『71』 ベテランさんと戦うことになりました ~その2~
「アイツ………やっぱり、戦っているうちに………どんどん強くなっていないか?」
「あぁ、両方の剣にスキルを纏っている。来たばっかりの時は、使うだけで暴走しかかっていたのにな。腰抜かすレベルでビックリの急成長だぜ」
かれこれ、10分以上も戦っているけど、意外とベテランさんが踏ん張ってくれるお陰で、勝負がなかなか着きそうにも無かった。
ベテランさん、凄い必死になって戦っている。私も本気と言えば本気だけども、そこまで必死になって戦っているって訳じゃないね。気持ちに余裕が無さそうだもん。
女の子に負けるっていうのが嫌なのかもしれないね。その気持ちは何となく分かる気がするよ。20年戦って生きてきた人が、急に出てきた初心者の二刀流使いの女の子に負けるだなんて、結構恥ずかしいことだよね。
単純に思っている以上に、攻撃をかわされたりしているからイライラしているのもあるかもしれない。
気持ちに余裕はあるといっても、気を抜いているわけじゃないから。ベテランさんの攻撃だって、普通に重くて鋭い一撃だし、そのくせに隙が無いから、無駄に面倒臭い。
炎よりも、あの灰色のスキルの方が良かったかな。嫌、あれは色々と危ないから駄目。今は暴走していないけど、買えた瞬間に暴走して人を巻き込んじゃったら大変だし。
うーん、このままで何とか勝つしかないか。スキルの相性的にも私の方が有利みたいだし。わざわざ変なチャレンジをする必要も無いね。
「クッ…………!!攻撃が上手く決まらないだと………!!相手は初心者の筈なのに!!」
「よっこらしょと」
____ヒュン!!ゴォォォ!!____
「おぉ!!出たっ!!アヤヒの得意な閃光スキル!!」
「なっ………!!動きが………見えない………!!」
「へへっ、動きが遅いんじゃないの?」
「あれが………閃光スキルの動き………はじめて見た」
瞬間移動をして、ベテランさんを戸惑わせようとしてみたけど、一瞬驚いただけで、その後はすぐに切り替えして攻撃を防がれてしまった。
でも、一瞬驚いてくれたのがあったせいで、頬に少しだけ掠り傷を与えることが出来た。多分、これじゃ勝ったっていうのには物足りないって感じなんだろうけど。
瞬間移動も駄目となると………うーん、どうしようかな?
おっ?ちょっと面白いことを思い付いたから、試してみようかな。今までスキルを剣だけに纏って使っていたけど、直接体に纏ってみるというのはどうだろうか。
今のところ、体に直接スキルを纏って戦っている人を見たことないから、果たして出来るのかっていうことなんだけど…………
悩んでいる場合じゃないよね。やるだけやってみるしか無いよ。出来なかったら出来なかったってことで、出来たら出来たで戦いの幅が広がる。それだけだもん。
「うん………?君、何か企んでいるようだね?」
「さぁ?どうでしょうかね?ご想像にお任せしますよ」
「そう簡単に思い通りにさせるわけが無いだろ!!」
____ヒュォォ!!パキパキパキッ!!!!____
「うっほ………うぅ………寒っ!!」
「やべぇ………凍え死ぬ………これ絶対に死ぬ寒さだよ………」
「俺の氷の剣は………万物を切り裂く!!君の剣もなまくらにしてあげよう!!」
____パリィィン!!シュゥゥ…………____
「なっ……!!俺の氷を………残らず薙ぎ払った!?」
(よしっ………いける!!)
____チャキン____
「剣をしまった?まさか………!?スキルを直接体に纏うつもりか!?そんなこと………俺でも出来な_____」
「はぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
気合いを力を込めて、辺りに響き渡るような声で叫んだ。
すると、私の体に灰色のスキルが集まるようにして纏わり付いてきた。
うん?あれ?炎の方を纏おうとしたのに………何でかな?
まぁ、スキルをコントロールできていないからだと思うんだけど。出てきちゃったものほ仕方ないし、問題も無いようだから、こっちのスキルで戦おう。




