『90』 元気ですね、ムカデさん
ラークさんの雷を食らって、ちょっとの時間だけ動かなくなっていたけど、その後すぐに元気になってしまった。虫って本当にタフなヤツはタフだもんね。 特にゴキブリとかは…………
いまのところ、自分のアパートの部屋には出てきたことないけど。どこかのお店行ったときに見ちゃったときは最悪だったな………カサカサカサカサって動くんだもん。でも、なんだかんだ言ってムカデ系が一番気持ち悪いです。
ムカデはパキパキと音を立てながら、左右にゆっくりと揺れていた。何かやってきそうな感じだよね。ああいう動きをする時は何かをする時の準備の動きっていうのが、ゲームとかアニメでよくある展開だよ。そして、結構強めの攻撃をしてくるって流れかな?
こういうのを”てんぷれーと”って言うんでしょ?
「おいおいおいおい………!!おいっ、全然効いていねぇじゃねぇかよ!!どうなってやがんだよ!!俺の雷が効かないなんて………俺の発電力は、たかが知れていたってことかよ……!!」
「そんなのどうでもいいから頑張ってよ。全く効いていないってわけでも無かったんだから」
『全く効いていないぞ。何だ?今ので不意を突いたつもりか?』
(絶対に強がりですよね………さっきまで思い切り動けなくなっていましたよね?何で強がる必要があったんだろ)
「クソッ………何て奴だ!!」
(えっ?信じちゃってる感じですか?変なところでピュアっぽいのを出さなくていいから。後、ムカデはいつまで揺れているの?そろそろ何かしてきてもいいんじゃないの?)
変に強がって揺れているムカデに、それに悔しがるラークさんを見ていて、アホらしいと思ってしまう。
ラークさんがムカデの言葉を信じて悔しがる意味も分からないし、ずっと同じように揺れているムカデの行動を分からない。
とりあえず、悔しがっているラークさんは良いとして…………ムカデさん、何かしてきましょうよ。誰もメトロノームの真似をしてなんて言ってませんから。
うん?もしかして………ラークさんの攻撃で体が思うように動かなくなっているってことなのかな?見えない部分のダメージが結構きているみたい、って考えていいのかな?
それを誤魔化すために揺れているってことかもしれない。変に強がっているのも、それが理由なら納得が行く。ははぁ~ん、これはもう、戦いが私達の方が有利になっているね。
このチャンス、この時に畳みかけよう!!
「今なら攻撃が当たるはず!!一斉に畳みかければ勝てる!!はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「よしっ!!!!全員!!!!かかれぇぇ!!!!」
「「「「「「「おおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」」
『………………………………………………雑魚』
____ピキッ……………ズバァァン!!____
「おぁ…………何………で………?」
「一体………な………に…………が……………」
____シュゥゥゥ………パキパキ____
「何が起こったんだ?何がなんだか…………」
『……………………………………………………』
「これは…………ちょっとヤバいかもしれないね」




