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白銀少女戦記 〜Free-for-all〜  作者: 結城斎太郎
†フェアリー・ディファレント†
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『6』 ヴァルドヘイム

 今、ラークさんに色々なところを案内してもらっているよ。主に、スイーツとか食べ物系のお店を回っているところ。お金はラークが出してくれている。

 最初は遠慮しようかと思っていたんだけど、何か必死に奢らせてくれと頭を下げられたので、成り行きでそうなっている。奢らせてくれって頭下げる事なんて有るんだね。


 それでも、値段とか分からないなりに、一応安そうな物を選んでいたんだけど、途中で値段を気にしていることを察したらしく、勝手に私が選んだ物よりも高そうな物を選んでは私に渡していた。



「気を遣うな!!何も考えずに好きな物を選べ!!」



 と、街中で叫んだので、私は頷くことしか出来なかった。はぁ~、街中で人通りが多いところで叫ぶのは止めてほしいよ。

 凄い見られた。凄い冷たい目線で見られた。ねぇ、どうしてくれるの?この状況。


 離れないと私まで変な子だと思われる。私はさり気なくラークさんから離れていった。ラークさんは真顔でキョロキョロ辺りを見渡していた。

 何で、その、”きょどーふしん”なのかな?若干体が揺れているのは何でだろうね。今更になって目線を気にするんだね。気にするんなら、もっと早いところで気にするべきじゃなかったのかな?



「はい………はい……………」


(さっきまでの元気の良さは何処に行っちゃったのかな?)


「って、うわぁぁぁぁぁ!!!!」


「な、何!?いきなり叫びだして!!」


「財布落とした………どうしよう………マジでどうしよう………色々大事な物入ってるのに」



 辺りを見渡した後にボソボソと独りで喋っていたラークさんが、また急に大声を出した。

 今度はただの叫び声。何の前触れもなく叫ぶものだから、ビックリして心臓が止まるかと思ったよ。

 

 叫んだ理由は、財布を無くしたためらしい。叫んだ後は必死に自分の体をひたすら触ったり、周辺を探し回っていた。


 私はその様子をずっと見ていた。これだけ必死になって探している人が居るのに、なんて冷たい対応をしているんだろうと思う人もいるかもしれないけど、私にだって言い分はある。

 だってさ、ラークさんが必死になって探している財布、私はある場所を知っている。


 知っているからと言って、別に隠しているつもりでもない。場所が場所だから隠せるわけもないんだけどね。逆に、本人こそ気付く場所にあるんだもん。



「無い!!無い!!無ぁぁぁい!!」


(仮に、ある場所を伝えるとして……どう伝えれば良いんだろうね)



 そう思わせるくらいの場所にある。

 答えは、ラークさんのはいているズボンの後ろのポケットの右側に入っている。ピョコって出ているから割とすぐに気付いた。


 明らかに財布だろうというものが後ろのポケットからこんにちはしている。というか、私に奢ってくれたときに見た財布だったんだもん。絶対にあれは財布だね。

 だから、本人が気付くまで何も言わないことにしてみた。あれだけギャーギャー騒いでいるのに、自分のすぐ側にあるんだもん。

 アホらしいにも程があるよ。ラークさんってアホなんだね。街中で大声出す時点からアホだなって思っていたけど、これは予想を超えてくるアホだね。


 何時になったら気付くんだろうと見ている。これがなかなか気付いていてくれない。頭を抱えてボソボソ言いながら、既に自分で持っている財布を必死になって探す。


 何か、そろそろ可哀想になってきたから、教えて上げた方が良さそうだね。ラークさんの顔が真っ青になっているし。



「ラークさん、ズボンの後ろのポケットを確認してみてください」


「ポケット!?そんなところはとっくに確認した…………あった」


(はぁ~、何やら忙しい人だね~)


「お、お見苦しいところをお見せしてしてしまいました………はぁ………」


「溜め息つきたいのは私のほうなんだけどね」



 

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― 新着の感想 ―
「見た目」連呼に「目線」連発ですか いくら主人公小学生とは言えもう少し書き様があると思いませんか? 幼い印象のある言葉ですから書き手の語彙能力が問われると思います
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