何だかんだ俺も火竜劇団には興味があるから全然ウェルカムだな。



「じゃあ、まず火竜劇団に挨拶へ向かうか」

「私達も行って良いんですか?」

「勿論、良ければ全員来てくれって言ってたよ」

「やった!」



 明日の予定は決まったようだ。朝飯食べたら挨拶しに行って、お昼過ぎまでゆっくり街を見て回り、夕方頃までのんびり過ごす。

 カフェとか行っちゃおうかな。凄い美少女欲求が満たされていくぞ。最高じゃないか。

 それに夜は夜で行きたい場所もあるしな……フフッ。



「テンション上がってきた」

「もう夜なんだから上げられても困るぞ」

「良いじゃないですか。ハナさんは王都やラフィルに来るのは初めてなのでしょう? もっと楽しむべきですっ!」



 オクナもそう言ってくれているので、全力で楽しませて貰おう。

 その後も楽しく話しながら飯を食べ、俺達は各々自身の部屋へと戻った。




 俺の部屋は二人部屋だが、俺とボタン、そしてオクナがいる。

 ホントは三人部屋を使う予定だったが、ルーファが一人で旅していると聞いてケイカが部屋に持ち帰ってしまった。


 嫌がっていたら止めるが、まんざらでもなさそうだったのでリコリスと一緒に三人部屋を使ってもらう事にした。

 それと、オクナがやたらボタンに興味深々だったので一緒の部屋にした。



「ボタンさんは、人以外には変化出来るんですか?」

「うーん、どうでしょう。ボタン、何か出来る?」

「んー?」



 スライム形態に戻っているボタンに聞くと、体をうにょうにょと動かし始める。

 しかし、何かに変わる訳でもなく止まってしまった。



「出来ないみたいですね」

「あくまで人限定なんだ。どういう原理なんでしょうね」

「きゅう」



 疲れたのか、ぽよぽよと跳ねてオクナの膝へと乗る。



「良かったら明日、ラフィル書庫へ行きませんか?」



 ベッドに座っていたオクナが、俺へと聞いてきた。



「書庫?」

「はい、本が沢山保管されている場所です。ケイカさんが行きたいって言ってまして。私もご一緒させて貰うのですが、聞いて無いですか?」



 そう言えば道中、そんな事言ってたような。たぶん、うとうとしていた時に聞いたから覚えてなかったのかもしれない。



「もしかしたら特殊なスライムや、変化の事も調べられるかなと思いまして」

「確かにそれは気になりますね」

「ケイカさんは犀人の事を調べると言っていました」



 ボタンを撫でながら、オクナはそう言った。

 ケイカと出会ってから半年は経つが、未だにケイカ以外の犀人とは出会ってないそうだ。


 そもそも、俺は犀人以外の獣人も碌に出会ってないけどな。牛人とか牛人とか。早く会ってみてえ。

 ……そうだな、その辺のお勉強も含めて行ってみても良いのかもな。セピアから聞けばいいんだろうけど、実際どんなのがいるかざっくり見てみたいし。



(そうですね、話を聞くのと、本で見るのとでは印象が違うかもしれません)

(おう。決して! セピアを! 軽んじてる訳では! 無いからな)

(そんな主張するように言わなくても分かってます!!)



 俺が足りない部分をサポートしてくれるだけで十分なのだ。

 それに、本を読み耽る知的な美少女も悪くない。


 ……しかし、今日に引き続き街を見て回るのも捨てがたいのよな。

 ルーファを連れ回すつもりだったし、考えておこう。



「少し考えてみます」

「はいっ! むしろ、ケイカさんから誘われていたのでは?」

「ん~? 多分誘われて無いですね。興味無いと思われてそうで」

「多分、言ったと思って忘れてるんです! ケイカさんはその……結構先走るといいますか、そう言う所があるじゃないですか」



 そそっかしいをやんわり言おうとしているのが分かるので、苦笑いしながら俺は答える。



「明日聞いてみますよ。それよりも、オクナさん……六曜の事を教えて下さい」

「私達の事ですか? 何を知りたいんです?」

「普段どんな依頼受けてるとか、なんか面白かった事とか!」



 俺はオクナから、六曜についての話を聞いた。

 単純にどんなことしてるのか興味があったのと、夜に女の子同士でキャッキャするのは美少女の醍醐味だからな。

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