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白銀少女戦記 〜Free-for-all〜  作者: 結城斎太郎
†フェアリー・ディファレント†
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『8』 スキルについて

「んで、他に聞きたい事ってあるか?」


「後はねぇ~、スキルについて詳しく教えてほしい」


「そうだな。てか、そっち先に教えた方が良かったな。あんな馬鹿みてぇなスキルをマトモにコントロールできねぇで連発されるのは危ねぇからな」


「た、確かに…………」



 そうだよね。そこなんだよね。

 強い力はちゃんと使えるからこそ良いってもので、使えないんじゃ逆に自分にとって悪いものになる。

 むふぅ………とは言っても、スキルについての解説をしてもらっても正直なところ、それだけで完璧に使えるようになるのは無理だと思う。


 ここ来ていきなり使えるようになったからね。1日や2日で使えるようになるとは思えないよ。でも、早めに使えるようにしなきゃいけないってのもあるし………


 はぁ~、何か忙しくなりそうだな。


 嫌、そうでもないんだろうけど、何がどうなるのかは全く予想が出来ない感じだよ。”みちのりょーいき”ってことかな?

 うん、マジで恐ろしいよ。どうしよう、練習しているん最中とかに知らない人とか巻き込んじゃったら………あぅぅ………考えたくないなぁ。



(多分、人が全く居ないであろう樹海とかそういうところじゃないと無理だよね。樹海とかでもどうかと思うくらいに不安だもん)


「ちなみに、スキルの練習するなら何処でするの?」


「ん?街中」


「アホでしょ?何でわざわざ街中なの?人に当たったらどうすんのさ」


「多分…………そんなことは無いだろうが、まぁ当たったらぁ~、そん時ゃそん時だろ?」


(適当過ぎません!?何かこう、もう少し周りに気を遣おうよ。人に当てたくないって言ったのに、人がいっぱい居るところを選んだのかな?ラークさん、本当に頭大丈夫?)



 私には、ラークさんの考えていることは分からない。危ない危ないと散々言っていたのはラークさんなのに、なぜその危ない方をあえて選んだのかな?

 何か私にでも分かって、納得できる理由があるんだよね。そうじゃなきゃ、あんなことは言わないよね?


 

「街中って言っても大通りとかじゃねぇぞ?ちょっと秘密の場所があるんだよ」


「それは期待していいのかな?」


「あぁ、マジで人が来ない場所だから。それは後のお楽しみってことで」


(楽しめるわけがないよ。本当に何言ってるの、この人)



 どうやら、ラークさんが言うには”秘密の場所”というのがあるらしい。期待してもいい見たいなこと言われても、「はい、期待しています」なんて言えるわけがないよ。さっきから色々と適当なんだよ。

 それじゃだめだと思う。私の力、何処でどうなるのかが全く分からないんだから、前もって計画を立ててから、ちゃんと安全のことも考えた方がいいよ。


 こんなに適当なことをしていながらも「何とかなるだろ」感が伝わってくる。何とかならない気がするな。

 だって、私の力を何とかしようとする人が、その力の餌食に簡単になっちゃったんだからね。何とか出来るんなら、かわすなり防ぐなりするはずだよ。

 

 モロに食らってたし。”くりーんひっと”だよ、”くりーんひっと”。


 ふうぅ、私の異世界生活は一体どうなっていくんだろう。不安しかないよ。怖いって言うのは、特にはないね。何だか分からないけど。


 とりあえず、今はラークさんの思うままの行動に合わせていこう。本音のところは、あまり合わせたくはないんだけどね。


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