『81』 互いにしぶとい
「まさか………切っても新しいのが生えてくるなんて………」
「訂正。トカゲというよりナ〇ック星人か」
「その例えは駄目だから!!怒られるヤツだから!!って、遊んでいる場合じゃないから!!早く手伝ってよ!!」
まさか、足が生えてくるなんて思わないでしょ。いくら何でも予想外すぎですって………生えるときの音も気持ち悪かったしさ。ミチミチミチッ!!って音してたよ?いかにもって音してたよ?
グロい、ただただグロかったです。こんな状況じゃなかったら、耳を塞いで何処か遠くに逃げ出したくなるくらいに嫌な音だった。
切っても生えてくるってことは、生えてくる前に素早く次の攻撃に移って、生えてくるのに追いつかない速度で攻撃し続けてないといけないってわけだ。
何かもう、ラスボスと戦っているような気分だよ。最初でこの強さってなると、ラスボスは一体どれだけチートな力を持っているんだろうか。
『来ないのなら………こちらから行かせてもらうぞ!!』
「…………………………ッ!?」
_____ブンッ!!ガキィィィン!!_____
「ふぐぐ………!!攻撃が受け止めきれない………!!」
『さっさと散るが良い!!』
_____シュイン!!シュイン!!ザシュッ!!_____
『なっ………!!クッ…………!!』
「えっ………?」
「おい、お母様。お前はいつから敵が1人だと思っていたんだ?」
「ラークさん?ユーリさん?」
「アヤヒ、大丈夫か?」
「うん………まぁ………一応………」
ドラゴンのグーパンチを剣で受け止めていたけど、攻撃が重すぎて踏ん張るのに精一杯だったところに、2人が私が受け止めていたけどドラゴンの手を、目で追えないスピードで微塵切りように切り刻んだ。更に、そのままお腹にも切り傷を負わせていた。
私はその隙に瞬間移動でドラゴンから距離を取った。
それに合わせて、ラークさんが私の近くに来た。ユーリさんだけ、ドラゴンの目の前に居た。
腕を斬られたドラゴンは、足と同じように嫌な音を立てながら綺麗に生やした。やっぱりさ、あのナ〇ックシステムはズルいと思う。急所を狙って、致命傷にならないくらいのダメージを与えて、心を折らせるしか勝てる方法は無いってことだよね。
どうやって攻略するか、ラークさんと話してみた。その間は、ユーリさんに少しばかり1人で踏ん張って貰うことになっちゃうけど………ユーリさんなら、きっと何とかやってくれる!!
再生をするっていうことは、ちょっとしたダメージじゃ回復されるってこと。それくらいじゃドラゴンさんのメンタルをへし折ることは出来ない。
一番手っ取り早いのは、圧倒的な実力の差っていうのを見せつけるのが良いんだけど。それは今までの戦いを思い出してみれば、だいぶ無理がある作戦だと思う。
そんな実力の差っていうのがあれば第一、もう勝手先に進めているはずだからね。
うーん、私の頭じゃ良い作戦は思い付かなさそうだよ。小学校6年生の知識じゃ限界があるかもね。こういうのって知恵だけじゃ何ともなりそうにも無いよね。
ここはラークさんの意見に合わせるしかない。かと言って、ラークさんの意見も微妙な可能性もあるんだよ。もしかしたら、「とにかく頑張るぞ!!」みたいな感じになりそうだし。それってもはや、作戦じゃない気がする。
「ラークさんも、何か良い作戦みたいのって思い付いた?」
「作戦?そんなの……本能の赴くままに突き進むだけだ!!」
(予想通り過ぎて何もツッコめないよ………!!)
「あひょょょん!!ひでぶっ!!」
「あっ!!ユーリさんがやられそう!!……って、うん?あれ?」
「どうかしたか?」
「お腹を見てみて。さっきラークさんとユーリさんが斬った傷が残っているよ?」
「えっ?どこ?おっ、マジだ。何でだ?」
ユーリさんが変な声を出してやられそうに?なっていたから、ユーリさんの方を向いてみたら、たまたまドラゴンのお腹の傷が回復することなく残っていることに気付いた。
何だか理由は分からないけど、足とか手は生えてきても、お腹の傷とかは回復しないってことなのかもしれない。
偶然見つけた勝利への道………足とか腕を狙って、動きを少しの時間だけ止めて、その隙を狙うっていうよりも、気合いで攻撃を防いだり何なりして体に直接ダメージを与えた方が良いみたい。
吹き飛んできたユーリさんと、ずっと隣にいるラークさんにその事を伝えて、3人で一気に適当に全力で突っ込んでいくというスタイルにした。




